問1
次の資料にもとづき、正常減損の数量を求め、数量の流れが整合していることを示しなさい。
必要資料
- 期首仕掛品:なし
- 当期投入数量:1,000個
- 完成品数量:820個
- 期末仕掛品数量:120個(加工進捗度50%)
- 材料は始点で投入する
- 正常減損の発生点:40%
- 仕損品評価額:0円(減損のため物として残らない)
- 負担区分:正常減損費は完成品と期末仕掛品の両者に負担させる(この設問では数量の流れだけを確認する)
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解答・解説
正答
- 正常減損数量:60個
- 数量の流れ:当期投入1,000個 = 完成品820個 + 期末仕掛品120個 + 正常減損60個
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 数量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 完成品と期末仕掛品の合計 | 820+120 | 940個 |
| 2 | 正常減損数量 | 1,000-940 | 60個 |
| 3 | 数量の流れ | 1,000=820+120+60 | 1,000=1,000 |
解説
投入した数量は、完成品・期末仕掛品・正常減損のいずれかになります。したがって投入数量から完成品と期末仕掛品を差し引けば、正常減損の数量が求まります。
期首仕掛品数量 + 当期投入数量 = 完成品数量 + 期末仕掛品数量 + 正常減損数量
この式は負担区分がどちらであっても同じ形です。負担区分によって変わるのは、原価をどう配分するかです。
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 数量フロー | 1,000=820+120+60 | 1,000=1,000 |
| 減損数量の符号 | 1,000-940 | 正の数(60個) |
この検証の限界:数量の一致は、発生点や進捗度を取り違えていても成立します。数量の式には発生点も進捗度も現れないからです。この設問は数量だけを扱いますが、原価を配分する段階では、発生点・進捗度・材料投入形態・負担区分を問題文に戻って確かめる必要があります。
問2
次の資料にもとづき、度外視法により材料費・加工費の単価、期末仕掛品原価、完成品総合原価を求めなさい。
必要資料
- 負担区分:正常仕損費は完成品だけに負担させる
- 期首仕掛品:なし
- 当期投入数量:1,000個
- 完成品数量:800個
- 期末仕掛品数量:100個(加工進捗度50%)
- 正常仕損数量:100個(発生点80%)
- 材料は始点で投入する
- 仕損品評価額:0円
- 当期投入原価:材料費500,000円、加工費465,000円
- 端数は生じない
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解答・解説
正答
- 材料費の単価:500円/加工費の単価:500円
- 期末仕掛品原価:75,000円(材料50,000円+加工25,000円)
- 完成品総合原価:890,000円
- 投入原価合計:965,000円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額・数量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 材料の換算量(完成品) | 800個 | 800 |
| 2 | 材料の換算量(期末仕掛品・始点投入) | 100個をそのまま | 100 |
| 3 | 材料の換算量(正常仕損・始点投入) | 100個をそのまま | 100 |
| 4 | 材料の分母 | 800+100+100 | 1,000個 |
| 5 | 加工費の換算量(期末仕掛品) | 100×50% | 50 |
| 6 | 加工費の換算量(正常仕損) | 100×80% | 80 |
| 7 | 加工費の分母 | 800+50+80 | 930個 |
| 8 | 材料単価 | 500,000÷1,000 | 500円 |
| 9 | 加工単価 | 465,000÷930 | 500円 |
| 10 | 期末(材料) | 500×100 | 50,000 |
| 11 | 期末(加工) | 500×50 | 25,000 |
| 12 | 期末仕掛品原価 | 50,000+25,000 | 75,000 |
| 13 | 投入原価合計 | 500,000+465,000 | 965,000 |
| 14 | 完成品総合原価 | 965,000-75,000 | 890,000 |
解説
完成品だけに負担させると示されているので、期末仕掛品に正常仕損費を負担させません。そのために、単価を求める分母に正常仕損の換算量を含めます。
- 材料は始点投入なので、正常仕損100個の材料換算量は数量どおり100個です。
- 加工費は発生点80%までしか進んでいないので、正常仕損の加工費換算量は 100×80%=80個です。
分母に仕損の分を含めた単価で期末仕掛品を評価すると、期末仕掛品には仕損費が入りません。残りを完成品原価とすることで、正常仕損費が完成品原価に含まれます。
参考までに、正常仕損の分の原価は 500×100+500×80=90,000円です。度外視法ではこの金額を独立に配分しませんが、完成品原価890,000円のなかにこの分が含まれています。
