電験三種(第三種電気主任技術者) 電力 一問一答・五肢択一(全14問)|送電電力・安定度・フェランチ現象

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電験三種(第三種電気主任技術者)「電力」のうち、送電電力・安定度・フェランチ現象の問題です(大分類:送電・重要度A)。一問一答8問 → 五肢択一6問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。

一問一答(○×)

重要度:A 難易度:★☆☆

問1:抵抗を無視した送電線の送電電力は、送受電端電圧と相差角が同じであれば、線路のリアクタンスが大きいほど大きくなる。

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正解:×

送電電力は P=VsVr·sinδ/X で、リアクタンスXに反比例します。Xが大きいほど送電電力は小さくなります。


重要度:A 難易度:★☆☆

問2:抵抗を無視した送電線で送受電端電圧の大きさが一定のとき、送電電力が最大となるのは、送受電端電圧の相差角δが90°のときである。

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正解:○

P=VsVr·sinδ/X で、sinδはδ=90°のとき最大値1をとるので、最大送電電力は VsVr/X です。


重要度:A 難易度:★☆☆

問3:過渡安定度とは、負荷が緩やかに変化するときに、発電機が同期を保って安定に送電を続けられる度合いのことである。

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正解:×

負荷の緩やかな変化に対する安定度は定態安定度です。過渡安定度は、事故などの急激な変化に対して同期を保てる度合いです。


重要度:A 難易度:★☆☆

問4:送電線に直列コンデンサを入れて線路のリアクタンスを打ち消すと、送電線の安定度が向上する。

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正解:○

P=VsVr·sinδ/X のXが小さくなるため、同じ電力を小さい相差角で送れるようになり、安定度が向上します。


重要度:A 難易度:★☆☆

問5:事故の起きた区間を高速度で遮断し、再閉路することは、過渡安定度の向上に役立つ。

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正解:○

事故中は送電できる電力が減って発電機が加速するため、事故を早く取り除いて送電を回復させるほど、同期を保ちやすくなります。


重要度:A 難易度:★☆☆

問6:フェランチ現象とは、重負荷時に遅れ電流が流れることで、受電端電圧が送電端電圧より低くなる現象である。

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正解:×

フェランチ現象は、軽負荷・無負荷時に線路の静電容量による進み電流が流れ、受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象です。


重要度:A 難易度:★☆☆

問7:フェランチ現象を抑えるには、受電端に電力用コンデンサを設置して進み無効電力を供給する。

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正解:×

フェランチ現象は進み電流によるので、対策は遅れ無効電力を消費する分路リアクトルの設置です。電力用コンデンサは進み無効電力を供給するため、逆に電圧を上げてしまいます。


重要度:A 難易度:★☆☆

問8:中距離送電線の計算では、線路の静電容量を考慮し、集中定数のπ形またはT形の等価回路で近似する。

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正解:○

短距離送電線は静電容量を無視して抵抗とリアクタンスだけで表し、中距離送電線は静電容量を考慮してπ形またはT形の等価回路で近似します。

五肢択一

重要度:A 難易度:★★☆

問9:送電端と受電端の線間電圧がいずれも66kVの三相送電線があり、1相分のリアクタンスは20Ωで抵抗は無視できる。送受電端電圧の相差角が30°のときの送電電力〔MW〕の値として、最も近いものはどれか。

  1. 36.3
  2. 108.9
  3. 188.6
  4. 217.8
  5. 326.7
【第9問:正解と解説】

正解:2

正解は2です。

P=VsVr·sinδ/X(Vs・Vrは線間電圧、P は三相分)

=66×66×sin30°/20=4,356×0.5/20≒108.9MW

1:誤り。相電圧で計算した1相分の電力のままです。線間電圧で計算すると三相分の電力が得られます。

2:正しい。

3:誤り。sinδではなくcosδを掛けています。

4:誤り。sinδを掛けていません(δ=90°の最大送電電力になっています)。

5:誤り。線間電圧で計算した値をさらに3倍しています。線間電圧で計算した値がそのまま三相分です。


重要度:A 難易度:★★☆

問10:送電端と受電端の線間電圧がいずれも154kVに保たれている三相送電線があり、1相分のリアクタンスは50Ωで抵抗は無視できる。この送電線で送ることのできる最大の電力〔MW〕の値として、最も近いものはどれか。

  1. 158.1
  2. 237.2
  3. 273.8
  4. 474.3
  5. 821.5
【第10問:正解と解説】

正解:4

正解は4です。

送電電力は P=VsVr·sinδ/X で、δ=90°で最大になります。

Pmax=VsVr/X=154×154/50≒474.3MW

1:誤り。相電圧で計算した1相分の電力のままです。

2:誤り。sin30°(0.5)を掛けています。最大となるのはδ=90°(sinδ=1)のときです。

3:誤り。余分に√3で割っています。

4:正しい。

5:誤り。余分に√3を掛けています。


重要度:A 難易度:★☆☆

問11:次の文章の空欄(ア)〜(ウ)に当てはまる語句の組み合わせとして、正しいものはどれか。
軽負荷時に線路の静電容量による進み電流のため、受電端電圧が送電端電圧より高くなる現象を(ア)といい、その対策として受電端などに(イ)を設置する。また、事故などの急激な変化に対して、発電機が同期を保って運転を続けられる度合いを(ウ)安定度という。

