「水準測量の誤差と補正」の問題集です。一問一答5問、五肢択一6問。各問題の「正解・解説を見る」を開いて答えを確認してください。
このページの略称:準則=作業規程の準則(国土交通省告示)
一問一答(○×)
問1 ○×
視準線の一定の傾きによる読定誤差が距離に比例するモデルでは、前後視の距離を等しくすることで高低差に現れる視準線誤差を相殺できます。
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正解:○
正しいです。誤差項e(DB−DF)は等距離なら0です。器械高とその他条件が安定したモデルでの判断です。
根拠:作業規程の準則 第64条第2項第五号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);計算で検証:読定差と直線傾きの導出
問2 ○×
球面の幾何による球差が同じ距離の前後視に等しく現れる場合でも、前後視等距離では球差の高低差への影響を軽減できません。
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正解:×
誤りです。球差成分が前後で等しければ、読定差をとると相殺されます。
根拠:計算で検証:球面の幾何と小距離近似;作業規程の準則 第64条第2項第五号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版)
問3 ○×
同じ屈折係数で気差成分が視準距離の二乗に比例する近似では、視準距離を短くすると気差の大きさを軽減できます。
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正解:○
正しいです。q(D)=kD²の同一係数モデルでは距離短縮により絶対値が減少します。実際の屈折条件が異なる場合の完全消去を保証する説明ではありません。
根拠:計算で検証:同一屈折係数の二次モデル;作業規程の準則 第64条第2項第一号イ・第五号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版)
問4 ○×
水平な視準線で正の高さを読むとき、鉛直から傾いた標尺の読定値は、鉛直にした場合より小さくなります。
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正解:×
誤りです。読定r=h/cosθとなり、傾斜すれば正の読定は過大になります。
根拠:国土地理院 水準点の測量 標尺は直立 [https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/suijun-survey.html](確認日時点の公開資料);計算で検証:直角三角形の関係
問5 ○×
重力加速度が地点によって異なっても、同じ微小ポテンシャル差で隔てた2つの水準面の間隔は、全地点で常に等しいと扱えます。
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正解:×
誤りです。微小差では間隔は約ΔW/gなので、重力の違いにより間隔が変わります。全て一定間隔の平行面としません。
根拠:計算で検証:重力ポテンシャル勾配gと微小差ΔW=gΔHの定義
五肢択一
問6 正しいもの
標尺Ⅰ号の零点偏りは+2 mm、Ⅱ号は−1 mmです。最初の測点をⅠ号後視・Ⅱ号前視とし、その後は後視・前視の標尺が交互になります。他の誤差はないものとして、2測点及び3測点の合計高低差に残る零点偏りの正しい組を選んでください。
- 2測点:+6 mm、3測点:+9 mm
- 2測点:+3 mm、3測点:+3 mm
- 2測点:0 mm、3測点:−3 mm
- 2測点:−6 mm、3測点:−9 mm
- 2測点:0 mm、3測点:+3 mm
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正解:5
正解は5です。1測点目の偏りは2−(−1)=+3 mm、次は−3 mmです。2測点で0、3測点で+3 mmが残ります。
根拠:作業規程の準則 第64条第2項第三号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);計算で検証:交互差の有限和
選択肢1:誤りです。各測点を同じ+3 mmとして、標尺交換の逆符号を無視しています。
選択肢2:誤りです。2測点目の−3 mmを落としています。
選択肢3:誤りです。3測点目は最初と同じⅠ号後視で+3 mmです。
選択肢4:誤りです。差の符号を逆にした上、交換による交互符号を無視しています。
選択肢5:正しいです。+3、−3、+3 mmの合計です。
問7 正しいもの
観測高低差Δh=+20.000 mに標尺補正を加えます。ΔC={C0+(T−T0)α}Δh、C0=+20 ppm、α=+10 ppm/℃、T=30℃、T0=20℃です。1 ppm=10⁻⁶として、標尺補正量ΔCを求めてください。途中を丸めず、最後に0.1 mm位で示します。
- −2.4 mm
- +0.4 mm
- +2.4 mm
- +6.4 mm
- +0.12 mm
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正解:3
