有形固定資産の売却・買換え・除却・廃棄 一問一答 第6問〜第8問

問6

備品(取得原価 ¥500,000、期首の減価償却累計額 ¥400,000)を期首に廃棄した。見積処分価額は ¥0、廃棄費用も発生しない。 当期の減価償却は不要である。このときの処理として正しいものを1つ選びなさい。

A. 固定資産除却損 ¥100,000 を計上し、貯蔵品は計上しない
B. 固定資産除却損 ¥100,000 を計上し、貯蔵品 ¥100,000 を計上する
C. 固定資産売却損 ¥100,000 を計上する
D. 固定資産除却損 ¥500,000 を計上する

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解答・解説

正答:A

正答理由

①廃棄時の帳簿価額 = ¥500,000 - ¥400,000 = ¥100,000
②見積処分価額が ¥0 であるため貯蔵品は計上しない
③固定資産除却損 = ¥100,000 + ¥0(廃棄費用)= ¥100,000

検算:貯蔵品 ¥0 + 除却損 ¥100,000 = ¥100,000 = 帳簿価額 + 廃棄費用 ✓

誤答理由

  • B:見積処分価額が ¥0 である以上、貯蔵品を計上する根拠がありません。計上すると資産が過大になります。
  • C:固定資産売却損は売却の場合に用いる勘定です。廃棄では固定資産除却損を用います。
  • D(¥500,000):取得原価の全額です。期首の減価償却累計額 ¥400,000 を差し引いていない誤りです。損失となるのは帳簿価額です。

廃棄では処分価値がないため貯蔵品を計上しませんが、損失の勘定は除却の場合と同じ固定資産除却損です。


問7

備品(取得原価 ¥1,000,000、期首の減価償却累計額 ¥700,000)を期首に下取りに出し、新しい備品を購入した。次の資料にもとづき、正しい組合せを1つ選びなさい。

資料

  • 当期の減価償却は不要である
  • 下取価額 ¥350,000(旧備品の売却価額とする)
  • 新備品の現金正価 ¥1,500,000
  • 差額 ¥1,150,000 は月末に支払うこととした

A. 旧備品について固定資産売却益 ¥50,000 を計上し、新備品を ¥1,500,000 で計上する
B. 旧備品について固定資産売却益 ¥50,000 を計上し、新備品を ¥1,150,000 で計上する
C. 旧備品について固定資産売却損 ¥50,000 を計上し、新備品を ¥1,500,000 で計上する
D. 旧備品の売却損益は計上せず、新備品を ¥1,150,000 で計上する

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解答・解説

正答:A

判断根拠

買換えは2つの取引に分解して考えます。

買換え = 旧資産の売却 + 新資産の取得
取引 内容
① 旧備品の売却 下取価額 ¥350,000 が売却価額
② 新備品の取得 現金正価 ¥1,500,000 で計上

計算過程

①旧備品の帳簿価額 = ¥1,000,000 - ¥700,000 = ¥300,000
②売却損益 = ¥350,000 - ¥300,000 = +¥50,000(売却益)
③新備品の取得原価 = ¥1,500,000(現金正価)

検証

  • 売却価額 ¥350,000 = 帳簿価額 ¥300,000 + 売却益 ¥50,000 ✓
  • 新備品の現金正価 ¥1,500,000 = 下取価額 ¥350,000 + 差額決済額 ¥1,150,000 ✓

誤答理由

  • B(新備品 ¥1,150,000):売却益の判定は正しいものの、新備品を差額決済額だけで計上している誤りです。下取価額 ¥350,000 の分だけ資産が過小になります。
  • C(売却損 ¥50,000):新備品の金額は正しいものの、符号が逆です。下取価額 ¥350,000 が帳簿価額 ¥300,000 を上回るため、差額は利益です。
  • D:売却損益を計上していない点と、新備品を差額決済額で計上している点の2つが誤りです。下取りは旧資産の売却であるため、損益が生じます。

想定される誤り

第1に、新資産を差額決済額だけで計上してしまう誤りです(誤答B・D)。新資産は現金正価で取得します。 検算「現金正価 = 下取価額 + 差額決済額」で確認できます。

第2に、旧資産の売却損益を計上しない誤りです(誤答D)。下取りに出した時点で旧資産は帳簿から消えるため、下取価額との差額が損益になります。

第3に、下取価額と帳簿価額の大小を取り違えることです(誤答C)。本問では下取価額が帳簿価額を上回るため売却益です。


問8

固定資産を手放す場合の処理について、正しい組合せを1つ選びなさい。

  • 場面① 他社へ売り渡し、代金を受け取った
  • 場面② 使用をやめて帳簿から除いた。見積処分価額が残る
  • 場面③ 使用をやめて捨てた。見積処分価額は ¥0 で、廃棄費用を支払った

A. ①固定資産売却益または固定資産売却損 /②貯蔵品と固定資産除却損 /③固定資産除却損(廃棄費用を加算)
B. ①固定資産売却益または固定資産売却損 /②固定資産除却損のみ /③貯蔵品と固定資産除却損
C. ①②③とも固定資産除却損 /貯蔵品は計上しない
D. ①固定資産除却損 /②固定資産売却損 /③貯蔵品と固定資産売却損

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解答・解説

正答:A

判断根拠

3つの場面を「損益の勘定」と「貯蔵品の要否」で整理します。

場面 損益の勘定 貯蔵品 計算
① 売却 差額が正なら固定資産売却益、負なら固定資産売却損 計上しない 売却価額 - 帳簿価額
② 除却(処分価値あり) 固定資産除却損 計上する(見積処分価額) 帳簿価額 - 見積処分価額 + 廃棄費用
③ 廃棄(処分価値なし) 固定資産除却損 計上しない 帳簿価額 + 廃棄費用

期中で、問題文が処分日までの減価償却を求めている場合は、まず当期の減価償却を計上して帳簿価額を確定させます。

検証

  • ②③はいずれも固定資産除却損を用いる点で共通する。本問では、②は見積処分価額を貯蔵品として計上し、③は貯蔵品を計上せず廃棄費用を損失へ加算する ✓
  • ①だけが売却の勘定を用いる ✓

誤答理由

  • B:②と③の貯蔵品の扱いが入れ替わっています。貯蔵品を計上するのは見積処分価額が残る②であり、処分価値のない③では計上しません。
  • C:①まで固定資産除却損とするのは誤りです。売却では売却益または売却損を用います。また②の貯蔵品も計上していません。
  • D:①と②の勘定が入れ替わり、③も売却損としています。売却と除却・廃棄で用いる勘定が異なります。

想定される誤り

第1に、除却と廃棄で異なる損失勘定を使ってしまう誤りです。この教材の標準解答では、どちらも固定資産除却損を用います。本問では、除却では貯蔵品を計上し、廃棄では貯蔵品を計上せず廃棄費用を損失へ加算します。

第2に、売却でも貯蔵品を計上してしまう誤りです。貯蔵品は除却により手元に残る処分価値を表すため、売却では生じません。

第3に、処分日までの減価償却が必要な問題で、それを省いてしまうことです。期中で問題文が処分日までの償却を求めている場合は、先に当期償却を計上します。これを省くと帳簿価額が過大になり、損益も誤ります。


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