電験三種(第三種電気主任技術者)「電力」のうち、配電線の電圧降下と損失の計算の問題です(大分類:配電・重要度A)。一問一答8問 → 五肢択一9問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:単相2線式配電線の電圧降下は、1線当たりの抵抗R、リアクタンスX、線電流I、力率cosθを用いて v≒I(Rcosθ+Xsinθ) で表される。
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正解:×
単相2線式では往復2線分の電圧降下が生じるため、v≒2I(Rcosθ+Xsinθ) です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問2:三相3線式配電線の線間電圧の電圧降下は、1線当たりの抵抗R、リアクタンスX、線電流I、力率cosθを用いて v≒√3I(Rcosθ+Xsinθ) で表される。
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正解:○
1相分の電圧降下 I(Rcosθ+Xsinθ) の√3倍が線間電圧の電圧降下になります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問3:途中に複数の負荷がある配電線の電圧降下は、各区間を流れる電流とその区間の抵抗・リアクタンスから区間ごとに求め、それらを合計して求める。
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正解:○
電源に近い区間ほど、その先の負荷の電流をすべて流すため、区間ごとの電流で電圧降下を求めて合計します。
重要度:A 難易度:★☆☆
問4:力率の異なる2つの負荷の電流を合成するときは、それぞれの電流の大きさをそのまま足し合わせればよい。
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正解:×
力率が異なると電流の位相が異なるため、有効分(I cosθ)と無効分(I sinθ)に分けてそれぞれ足し合わせ、合成します。
重要度:A 難易度:★★☆
問5:両端を同じ電圧の電源点として供給するループ配電線の電流分布は、電源点から両方向に回る経路の電圧降下が等しくなる条件から求められる。
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正解:○
ループを一周したときの電圧降下の合計が零になる(両方向の経路の電圧降下が等しい)という条件から、各区間の電流を求めます。
重要度:A 難易度:★☆☆
問6:途中に複数の負荷がある配電線の線路損失は、各区間の電流と抵抗の積を合計して求める。
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正解:×
線路損失は、各区間の電流の2乗と抵抗の積(I²R)の合計です。電流と抵抗の積は電圧降下にあたります。
重要度:A 難易度:★★☆
問7:負荷が線路に沿って一様に分布している配電線の電圧降下は、同じ大きさの負荷が線路の末端に集中している場合の1/2である。
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正解:○
電流が電源側から末端に向かって直線的に減るため、平均すると末端集中の場合の1/2の電圧降下になります。
重要度:A 難易度:★★☆
問8:負荷が線路に沿って一様に分布している配電線の線路損失は、同じ大きさの負荷が線路の末端に集中している場合の1/2である。
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正解:×
一様分布負荷では、線路の各点の電流が電源側から末端に向かって直線的に減り、損失は電流の2乗を積分して求めるため、末端集中の場合の1/3になります。1/2になるのは電圧降下です。
五肢択一
重要度:A 難易度:★★☆
問9:単相2線式配電線で、負荷電流50A、負荷の力率0.8(遅れ)、電線1線当たりの抵抗0.2Ω、リアクタンス0.1Ωである。この配電線の電圧降下〔V〕の値として、最も近いものはどれか。ただし、電圧降下は近似式で求めるものとする。
- 11.0
- 19.1
- 20.0
- 22.0
- 30.0
【第9問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
v≒2I(Rcosθ+Xsinθ)=2×50×(0.2×0.8+0.1×0.6)=100×0.22=22.0V
1:誤り。1線分の電圧降下です。単相2線式は往復2線分(2倍)になります。
2:誤り。三相3線式の式(√3倍)を使っています。
3:誤り。cosθとsinθを入れ替えています。
