問6
青森商事株式会社は決算にあたり、帳簿価額 ¥1,500,000 の売買目的有価証券を期末時価 ¥1,440,000 で評価した。洗替法によるものとする。次の(1)(2)それぞれの仕訳を示しなさい。あわせて、(3)翌期首の処理後の帳簿価額を答えなさい。
(1) 決算時の評価
(2) 翌期首の処理
使用可能勘定科目
売買目的有価証券/有価証券利息/有価証券評価損益/有価証券売却益/有価証券売却損/普通預金
解答を見る
解答・解説
正答
(1) 決算時の評価
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 有価証券評価損益 | 60,000 | 売買目的有価証券 | 60,000 |
(2) 翌期首の処理
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 売買目的有価証券 | 60,000 | 有価証券評価損益 | 60,000 |
(3) 翌期首の処理後の帳簿価額 = ¥1,500,000
判断根拠
評価の方法によって翌期首の処理が分かれます。問題文の指定を最初に確認します。
| 方法 | 翌期首 | 翌期の帳簿価額 |
|---|---|---|
| 切放法 | 処理なし | 期末時価のまま |
| 洗替法(本問) | 前期末の評価仕訳を逆仕訳で戻す | 評価前の帳簿価額に戻る |
(1)と(2)の仕訳は貸借が正反対になります。これが洗替法の特徴です。
計算過程
(1) 評価損益 = ¥1,440,000 - ¥1,500,000 = △¥60,000(評価損)
→ 有価証券評価損益(借方)/売買目的有価証券(貸方)
(2) (1)の逆仕訳
→ 売買目的有価証券(借方)/有価証券評価損益(貸方)
(3) 帳簿価額 = ¥1,440,000 + ¥60,000 = ¥1,500,000
検算
- (1) 借方 60,000 = 貸方 60,000 ✓
- (2) 借方 60,000 = 貸方 60,000 ✓
- (1)と(2)は借方・貸方が完全に入れ替わっている ✓
- 評価後 ¥1,440,000 + 戻し ¥60,000 = ¥1,500,000 = 評価前の帳簿価額 ✓
想定される誤り
第1に、(2)で(1)と同じ仕訳を繰り返してしまう誤りです。この場合、評価損が二重に計上され、帳簿価額が ¥1,380,000 まで下がります。戻し入れは逆仕訳であることを確認してください。
第2に、(2)の処理を行わない誤りです。これは切放法の扱いであり、問題文が洗替法を指定している以上、戻し入れが必要です。この場合、帳簿価額が ¥1,440,000 のまま残ります。
第3に、戻す金額を期末時価 ¥1,440,000 としてしまう誤りです。戻すのは前期末に計上した評価差額 ¥60,000 です。時価の全額を戻すと帳簿価額が ¥2,880,000 となってしまいます。
翌期首の処理後の帳簿価額が評価前の金額に戻るかを確認すると、これらの誤りに気づけます。