問6
次の資料にもとづき、(1)当期の払出額、(2)帳簿上の期末有高、(3)棚卸減耗数量と棚卸減耗費、(4)期末の実地有高を求めなさい。
必要資料
当社は材料について継続記録法を採用し、消費単価の計算には先入先出法を用いている。
- 期首:300個 @100円
- 当期受入:500個 @120円
- 当期の払出数量:600個
- 期末の実地数量:190個
- この減耗は正常な範囲のものである
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解答・解説
正答
- (1) 当期の払出額:66,000円
- (2) 帳簿上の期末有高:24,000円(200個)
- (3) 棚卸減耗数量:10個/棚卸減耗費:1,200円
- (4) 期末の実地有高:22,800円
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額・数量 |
|---|---|---|---|
| 1 | 古い層から払出 | 300個×100円 | 30,000 |
| 2 | 次の層から払出 | 300個×120円 | 36,000 |
| 3 | 払出額 | 30,000+36,000 | 66,000 |
| 4 | 帳簿期末数量 | 300個+500個-600個 | 200個 |
| 5 | 帳簿期末有高 | 200個×120円 | 24,000 |
| 6 | 棚卸減耗数量 | 200個-190個 | 10個 |
| 7 | 棚卸減耗費 | 10個×120円 | 1,200 |
| 8 | 実地有高 | 190個×120円 | 22,800 |
解説
判断根拠
4段階で判断します。
第1に、払出額を層別に計算します。先入先出法なので古い単価の層から順に使います。払出600個は、期首300個(@100円)と受入分300個(@120円)で構成されます。
第2に、帳簿期末数量を求めます。300+500-600=200個です。これは払出しの記録から導かれる数量であり、実地棚卸の結果ではありません。
第3に、帳簿期末数量と実地数量を比べて減耗を求めます。200-190=10個です。この10個を払出数量600個に加えてはいけません。 加えると消費と減耗を二重に数えることになります。
第4に、減耗に適用する単価を決めます。期末に残っているのは受入分の@120円なので、減耗にもこの単価を適用します。期首の@100円ではありません。
検証
Validation(検証)
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 数量の照合(払出まで) | 300+500=600+200 | 800=800 一致 |
| 金額の照合(払出まで) | 30,000+60,000=66,000+24,000 | 90,000=90,000 一致 |
| 数量の照合(減耗) | 帳簿200個=実地190個+減耗10個 | 一致 |
| 金額の照合(減耗) | 帳簿24,000=実地22,800+減耗1,200 | 一致 |
| 払出数量と減耗数量の分離 | 600個に10個を含めていない | 確認 |
この検証の限界:2つの照合はいずれも定義上必ず成立します。帳簿期末有高を「受入総額-払出額」で求め、減耗費を「帳簿-実地」から求めた以上、合計は必ず一致するためです。
さらに次の2点は、この検証では検出できません。
ひとつは単価の計算方法の取り違えです。平均法で計算しても、金額の照合は同じく成立します。ふたつめは減耗数量を払出数量に含めてしまう誤りです。払出610個・帳簿期末190個として計算すると、数量の照合も金額の照合も成立してしまいます(実地190個との差がゼロになるため)。この場合、棚卸減耗費が計上されないまま帳簿が閉じてしまいます。
払出しの記録と実地棚卸の数量を、それぞれどこから取ったのかを問題文に戻って確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは減耗数量10個を払出数量に加えて610個とすることです。ふたつめは減耗の単価に期首の@100円を用いることです。期末に残っているのは@120円の層です。三つめは、帳簿期末有高24,000円をそのまま期末の実地有高としてしまうことです。減耗分1,200円を差し引いた22,800円が実地有高です。