問1
次の資料にもとづき、実際配賦により(1)実際配賦率と(2)製造指図書Aへの配賦額を求めなさい。
必要資料
- 製造間接費の実際発生額:1,200,000円
- 実際総直接作業時間:6,000時間
- 製造指図書Aの実際直接作業時間:800時間
- 配賦基準:直接作業時間
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解答・解説
正答
- (1) 実際配賦率:200円/時間
- (2) 製造指図書Aへの配賦額:160,000円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 実際配賦率 | 1,200,000円÷6,000時間 | 200 |
| 2 | 指図書Aへの配賦額 | 200円×800時間 | 160,000 |
解説
実際配賦では、分子・分母ともに実際の数値を用います。実際発生額を実際総直接作業時間で割って配賦率を求め、これに各指図書の実際直接作業時間を掛けます。
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 配賦率の逆算 | 160,000÷800時間 | 200円/時間(一致) |
| 全体への配賦 | 200円×6,000時間 | 1,200,000円(実際発生額に一致) |
実際配賦では、全体へ配賦した合計が実際発生額と一致します。
この検証の限界:全体への配賦が実際発生額に一致することは、配賦率を「実際発生額÷実際総操業度」で求めた以上、定義上必ず成立します。配賦率そのものが正しいかどうかは、この確認では分かりません。また分母に基準操業度を用いてしまっても、その値で逆算すれば一致します。分母が実際総操業度であることを、問題文に戻って確かめる必要があります。
問2
次の資料にもとづき、予定配賦により(1)予定配賦率と(2)当期の予定配賦額を求めなさい。
必要資料
- 製造間接費の年間予算:3,600,000円
- 基準直接作業時間:12,000時間
- 当期の実際直接作業時間:9,000時間
- 配賦基準:直接作業時間
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解答・解説
正答
- (1) 予定配賦率:300円/時間
- (2) 予定配賦額:2,700,000円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 予定配賦率 | 3,600,000円÷12,000時間 | 300 |
| 2 | 予定配賦額 | 300円×9,000時間 | 2,700,000 |
解説
配賦率を求めるときの分母は基準操業度12,000時間、配賦額を求めるときに掛けるのは実際操業度9,000時間です。この使い分けが要点です。
基準操業度を掛けてしまうと 300×12,000=3,600,000円となり、予算額そのものに戻ってしまいます。それではその期の実際の操業に応じた配賦になりません。
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 配賦率の逆算 | 2,700,000÷9,000時間 | 300円/時間(一致) |
| 予算の逆算 | 300円×12,000時間 | 3,600,000円(年間予算に一致) |
| 操業度の関係 | 実際9,000時間<基準12,000時間 | 予定配賦額<年間予算 |
この検証の限界:配賦率の逆算は、掛けた操業度を取り違えていても成立します。仮に基準操業度を掛けて3,600,000円としても、それを12,000時間で割れば300円に戻ります。掛ける操業度が実際操業度であることを、問題文に戻って確かめる必要があります。
問3
次の資料にもとづき、配賦差異の金額と、有利差異・不利差異の別および配賦差異勘定の記入側を求めなさい。
必要資料
- 予定配賦額:2,700,000円
- 製造間接費の実際発生額:2,580,000円
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解答・解説
正答
- 配賦差異:+120,000円
- 有利差異であり、製造間接費配賦差異勘定の貸方に記入する
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 配賦差異 | 2,700,000-2,580,000 | +120,000 |
| 2 | 有利・不利の判定 | 正なので有利差異 | 有利差異120,000円 |
| 3 | 記入側 | 有利差異 | 貸方 |
配賦差異 = 予定配賦額 - 実際発生額
解説
予定配賦額のほうが実際発生額より120,000円多いので、値は正となり有利差異です。製造間接費勘定では貸方の配賦額が借方の実際発生額を上回っているので、差額を借方に立てて消し、相手勘定である配賦差異勘定を貸方に記入します。
解答では金額だけでなく、有利差異か不利差異かも必ず示します。
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 実際発生額+配賦差異 | 2,580,000+120,000 | 2,700,000(予定配賦額に一致) |
| 符号と有利・不利 | 正 → 有利差異 | 一致 |
| 有利・不利と記入側 | 有利差異 → 貸方 | 一致 |
この検証の限界:実際発生額+配賦差異=予定配賦額 は、差異を引き算で求めた以上定義上必ず成立します。差異の金額が正しいことを示すものではありません。予定配賦額そのものが正しく求められているかは、配賦率と掛けた操業度に戻って確かめる必要があります。
問4
次の資料にもとづき、(1)配賦差異の金額と有利差異・不利差異の別および記入側、(2)売上原価加減法により処理した後の売上原価を求めなさい。
必要資料
- 予定配賦額:2,400,000円
- 製造間接費の実際発生額:2,550,000円
- 処理前の売上原価:5,000,000円
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解答・解説
正答
- (1) 配賦差異:△150,000円、不利差異であり配賦差異勘定の借方に記入する
- (2) 処理後の売上原価:5,150,000円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 配賦差異 | 2,400,000-2,550,000 | △150,000 |