正解は3です。係数=20×10⁻⁶+10×10×10⁻⁶=120×10⁻⁶。ΔC=120×10⁻⁶×20.000=+0.0024 m=+2.4 mmです。
根拠:作業規程の準則 第67条第1項第一号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);準則 付録6 計算式集 水準測量1.1 標尺補正計算(PDF p.34) [https://www.gsi.go.jp/common/000258740.pdf](令和7年3月31日改正版)
準則 付録6 計算式集 水準測量1.1(PDF p.34) [https://www.gsi.go.jp/common/000258740.pdf](令和7年3月31日改正版);計算で検証:温度差・無次元係数・単位変換
選択肢1:誤りです。定義された補正量の符号を逆にしています。
選択肢2:誤りです。温度差の項を落とし、C0だけを使っています。
選択肢3:正しいです。改正数と温度差による成分を足して高低差を掛けます。
選択肢4:誤りです。温度差10℃に代えて観測温度30℃を使っています。
選択肢5:誤りです。係数120 ppmをmmへ換算した数値で止め、高低差20 mを掛けていません。
問8 正しいもの
標尺は安定して鉛直とし、レベルの器械高だけが時間に対して一定の率で沈下するモデルを考えます。等間隔時刻0、1、2、3に後視・前視・前視・後視を読定し、後視2値の平均から前視2値の平均を引きます。この沈下項の扱いとして正しいものを選んでください。
- 後視を先に読んだため、線形沈下項は2倍になります。
- 前後視の平均時刻が一致するため、線形沈下項は差で相殺されます。
- 読定順序にかかわらず、器械の沈下は高低差へ影響しません。
- この順序なら、時間変化が非線形でも全ての沈下を完全に消せます。
- この順序なら、標尺自身の沈下も条件なしに全て消せます。
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正解:2
正解は2です。後視の平均時刻(0+3)/2=1.5と前視の平均時刻(1+2)/2=1.5が一致し、線形の器械高変化は差で相殺されます。非線形変化や標尺沈下まで一般化しません。
根拠:作業規程の準則 第64条第2項第一号ロの1級順序 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);計算で検証:時刻0,1,2,3の線形器械高モデル
選択肢1:誤りです。後視の2回目は最後で、前後視の平均時刻が一致します。
選択肢2:正しいです。一定率の沈下という設問条件による結果です。
選択肢3:誤りです。例えば後・前だけなら時刻差に応じた器械高変化が残ります。
選択肢4:誤りです。平均時刻の一致だけで任意の非線形変化は相殺されません。
選択肢5:誤りです。器械高の線形変化と、標尺の位置変化は異なる誤差です。
問9 いくつあるか
水準測量の誤差と補正について、正しい記述はいくつありますか。準則は令和7年3月31日改正版とします。
ア:円形気泡管が中央にあれば、視準線誤差も0と確認できたことになります。
イ:前後で同じ屈折条件q(D)=kD²なら、等距離で気差項を相殺できます。
ウ:標尺台を安定させ、固定点の異常を点検できる管理は標尺の沈下対策に関係します。
エ:正規正標高補正は、標尺の目盛誤差だけを補正するものです。
オ:2級水準測量の標尺補正計算は、水準点間の高低差70 m以上の場合に行います。
- 0個
- 1個
- 2個
- 3個
- 4個
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正解:4
正解は4(3個)です。イ・ウ・オが正しく、ア・エは誤りです。整準と視準線、気差の条件、標尺台、補正の目的・適用条件を区別します。
根拠:作業規程の準則 第63条第2項第二号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);計算で検証:軸と視準線の幾何的な別定義
計算で検証:同一係数二次モデルの前後差;作業規程の準則 第64条第2項第五号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版)
国土地理院 水準点の測量 標尺及び標尺台 [https://www.gsi.go.jp/sokuchikijun/suijun-survey.html](確認日時点の公開資料);作業規程の準則 第64条第2項第六・八号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版)
作業規程の準則 第67条第1項第一号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);準則 付録6 計算式集 水準測量1.1〜1.3(PDF p.34) [https://www.gsi.go.jp/common/000258740.pdf](令和7年3月31日改正版)
作業規程の準則 第67条第1項第一号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);準則 付録6 計算式集 水準測量1.1 標尺補正計算(PDF p.34) [https://www.gsi.go.jp/common/000258740.pdf](令和7年3月31日改正版)