4:正しい。
5:誤り。力率を考えず、抵抗とリアクタンスを単純に足しています。
重要度:A 難易度:★★☆
問10:三相3線式の高圧配電線で、受電端の線間電圧が6,600V、負荷が1,500kW、力率0.8(遅れ)である。電線1線当たりの抵抗は0.8Ω、リアクタンスは0.6Ωである。送電端の線間電圧〔V〕の値として、最も近いものはどれか。ただし、電圧降下は近似式で求めるものとする。
- 6,316
- 6,764
- 6,827
- 6,884
- 7,092
【第10問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
I=1,500×10³/(√3×6,600×0.8)≒164.0A
v≒√3×164.0×(0.8×0.8+0.6×0.6)=√3×164.0×1.0≒284V
送電端電圧=6,600+284≒6,884V
1:誤り。電圧降下を受電端電圧から引いています。送電端電圧は受電端電圧に電圧降下を加えたものです。
2:誤り。電圧降下に√3を掛けていません。
3:誤り。電流を力率で割らずに計算しています。
4:正しい。
5:誤り。√3ではなく3を掛けています。
重要度:A 難易度:★★☆
問11:三相3線式の配電線で、変電所の送り出し点Sから点Aを経て点Bに至る。S〜A間の電線1線当たりの抵抗は0.3Ω・リアクタンスは0.4Ω、A〜B間は抵抗0.5Ω・リアクタンス0.4Ωである。点Aに電流100A・力率0.8(遅れ)の負荷が、点Bに電流50A・力率0.6(遅れ)の負荷が接続されている。電圧降下は近似式 √3I(Rcosθ+Xsinθ) を区間ごとに用いて求め、負荷の電流と力率は電圧降下によって変わらないものとする。
(a) S〜A間を流れる電流〔A〕の値として、最も近いものはどれか。
- 150.0
- 148.7
- 111.8
- 110.0
- 100.0
【第11問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
点Aの負荷:有効分 100×0.8=80A、無効分 100×0.6=60A
点Bの負荷:有効分 50×0.6=30A、無効分 50×0.8=40A
S〜A間:有効分 110A、無効分 100A、大きさ=√(110²+100²)≒148.7A
1:誤り。電流の大きさを単純に足しています。力率が異なるので有効分と無効分に分けて合成します。
2:正しい。
3:誤り。2つの電流の大きさを直角に合成しています。位相差は90°ではありません。
4:誤り。有効分(80+30=110A)だけを答えています。
5:誤り。無効分(60+40=100A)だけを答えています。
重要度:A 難易度:★★★
問12:三相3線式の配電線で、変電所の送り出し点Sから点Aを経て点Bに至る。S〜A間の電線1線当たりの抵抗は0.3Ω・リアクタンスは0.4Ω、A〜B間は抵抗0.5Ω・リアクタンス0.4Ωである。点Aに電流100A・力率0.8(遅れ)の負荷が、点Bに電流50A・力率0.6(遅れ)の負荷が接続されている。電圧降下は近似式 √3I(Rcosθ+Xsinθ) を区間ごとに用いて求め、負荷の電流と力率は電圧降下によって変わらないものとする。
(b) 送り出し点Sから点Bまでの線間電圧の電圧降下〔V〕の値として、最も近いものはどれか。
- 53.7
- 104.0
- 136.8
- 180.1
- 312.0
【第12問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
S〜A間:R×有効分+X×無効分=0.3×110+0.4×100=73
A〜B間:0.5×30+0.4×40=31
電圧降下=√3×(73+31)=√3×104≒180.1V
1:誤り。A〜B間の電圧降下だけです。S〜A間の電圧降下を加えます。
2:誤り。√3を掛けていません。
3:誤り。S〜A間の電流を点Aの負荷電流だけとしています。S〜A間には点Bの負荷電流も流れます。
4:正しい。
5:誤り。√3ではなく3を掛けています。
重要度:A 難易度:★★★
問13:三相3線式の高圧配電線で、受電端の線間電圧を6,600Vに保ち、力率0.8(遅れ)の負荷に電力を供給する。電線1線当たりの抵抗は1.0Ω、リアクタンスは0.5Ωである。電圧降下率(受電端電圧基準)を5%以下とするとき、供給できる最大の負荷の有効電力〔kW〕の値として、最も近いものはどれか。ただし、電圧降下は近似式で求めるものとする。
- 915
- 1,584
- 1,742
- 1,980
- 2,744
【第13問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
許される電圧降下=6,600×0.05=330V
√3I(1.0×0.8+0.5×0.6)=√3I×1.1≦330 より I≦173.2A