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 数量フロー | 1,000=800+100+100 | 1,000=1,000 |
| 原価フロー | 890,000+75,000+0 | 965,000=965,000 |
| 期末仕掛品の構成 | 仕損の換算量を分母に含めた単価で評価 | 仕損費の負担なし |
この検証の限界:原価フローの一致は、完成品原価を差額で求めた以上、定義上必ず成立します。期末仕掛品原価75,000円が正しいかどうかは、この確認では分かりません。
また発生点80%を別の値と読み違えても、総額は保たれます。加工費の分母が変わって単価が変わり、期末仕掛品原価と完成品原価が変わるだけです。負担区分と発生点を問題文に戻って確かめる必要があります。
問3
次の資料にもとづき、度外視法により材料費・加工費の換算量と単価、期末仕掛品原価、完成品総合原価を求めなさい。
必要資料
- 負担区分:正常仕損費は完成品と期末仕掛品の両者に負担させる
- 期首仕掛品:なし
- 当期投入数量:1,000個
- 完成品数量:800個
- 期末仕掛品数量:100個(加工進捗度50%)
- 正常仕損数量:100個(発生点20%)
- 材料は始点で投入する
- 仕損品評価額:0円
- 当期投入原価:材料費450,000円、加工費340,000円
- 端数は生じない
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解答・解説
正答
- 換算量:材料900個/加工費850個
- 材料費の単価:500円/加工費の単価:400円
- 期末仕掛品原価:70,000円(材料50,000円+加工20,000円)
- 完成品総合原価:720,000円
- 投入原価合計:790,000円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額・数量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 材料の換算量 | 800+100(正常仕損100個を除く) | 900個 |
| 2 | 加工費の換算量 | 800+100×50%(正常仕損100個を除く) | 850個 |
| 3 | 材料単価 | 450,000÷900 | 500円 |
| 4 | 加工単価 | 340,000÷850 | 400円 |
| 5 | 期末(材料) | 500×100 | 50,000 |
| 6 | 期末(加工) | 400×50 | 20,000 |
| 7 | 期末仕掛品原価 | 50,000+20,000 | 70,000 |
| 8 | 投入原価合計 | 450,000+340,000 | 790,000 |
| 9 | 完成品総合原価 | 790,000-70,000 | 720,000 |
解説
両者に負担させると示されているので、正常仕損の数量を換算量の計算から除きます。分母が小さくなるぶん単価が高くなり、その高い単価が完成品にも期末仕掛品にも使われることで、正常仕損費が両方へ配分されます。
仕損の分をあらためて按分する計算は行いません。 分母から除いた時点で配分は済んでいます。
発生点20%は、期末仕掛品の進捗度50%との関係を確かめるために読みます。負担区分そのものは問題文の指定に従います。
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 数量フロー | 1,000=800+100+100 | 1,000=1,000 |
| 原価フロー | 720,000+70,000+0 | 790,000=790,000 |
| 換算量の構成 | 分母に正常仕損を含めていない | 両者負担の手順と一致 |
この検証の限界:原価フローの一致は定義上必ず成立します。さらに、正常仕損を換算量から除き忘れても、総額は保たれます。分母が大きくなって単価が下がり、期末仕掛品原価と完成品原価が変わるだけです。この資料では除き忘れると加工単価が割り切れなくなりますが、端数が出ないように作られていない問題では、その手がかりは使えません。分母から正常仕損を除いたかどうかを、計算過程に戻って確かめる必要があります。
問4
次の資料にもとづき、度外視法により期末仕掛品原価と完成品総合原価を求め、正常仕損費の正味の金額を示しなさい。
必要資料
- 負担区分:正常仕損費は完成品だけに負担させる
- 期首仕掛品:なし
- 当期投入数量:1,000個
- 完成品数量:800個
- 期末仕掛品数量:100個(加工進捗度50%)
- 正常仕損数量:100個(発生点80%)
- 材料は始点で投入する
- 仕損品評価額:20,000円
- 当期投入原価:材料費500,000円、加工費465,000円
- 端数は生じない
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解答・解説
正答
- 材料費の単価:500円/加工費の単価:500円
- 期末仕掛品原価:75,000円
- 完成品総合原価:870,000円
- 正常仕損費の正味の金額:70,000円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額・数量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 材料の分母 | 800+100+100 | 1,000個 |
| 2 | 加工費の分母 | 800+50+80 | 930個 |