  1. (ア)コロナ現象 (イ)分路リアクトル (ウ)過渡
  2. (ア)フェランチ現象 (イ)電力用コンデンサ (ウ)過渡
  3. (ア)フェランチ現象 (イ)分路リアクトル (ウ)定態
  4. (ア)コロナ現象 (イ)電力用コンデンサ (ウ)定態
  5. (ア)フェランチ現象 (イ)分路リアクトル (ウ)過渡
【第11問:正解と解説】

正解:5

正解は5です。

1:誤り。受電端電圧が上がる現象はフェランチ現象です。コロナ現象は電線表面の放電です。

2:誤り。電力用コンデンサは進み無効電力を供給するため、フェランチ現象を強めます。対策は分路リアクトルです。

3:誤り。急激な変化に対する安定度は過渡安定度です。定態安定度は緩やかな変化に対するものです。

4:誤り。(ア)はフェランチ現象、(イ)は分路リアクトル、(ウ)は過渡です。

5:正しい。


重要度:A 難易度:★★☆

問12:送電線の安定度と電力の関係に関する記述として、正しいものはどれか。

  1. 送電電圧を低くすると、送ることのできる最大電力が大きくなり、安定度が向上する。
  2. 直列コンデンサは、線路のリアクタンスを大きくすることで安定度を向上させる。
  3. 多導体方式を採用すると線路のリアクタンスが小さくなり、安定度が向上する。
  4. 事故が起きた区間を遮断するまでの時間を長くすると、過渡安定度が向上する。
  5. 電力円線図は、送受電端電圧を一定としたときの有効電力と無効電力の関係を直線で表したものである。
【第12問:正解と解説】

正解:3

正解は3です。

1:誤り。最大送電電力 VsVr/X は電圧の2乗に比例するので、送電電圧を高くすると安定度が向上します。

2:誤り。直列コンデンサは線路のリアクタンスを打ち消して小さくします。

3:正しい。多導体方式ではインダクタンスが減ってリアクタンスが小さくなり、P=VsVr·sinδ/X より安定度が向上します。

4:誤り。遮断までの時間が長いほど発電機が加速して同期を失いやすくなります。高速度遮断が過渡安定度の向上策です。

5:誤り。電力円線図は、有効電力と無効電力の関係を円で表したものです。


重要度:A 難易度:★★☆

問13:送電端の線間電圧154kVの三相送電線がある。この送電線をπ形等価回路で表すと、1相分の直列リアクタンスは50Ω(抵抗は無視)、受電端側の対地アドミタンス(π形等価回路の片側分、1相分)は1.0×10⁻³Sの容量性である。受電端は無負荷とし、送電端電圧は一定に保たれているものとする。
(a) 受電端の線間電圧〔kV〕の値として、最も近いものはどれか。

  1. 93.6
  2. 146.3
  3. 154.0
  4. 162.1
  5. 171.1
【第13問:正解と解説】

正解:4

正解は4です。

受電端の相電圧をErとすると、充電電流 Ic=B×Er(Er より90°進み)がリアクタンスXを流れます。

送電端の相電圧 Es=Er+jX×(jB×Er)=Er×(1−XB)

XB=50×1.0×10⁻³=0.05 なので、Er=Es/0.95

線間電圧でも同じ比になり、Vr=154/0.95≒162.1kV(送電端より高くなるフェランチ現象)

1:誤り。相電圧を答えています。問われているのは線間電圧です。

2:誤り。受電端電圧が送電端より下がるとしています。無負荷時は静電容量の進み電流でリアクタンスに電圧が生じ、受電端電圧が上がります。

3:誤り。受電端電圧が送電端電圧と同じとしています。

4:正しい。

5:誤り。両端の対地アドミタンス(2倍)がリアクタンスを流れるとしています。送電端側のアドミタンスの電流はリアクタンスを通りません。


重要度:A 難易度:★★★

問14:送電端の線間電圧154kVの三相送電線がある。この送電線をπ形等価回路で表すと、1相分の直列リアクタンスは50Ω(抵抗は無視)、受電端側の対地アドミタンス(π形等価回路の片側分、1相分)は1.0×10⁻³Sの容量性である。受電端は無負荷とし、送電端電圧は一定に保たれているものとする。
(b) 受電端に分路リアクトルを接続して、受電端の線間電圧を送電端と同じ154kVにしたい。必要な分路リアクトルの容量(三相分)〔Mvar〕の値として、最も近いものはどれか。

  1. 7.9
  2. 23.7
  3. 26.3
  4. 41.1
  5. 47.4
【第14問:正解と解説】

正解:2

正解は2です。

受電端側の対地アドミタンスの充電電流を分路リアクトルで打ち消せば、リアクタンスに電流が流れず、受電端電圧は送電端と同じ154kVになります。

リアクトルの容量(三相分)=3×(154/√3)²×B=154²×1.0×10⁻³≒23.7Mvar

1:誤り。1相分の容量のままです。線間電圧で計算した V²B が三相分の容量です。

2:正しい。

3:誤り。補償前の受電端電圧(約162.1kV)で計算しています。補償後の受電端電圧は154kVです。

4:誤り。余分に√3を掛けています。

5:誤り。両端の対地アドミタンス(2倍)を補償しています。受電端電圧に影響するのは受電端側のアドミタンスです。

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