作業規程の準則 第67条第1項第一号(令和7年版) [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);準則 付録6 計算式集 水準測量1.1〜1.3 [https://www.gsi.go.jp/common/000258740.pdf](令和7年3月31日改正版)
選択肢1:誤りです。イ・ウ・オは正しいです。
選択肢2:誤りです。正しい記述は3個です。
選択肢3:誤りです。イ・ウ・オのうち1つを落としています。
選択肢4:正しいです。イ・ウ・オです。
選択肢5:誤りです。アとエの2記述が誤りです。
問10 正しいもの
令和7年版準則及び明示された誤差モデルに関する説明で、正しいものを選んでください。
- 1級水準測量では、正規正標高補正計算に代えて実測重力値による正標高補正計算を使えます。
- 2級水準測量では、水準点間高低差が70 m未満でも必ず標尺補正計算を行います。
- 同じ温度差による共通の標尺伸縮は、繰り返して平均するだけで除去できます。
- 2本の零点偏りが異なっても、交互使用の奇数測点なら零点差を常に相殺します。
- 円形気泡管を調整すれば、視準線の点検は不要になります。
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正解:1
正解は1です。準則第67条のただし書きでは、1級の正規正標高補正計算に代え、実測重力値による正標高補正計算を使えます。各補正と誤差対策の役割を区別します。
根拠:作業規程の準則 第67条第1項第一号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);準則 付録6 計算式集 水準測量1.1〜1.3(PDF p.34) [https://www.gsi.go.jp/common/000258740.pdf](令和7年3月31日改正版)
作業規程の準則 第67条第1項第一号(令和7年版) [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);準則 付録6 計算式集 水準測量1.1〜1.3 [https://www.gsi.go.jp/common/000258740.pdf](令和7年3月31日改正版)
作業規程の準則 第67条第1項第一号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);準則 付録6 計算式集 水準測量1.1 標尺補正計算(PDF p.34) [https://www.gsi.go.jp/common/000258740.pdf](令和7年3月31日改正版)
準則 付録6 計算式集 水準測量1.1(PDF p.34) [https://www.gsi.go.jp/common/000258740.pdf](令和7年3月31日改正版);計算で検証:温度差・無次元係数・単位変換
作業規程の準則 第64条第2項第三号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);計算で検証:交互差の有限和
作業規程の準則 第63条第2項第二号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);計算で検証:軸と視準線の幾何的な別定義
選択肢1:正しいです。第67条第1項第一号のただし書きです。
選択肢2:誤りです。2級の標尺補正計算は高低差70 m以上の条件です。
選択肢3:誤りです。温度差に対応する法則的補正が必要で、共通成分は単純平均に残ります。
選択肢4:誤りです。奇数では最後の一組の零点差が一般に残ります。
選択肢5:誤りです。円形気泡管と視準線は別に点検調整します。
問11 正しいもの
水平から上向きの視準線傾きe=+0.04 mm/m、後視距離15 m、前視距離40 mで、観測高低差(後視−前視)は+0.500 mでした。標尺は鉛直、器械高は安定し他の誤差はありません。読定誤差をe×距離として、視準線誤差を除いた高低差を求めてください。最後に0.001 m位へ四捨五入します。
- +0.498 m
- +0.499 m
- +0.500 m
- +0.502 m
- +0.501 m
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正解:5
正解は5です。高低差の誤差=e(15−40)=−1.0 mm=−0.001 m。真の高低差=0.500−(−0.001)=+0.501 mです。
根拠:作業規程の準則 第64条第2項第五号 [https://www.gsi.go.jp/common/000258734.pdf](令和7年3月31日改正版);計算で検証:読定差と直線傾きの導出
選択肢1:誤りです。前後距離の和55 mで補正すると約−2.2 mmとなり、丸めて0.498 mです。
選択肢2:誤りです。誤差−1.0 mmを除く際に、補正方向を逆にしています。
選択肢3:誤りです。不等距離による視準線誤差を無視しています。
選択肢4:誤りです。前視側1.6 mmだけを加えて丸めています。後視側0.6 mmも含めます。
選択肢5:正しいです。距離差による誤差−1.0 mmを観測値から引きます。
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