P=√3×6,600×173.2×0.8≒1,584kW
1:誤り。√3ではなく3を掛けています。
2:正しい。
3:誤り。リアクタンスによる電圧降下を考えず、R×Iだけで計算しています。
4:誤り。皮相電力を答えています。有効電力は力率0.8を掛けます。
5:誤り。電圧降下の式で√3を掛けていません。
重要度:A 難易度:★★★
問14:電源点Sから出て点A、点Bを順に通り、再び電源点Sに戻るループ状の配電線がある。各区間の電線1線当たりの抵抗は、S〜A間0.1Ω、A〜B間0.2Ω、B〜S間0.3Ωである。点Aに60A、点Bに30Aの負荷が接続されている。負荷の力率は1、リアクタンスは無視し、電源点Sの電圧はどちら側から見ても同じとする。S〜A間を流れる電流〔A〕の値として、最も近いものはどれか。
- 5
- 25
- 45
- 60
- 65
【第14問:正解と解説】
正解:5
正解は5です。
S〜A間の電流をIとすると、A〜B間はI−60、S〜B間(B〜S間)は90−I
ループの電圧降下の合計が零:0.1I+0.2(I−60)−0.3(90−I)=0
0.6I=12+27=39 より I=65A(A〜B間5A、B〜S間25A)
1:誤り。A〜B間の電流を答えています。
2:誤り。B〜S間(反対回り)の電流を答えています。
3:誤り。全負荷電流を両方向に半分ずつ分けています。
4:誤り。点Aの負荷電流だけがS〜A間を流れるとしています。
5:正しい。
重要度:A 難易度:★★☆
問15:単相2線式配電線で、電源から点Aまでの電線1線当たりの抵抗は0.1Ω、点Aから点Bまでは0.15Ωである。点Aに30A、点Bに20Aの負荷(力率1)が接続されている。この配電線全体の線路損失〔W〕の値として、最も近いものはどれか。
- 300
- 310
- 500
- 620
- 1,250
【第15問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
電源〜A間:50A、A〜B間:20A
損失=2×(50²×0.1+20²×0.15)=2×(250+60)=620W
1:誤り。電源〜A間の電流を点Aの負荷30Aだけとしています。点Bの負荷電流も流れます。
2:誤り。1線分の損失です。単相2線式は往復2線分になります。
3:誤り。電源〜A間の損失だけです。A〜B間の損失も加えます。
4:正しい。
5:誤り。全区間に合計の50Aが流れるとしています。点Aより先には20Aしか流れません。
重要度:A 難易度:★★☆
問16:こう長2kmの三相3線式配電線に、合計120Aの負荷(力率1)が線路に沿って一様に分布している。電線1線当たりの抵抗は0.3Ω/km、リアクタンスは無視する。この配電線の線間電圧の電圧降下(送り出し点から末端まで)〔V〕の値として、最も近いものはどれか。
- 124.7
- 72.0
- 62.4
- 36.0
- 31.2
【第16問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
全負荷が末端に集中した場合:√3×120×(0.3×2)≒124.7V
一様分布ではその1/2:124.7÷2≒62.4V
1:誤り。全負荷が末端に集中したとして計算しています。一様分布ではその1/2です。
2:誤り。全負荷が末端に集中したとし、さらに√3を掛けていません。
3:正しい。
4:誤り。√3を掛けていません。
5:誤り。末端集中の1/4にしています。一様分布では1/2です。
重要度:A 難易度:★★☆
問17:配電線の電圧降下と線路損失の計算に関する記述として、誤っているものはどれか。
- ループ配電線では、各負荷の電流は、電源点からその負荷までの距離が短い方の経路だけを流れる。
- 単相2線式の電圧降下は、1線当たりの抵抗R・リアクタンスXを用いて 2I(Rcosθ+Xsinθ) で近似できる。
- 三相3線式の線間電圧の電圧降下は、√3I(Rcosθ+Xsinθ) で近似できる。
- 力率の異なる負荷の電流は、有効分と無効分に分けて合成する。
- 途中に複数の負荷がある配電線の線路損失は、区間ごとに求めた I²R の合計である。
【第17問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。
1:誤り。ループ配電線では、両方向の経路の電圧降下が等しくなるように電流が分かれて流れます。短い方の経路だけを流れるわけではありません。
2:正しい。往復2線分の電圧降下です。
3:正しい。1相分の電圧降下の√3倍です。
4:正しい。電流の位相が異なるため、有効分と無効分に分けて合成します。
5:正しい。区間ごとに電流が異なるため、区間ごとの I²R を合計します。
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