電験三種(第三種電気主任技術者)「法規」のうち、力率改善と進相コンデンサ・直列リアクトルの問題です(大分類:電気施設管理(計算)・重要度A)。一問一答3問 → 五肢択一9問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:力率改善によって線路電流が減少すると、線路の抵抗損は電流の減少に比例して(電流の1乗に比例して)減少する。
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正解:×
線路の抵抗損は電流の2乗に比例します(I²R)。
重要度:A 難易度:★★☆
問2:軽負荷時に力率改善用コンデンサを接続したままにすると、進み力率となって受電端の電圧が上昇することがある。
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正解:○
軽負荷時は無効電力が過補償となって進み力率になり、電圧上昇の原因となります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問3:皮相電力の2乗は、有効電力の2乗と無効電力の2乗の和に等しい。
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正解:○
S²=P²+Q²の関係です。
五肢択一
重要度:A 難易度:★☆☆
問4:有効電力300kW、遅れ力率0.6の負荷がある。力率を0.8(遅れ)に改善するために必要なコンデンサ容量[kvar]として、正しいものはどれか。
- 500
- 400
- 225
- 175
- 60
【第4問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。Q=P(tanθ1-tanθ2)=300×(0.8/0.6-0.6/0.8)=300×(1.333-0.75)=175kvar
1:誤り。改善前の皮相電力を答えています。
2:誤り。改善前の無効電力です。
3:誤り。改善後の無効電力です。
4:正しい。
5:誤り。力率の差に有効電力を掛けています。
重要度:A 難易度:★☆☆
問5:有効電力400kW、遅れ力率0.8の負荷の力率を1.0に改善するために必要なコンデンサ容量[kvar]として、正しいものはどれか。
- 80
- 240
- 300
- 500
- 533
【第5問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。改善前の無効電力 Q=P×tanθ=400×0.6/0.8=300kvar。力率1.0にするにはこれをすべて打ち消します。
1:誤り。力率の差(0.2)に有効電力を掛けています。
2:誤り。有効電力に0.6を掛けています(皮相電力で考えていません)。
3:正しい。
4:誤り。皮相電力です。
5:誤り。有効電力を0.75で割っています。
重要度:A 難易度:★★☆
問6:有効電力400kW、遅れ力率0.8の負荷に150kvarのコンデンサを接続した。接続後の力率として、最も近いものはどれか。
- 1.000
- 0.936
- 0.800
- 0.727
- 0.664
【第6問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。改善前の無効電力=400×0.6/0.8=300kvar、接続後=300-150=150kvar
力率=400/√(400²+150²)≒0.936
1:誤り。力率1.0になるとしています。
2:正しい。
3:誤り。コンデンサを考慮していません(改善前の力率)。
4:誤り。有効電力と無効電力を算術和しています。
5:誤り。無効電力を足しています(進みと遅れの扱いの誤り)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問7:定格電圧6,600V、定格容量100kvarの三相進相コンデンサの定格電流[A]として、最も近いものはどれか。
- 5.05
- 8.75
- 9.27
- 15.15
- 26.24
【第7問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。I=Q/(√3V)=100,000/(√3×6,600)≒8.75A
1:誤り。3で割っています。
2:正しい。
3:誤り。6%のリアクトル分を掛けています。
4:誤り。√3で割っていません。
5:誤り。√3を掛けています。
重要度:A 難易度:★★☆
問8:回路電圧6,600Vの三相回路に、リアクタンスがコンデンサのリアクタンスの6%である直列リアクトルを付けた進相コンデンサを接続した。コンデンサの端子電圧(線間)[V]として、最も近いものはどれか。
- 7,469
- 7,021
- 6,996
- 6,600
- 6,204
【第8問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。直列リアクトル付きでは回路のリアクタンスがXC(1-0.06)となり、コンデンサの端子電圧は回路電圧の1/(1-0.06)倍に上昇します。
Vc=6,600/0.94≒7,021V
1:誤り。2回割っています。
2:正しい。
3:誤り。1.06倍しています。1/(1-0.06)倍が正しい値です。
4:誤り。変化しないとしています。
5:誤り。0.94倍しています。直列リアクトルがあるとコンデンサの電圧は上昇します。
重要度:A 難易度:★★☆
問9:1相当たりの静電容量が10μFのコンデンサを三角結線(Δ結線)とし、線間電圧6,600V、周波数50Hzの三相回路に接続した。このコンデンサの容量[kvar]として、最も近いものはどれか。
- 137
- 237
- 411
- 493
- 711
【第9問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。Δ結線では各相のコンデンサに線間電圧が加わります。
Q=3ωCV²=3×2π×50×10×10⁻⁶×6,600²≒410,543var≒411kvar
1:誤り。Δ結線なのに相電圧(V/√3)で計算しています(Y結線の値。1相分だけを計算した値とも一致します)。
2:誤り。√3で割っています。
3:正しい。
4:誤り。周波数を60Hzで計算しています。
5:誤り。√3を掛けています。
重要度:A 難易度:★★☆
問10:一定の有効電力を供給する配電線で、負荷の力率を0.6から0.8(いずれも遅れ)に改善した。送電端電圧は一定とし、配電線の抵抗損は改善前の何%になるか。最も近いものはどれか。
- 133.3
- 80.0
- 75.0
- 56.3
- 43.8
【第10問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。有効電力一定なので電流は力率に反比例し、I2/I1=0.6/0.8=0.75。損失は電流の2乗に比例するので0.75²=0.5625→約56.3%
1:誤り。比を逆に使っています。
2:誤り。改善後の力率を答えています。
3:誤り。電流の比(0.6/0.8)をそのまま使っています。損失は電流の2乗に比例します。
4:正しい。
5:誤り。減少した割合を答えています。
重要度:A 難易度:★★★
問11:容量500kVAの変圧器から、遅れ力率0.7で500kVAの負荷に供給している。コンデンサを設置して総合力率を0.95(遅れ)に改善したとき、変圧器の容量の範囲で、同じ力率0.95の負荷をあと何kW増やすことができるか。最も近いものはどれか。
- 125
- 142
- 150
- 350
- 475
【第11問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。改善前の有効電力=500×0.7=350kW。力率0.95で変圧器容量いっぱいまで使うと有効電力は500×0.95=475kW。増やせる負荷=475-350=125kW
1:正しい。
2:誤り。改善前の有効電力にも0.95を掛けています。
3:誤り。力率を考えず、容量と改善前の有効電力の差を答えています。
4:誤り。改善前の有効電力を答えています。
5:誤り。改善後に供給できる有効電力の合計を答えています。
重要度:A 難易度:★★☆
問12:力率改善と進相コンデンサについて、次のA〜Eのうち、正しいものはいくつあるか。
A 直列リアクトルを付けた進相コンデンサの端子電圧は、回路電圧より高くなる。
B 力率を改善すると、線路の電圧降下は小さくなる。
C 同じ静電容量のコンデンサでも、周波数が高いほど無効電力(容量)は大きくなる。
D 軽負荷時にコンデンサを接続したままにすると、受電端の電圧は低下する。
E 三相コンデンサの定格電流は、定格容量を√3×定格電圧で割って求める。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
- 5つ
【第12問:正解と解説】
正解:4
正解は4(A・B・C・Eの4つが正しい)です。
A:正しい。1/(1-L)倍に上昇します。
B:正しい。電流の無効分が減るため電圧降下が小さくなります。
C:正しい。Q=ωCV²で、ωは周波数に比例します。
D:誤り。進み力率となり電圧は上昇します。
E:正しい。I=Q/(√3V)。
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