問6
当期に材料を購入代価1,200,000円で購入した。内部材料副費は購入代価を基礎として、予定配賦率3%で予定配賦する。当期の内部材料副費の実際発生額は44,000円であり、材料副費勘定の借方にすでに記帳されている。
次の(1)(2)の仕訳をそれぞれ示しなさい。
(1) 内部材料副費の予定配賦
(2) 期末の材料副費差異の振替
使用可能勘定科目
材料/材料副費/材料副費差異
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解答・解説
計算過程
| 順 | 項目 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 予定配賦額 | 1,200,000×3% | 36,000 |
| 2 | 材料副費差異 | 36,000-44,000 | -8,000 |
| 3 | 有利・不利の判定 | 負なので不利差異 | 不利差異8,000円 |
正答仕訳
(1) 予定配賦
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 材料 | 36,000 | 材料副費 | 36,000 |
(2) 材料副費差異の振替
| 借方 | 金額 | 貸方 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 材料副費差異 | 8,000 | 材料副費 | 8,000 |
解説
判断根拠
3段階で判断します。
第1に、予定配賦の基礎を確かめます。本問は「購入代価を基礎」と示されているので、購入代価1,200,000円に予定配賦率3%を掛けて36,000円を求めます。購入数量が与えられていた場合でも、基礎が購入代価であれば数量は使いません。基礎の取り違えは、以降の差異の金額にもそのまま波及します。
第2に、差異の式の向きを固定します。予定配賦額 - 実際発生額 です。36,000-44,000=-8,000円となり、値は負です。式を逆にすると符号が反転し、有利と不利が入れ替わってしまいます。
第3に、符号から記入側を決めます。負は不利差異であり、材料副費差異勘定には借方に記入します。材料副費勘定の側から見ると、借方に実際発生額44,000円、貸方に予定配賦額36,000円が入っており、借方が8,000円多いので、その差額を貸方に立てて消すことになります。
検証
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| (1)の貸借 | 36,000=36,000 | 一致 |
| (2)の貸借 | 8,000=8,000 | 一致 |
| 差異の金額 | 36,000-44,000 | -8,000(絶対値8,000) |
| 符号と有利・不利 | 負 → 不利差異 | 一致 |
| 有利・不利と記入側 | 不利差異 → 材料副費差異は借方 | 一致 |
| 振替後の材料副費勘定 | 借方44,000/貸方36,000+8,000=44,000 | 残高ゼロ |
貸借の確認:(1) 借方36,000円=貸方36,000円、(2) 借方8,000円=貸方8,000円。
この検証の限界:上の検証は予定配賦額36,000円が正しく求められていることを前提にしています。差異は予定配賦額と実際発生額の引き算なので、予定配賦額そのものを誤って計算していても、引き算・符号判定・記入側の対応はすべて成立してしまいます。仮に基礎を取り違えて別の金額を予定配賦額としても、そこから求めた差異は形として整います。
また、振替後に材料副費勘定の残高がゼロになることも、差額を反対側に立てれば必ず成立します。振替の形が正しいことを示すだけで、予定配賦額の正しさは示しません。予定配賦の基礎が購入代価か購入数量かを、問題文に戻って確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは、予定配賦の基礎を取り違えることです。購入数量基準の問題と混同して数量に単価を掛けると、予定配賦額が変わり差異も変わります。ふたつめは、差異の式を「実際発生額-予定配賦額」と逆にして符号を取り違え、有利差異としてしまうことです。三つめは、不利差異と正しく判定しながら、材料副費差異勘定を貸方に記入してしまうことです。不利差異では借方です。