| 3 | 材料単価 | 500,000÷1,000 | 500円 |
| 4 | 加工単価 | 465,000÷930 | 500円 |
| 5 | 期末仕掛品原価 | 500×100+500×50 | 75,000 |
| 6 | 投入原価合計 | 500,000+465,000 | 965,000 |
| 7 | 完成品総合原価 | 965,000-75,000-20,000 | 870,000 |
| 8 | 正常仕損の原価 | 500×100+500×80 | 90,000 |
| 9 | 正常仕損費の正味の金額 | 90,000-20,000 | 70,000 |
解説
単価と期末仕掛品原価は、評価額がない場合と変わりません。完成品だけに負担させる場合、評価額は完成品原価から控除するからです。
完成品原価 = 投入原価合計 - 期末仕掛品原価 - 仕損品評価額
評価額20,000円の恩恵を受けるのは完成品だけです。期末仕掛品へは配分しません。 正常仕損の原価90,000円のうち20,000円が評価額で回収されるため、完成品が負担する正味の金額は70,000円です。
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 数量フロー | 1,000=800+100+100 | 1,000=1,000 |
| 原価フロー | 870,000+75,000+20,000 | 965,000=965,000 |
| 期末仕掛品原価の不変 | 評価額なしの場合と同額 | 75,000円で一致 |
この検証の限界:原価フローの一致は定義上必ず成立します。評価額を控除する位置を間違えても成立します。 完成品だけに負担させるこの問題で、誤って投入原価(材料費)から控除すると、材料単価は 480,000÷1,000=480円となり、期末仕掛品原価は 480×100+500×50=73,000円、完成品原価は 965,000-20,000-73,000=872,000円になります。このときも 872,000+73,000+20,000=965,000円で一致します。控除位置が負担区分と対応しているかを、問題文に戻って確かめる必要があります。
問5
次の資料にもとづき、度外視法により材料費・加工費の単価、期末仕掛品原価、完成品総合原価を求めなさい。
必要資料
- 負担区分:正常仕損費は完成品と期末仕掛品の両者に負担させる
- 期首仕掛品:なし
- 当期投入数量:1,000個
- 完成品数量:800個
- 期末仕掛品数量:100個(加工進捗度50%)
- 正常仕損数量:100個(発生点20%)
- 材料は始点で投入する
- 仕損品評価額:25,000円(材料費から控除する)
- 当期投入原価:材料費475,000円、加工費340,000円
- 端数は生じない
解答を見る
解答・解説
正答
- 評価額控除後の材料費:450,000円
- 材料費の単価:500円/加工費の単価:400円
- 期末仕掛品原価:70,000円(材料50,000円+加工20,000円)
- 完成品総合原価:720,000円
- 投入原価合計:815,000円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額・数量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 評価額控除後の材料費 | 475,000-25,000 | 450,000 |
| 2 | 材料の換算量 | 800+100(正常仕損100個を除く) | 900個 |
| 3 | 加工費の換算量 | 800+100×50%(正常仕損100個を除く) | 850個 |
| 4 | 材料単価 | 450,000÷900 | 500円 |
| 5 | 加工単価 | 340,000÷850 | 400円 |
| 6 | 期末(材料) | 500×100 | 50,000 |
| 7 | 期末(加工) | 400×50 | 20,000 |
| 8 | 期末仕掛品原価 | 50,000+20,000 | 70,000 |
| 9 | 評価額控除後の原価合計 | 450,000+340,000 | 790,000 |
| 10 | 完成品総合原価 | 790,000-70,000 | 720,000 |
解説
両者に負担させる場合、評価額は投入原価から控除してから配分します。ここでは材料費から控除するよう示されているので、475,000-25,000=450,000円を分子とします。
控除後の原価を配分するため、評価額の恩恵は完成品と期末仕掛品の両方が受けます。完成品だけに負担させる場合(評価額を完成品原価から控除する場合)とは、控除の位置が異なります。
正常仕損の数量100個は、換算量の計算から除きます。
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 数量フロー | 1,000=800+100+100 | 1,000=1,000 |
| 原価フロー | 720,000+70,000+25,000 | 815,000=815,000 |
| 投入原価合計 | 475,000+340,000 | 815,000 |
この検証の限界:原価フローの一致は定義上必ず成立します。評価額25,000円は、控除する位置がどこであっても検証式の左辺に同じ金額として現れるため、控除位置を間違えても一致します。負担区分と控除位置が対応しているかを、問題文に戻って確かめる必要があります。