ケース1
共通資料
以下の資料は、この問題の4つの設問に共通して用いる。
【2026年度専用】
会計期間は2026年4月1日から2027年3月31日まで、表示単位は円とする。
決算整理前残高試算表(一部)
| 科目 | 借方 | 貸方 |
|---|---|---|
| 売掛金 | 3,000,000 | |
| 繰越商品 | 600,000 | |
| 建物 | 6,000,000 | |
| 貸倒引当金 | 50,000 | |
| 建物減価償却累計額 | 1,200,000 | |
| 支払家賃 | 1,200,000 |
繰越商品600,000円は期末商品の帳簿棚卸高(1,000個、原価@600円)である。支払家賃は事務所として賃借している建物の当期分の賃借料で、前払分・未払分はない。
決算整理事項
- 掛売上200,000円が未記帳であった。これ以外の未処理・訂正事項はない。
- 期末商品の実地棚卸数量は950個、正味売却価額は@550円である。
- 売掛金の期末残高に対して2%の貸倒引当金を差額補充法により設定する(個別評価の債権はない)。
- 建物は残存価額0、耐用年数10年の定額法により、間接法で12か月分を償却する。
問1
共通資料にもとづき、(1)棚卸減耗損、(2)商品評価損、(3)期末商品の貸借対照表価額を求めなさい。
解答を見る
解答・解説
正答
- (1) 棚卸減耗損:30,000円
- (2) 商品評価損:47,500円
- (3) 期末商品の貸借対照表価額:522,500円
解説
減耗損:(1,000-950)×600=30,000円。評価損:950×(600-550)=47,500円。貸借対照表価額:600,000-30,000-47,500=522,500円(=950×550)。
配点:3つの金額がすべて一致すること。
採点要素:棚卸減耗損 30,000/商品評価損 47,500/貸借対照表価額 522,500
部分点:NO
部分点の取扱い:採点要素 がすべて一致した場合のみ正解とする。
問2
共通資料にもとづき、(1)訂正後の売掛金残高、(2)貸倒引当金の必要額、(3)貸倒引当金繰入を求めなさい。
解答を見る
解答・解説
正答
- (1) 訂正後の売掛金:3,200,000円
- (2) 必要額:64,000円
- (3) 貸倒引当金繰入:14,000円
解説
未記帳の掛売上を訂正して3,000,000+200,000=3,200,000円。必要額3,200,000×2%=64,000円。繰入64,000-50,000=14,000円。整理事項1を先に処理してから率を掛けます。
配点:3つの金額がすべて一致すること。
採点要素:訂正後売掛金 3,200,000/必要額 64,000/繰入 14,000
部分点:NO
部分点の取扱い:採点要素 がすべて一致した場合のみ正解とする。訂正前残高で計算した60,000/10,000は不正解。
問3
共通資料にもとづき、(1)当期の減価償却費、(2)期末の建物減価償却累計額を求めなさい。
解答を見る
解答・解説
正答
- (1) 減価償却費:600,000円
- (2) 期末の建物減価償却累計額:1,800,000円
解説
減価償却費:6,000,000÷10=600,000円(残存価額0・12か月分)。累計額:1,200,000+600,000=1,800,000円。間接法なので建物の取得原価6,000,000円はそのまま残り、累計額が増えます。
配点:2つの金額がともに一致すること。
採点要素:減価償却費 600,000/期末累計額 1,800,000
部分点:NO
部分点の取扱い:採点要素 がすべて一致した場合のみ正解とする。
問4
共通資料にもとづき、(1)決算整理後残高試算表における次の科目の残高を示し、(2)整理事項の処理順序が結果に影響する箇所を1つ挙げて説明しなさい。
対象科目:売掛金/貸倒引当金/繰越商品/建物減価償却累計額/支払家賃/棚卸減耗損/商品評価損/貸倒引当金繰入/減価償却費
解答を見る
解答・解説
正答
| 科目 | 整理後残高 | 借/貸 |
|---|---|---|
| 売掛金 | 3,200,000 | 借 |
| 貸倒引当金 | 64,000 | 貸 |
| 繰越商品 | 522,500 | 借 |
| 建物減価償却累計額 | 1,800,000 | 貸 |
| 支払家賃 | 1,200,000 | 借 |
| 棚卸減耗損 | 30,000 | 借 |
| 商品評価損 | 47,500 | 借 |
| 貸倒引当金繰入 | 14,000 | 借 |
| 減価償却費 | 600,000 | 借 |
(2) 貸倒引当金の設定(整理事項3)は、未記帳の掛売上の訂正(整理事項1)の後に行う必要がある。訂正前の売掛金3,000,000円で計算すると必要額60,000円・繰入10,000円となり、訂正後の64,000円・14,000円と異なる。
判断根拠:整理事項を順序どおりに処理します。1(未処理事項)→3(商品)→4(貸倒引当金)→6(減価償却)の順です。支払家賃は前払分・未払分がないため整理仕訳がなく、決算整理前の残高がそのまま整理後の残高になります。
検証:売掛金の増加200,000円は掛売上の訂正と一致します。貸倒引当金64,000円は3,200,000×2%と一致します。繰越商品522,500円は950×550と一致します。建物減価償却累計額は1,200,000+600,000=1,800,000円です。整理後残高は4つの整理事項の仕訳をすべて反映しています。
想定される誤り:訂正前の売掛金で貸倒引当金を計算すること、繰越商品を減耗損か評価損のどちらか一方だけ差し引いた570,000円や552,500円とすること、支払家賃に整理仕訳があると誤解して残高を動かすことです。
配点:(1)は9科目の残高と借貸がそれぞれ正しいこと。(2)は貸倒引当金と未処理事項の順序関係が説明されていること。
採点要素
- E1 売掛金 3,200,000(借)
- E2 貸倒引当金 64,000(貸)
- E3 繰越商品 522,500(借)
- E4 建物減価償却累計額 1,800,000(貸)
- E5 支払家賃 1,200,000(借)
- E6 棚卸減耗損 30,000/商品評価損 47,500/貸倒引当金繰入 14,000/減価償却費 600,000(借)
- E7 順序の説明(訂正後残高で率を掛けること)
部分点:YES
部分点の取扱い:E1〜E5 各1点、E6 は4科目各1点(計4点)、E7 2点、計11点満点とする。借貸の誤りは当該要素の失点とする。