| 2 | 有利・不利の判定 | 負なので不利差異 | 不利差異150,000円 |
| 3 | 記入側 | 不利差異 | 借方 |
| 4 | 処理後の売上原価 | 5,000,000+150,000 | 5,150,000 |
解説
実際発生額のほうが多いので値は負となり不利差異です。製品へ配賦した原価が実際より少ないので、不足分を売上原価へ加算します。
処理後の売上原価 = 5,000,000 + 150,000 = 5,150,000円
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 実際発生額+配賦差異 | 2,550,000+(△150,000) | 2,400,000(予定配賦額に一致) |
| 符号と有利・不利 | 負 → 不利差異 | 一致 |
| 有利・不利と記入側 | 不利差異 → 借方 | 一致 |
| 加減方向 | 不利差異 → 加算 | 売上原価が増加 |
| 増減額 | 5,150,000-5,000,000 | 150,000(差異の絶対値に一致) |
この検証の限界:売上原価の増減額が差異の絶対値に一致することは、加減方向を逆にしても成立します。仮に減算して4,850,000円としても、差は150,000円で絶対値としては一致します。有利か不利かから加減方向を導いたかを、符号に戻って確かめる必要があります。
問5
次の資料にもとづき、(1)予定配賦率、(2)製品A・B・Cへの予定配賦額と予定配賦総額、(3)配賦差異の金額と有利差異・不利差異の別および記入側、(4)売上原価加減法により処理した後の売上原価を求めなさい。
必要資料
- 製造間接費の年間予算:4,800,000円
- 基準機械運転時間:16,000時間
- 当期の実際機械運転時間:製品A 6,000時間、製品B 5,000時間、製品C 3,000時間
- 製造間接費の実際発生額:4,350,000円
- 処理前の売上原価:6,800,000円
- 配賦基準:機械運転時間
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解答・解説
正答
- (1) 予定配賦率:300円/時間
- (2) 製品A 1,800,000円/製品B 1,500,000円/製品C 900,000円/予定配賦総額 4,200,000円
- (3) 配賦差異:△150,000円、不利差異であり配賦差異勘定の借方に記入する
- (4) 処理後の売上原価:6,950,000円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 予定配賦率 | 4,800,000円÷16,000時間 | 300 |
| 2 | 製品Aへの配賦額 | 300円×6,000時間 | 1,800,000 |
| 3 | 製品Bへの配賦額 | 300円×5,000時間 | 1,500,000 |
| 4 | 製品Cへの配賦額 | 300円×3,000時間 | 900,000 |
| 5 | 予定配賦総額 | 1,800,000+1,500,000+900,000 | 4,200,000 |
| 6 | 配賦差異 | 4,200,000-4,350,000 | △150,000 |
| 7 | 有利・不利の判定 | 負なので不利差異 | 不利差異150,000円 |
| 8 | 処理後の売上原価 | 6,800,000+150,000 | 6,950,000 |
解説
判断根拠
4段階で判断します。
第1に、予定配賦率の分母は基準操業度です。4,800,000円を基準機械運転時間16,000時間で割って300円/時間を求めます。実際機械運転時間の合計14,000時間で割ってはいけません。
第2に、配賦額を求めるときに掛けるのは実際操業度です。製品ごとに実際機械運転時間を掛けます。予定配賦総額は、各製品への配賦額の合計としても、配賦率に実際操業度の合計を掛けても求まります。
300円 × 14,000時間 = 4,200,000円
第3に、配賦差異を求めます。予定配賦額 - 実際発生額 で、4,200,000-4,350,000=△150,000円です。負なので不利差異、配賦差異勘定は借方です。
第4に、売上原価へ加減します。不利差異なので加算し、6,800,000+150,000=6,950,000円です。
検証
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 予定配賦総額(内訳合計) | 1,800,000+1,500,000+900,000 | 4,200,000 |
| 予定配賦総額(別経路) | 300円×14,000時間 | 4,200,000(一致) |
| 実際発生額+配賦差異 | 4,350,000+(△150,000) | 4,200,000(予定配賦総額に一致) |
| 符号と有利・不利 | 負 → 不利差異 | 一致 |
| 有利・不利と記入側 | 不利差異 → 借方 | 一致 |
| 加減方向と増減額 | 6,950,000-6,800,000=150,000 | 加算・差異の絶対値に一致 |
| 予算との対比 | 実際14,000時間<基準16,000時間 | 予定配賦総額<年間予算 |
この検証の限界:3つの確認はいずれも独立した検証になっていません。
内訳合計と別経路の一致は、どちらも同じ予定配賦率300円を使っているため、配賦率を誤って求めていれば同じ誤りを引き継ぎます。仮に分母に実際操業度14,000時間を用いて配賦率を約343円としても、内訳合計と別経路は一致します。
実際発生額+配賦差異=予定配賦総額 も、差異を引き算で求めた以上定義上必ず成立します。
売上原価の増減額が差異の絶対値に一致することも、加減方向を逆にしても成立します。
予定配賦率の分母が基準操業度であるか、掛けた操業度が実際操業度であるか、有利か不利かを、問題文に戻って確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは、予定配賦率の分母に実際操業度の合計14,000時間を用いることです。分母は基準操業度16,000時間です。ふたつめは、予定配賦額を求めるときに基準操業度16,000時間を掛けて4,800,000円としてしまうことです。掛けるのは実際操業度です。三つめは、配賦差異の式を「実際発生額-予定配賦額」と逆にして有利差異としてしまうことです。四つめは、不利差異を売上原価から減算して6,650,000円としてしまうことです。不利差異は加算します。