問1
貸倒引当金の設定にあたり、営業債権に該当するものの組合せとして正しいものを1つ選びなさい。
A. 売掛金と電子記録債権
B. 売掛金と未収入金
C. 電子記録債権と営業外電子記録債権
D. 未収入金と営業外電子記録債権
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解答・解説
正答:A
正答理由
営業債権とは商品売買から生じた債権です。売掛金と、売掛金を電子記録に置き換えた電子記録債権は、いずれも商品の販売から生じるため営業債権に該当します。
誤答理由
- B:売掛金は営業債権ですが、未収入金は商品売買以外の取引から生じた債権であり、営業外債権です。
- C:電子記録債権は営業債権ですが、営業外電子記録債権は固定資産の売却など営業以外の取引から生じた債権です。同じ電子記録でも、もとの取引の性質で区分が分かれます。
- D:未収入金と営業外電子記録債権はいずれも営業外債権です。営業債権の組合せではありません。
営業債権分の貸倒引当金繰入は販売費及び一般管理費、営業外債権分は営業外費用に表示します。
問2
次の資料にもとづき、必要な貸倒引当金の設定額を1つ選びなさい。
資料
- 決算整理前の売掛金残高 ¥760,000
- 決算整理事項:得意先からの回収 ¥40,000 が未記帳であることが判明した(売掛金の減少として処理する)
- 設定率2%(個別評価対象はない)
A. ¥14,400
B. ¥15,200
C. ¥16,000
D. ¥800
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解答・解説
正答:A
正答理由
決算整理の修正を反映した修正後残高に率を掛けます。
①修正後残高 = ¥760,000 - ¥40,000 = ¥720,000 ②設定額 = ¥720,000 × 2% = ¥14,400
誤答理由
- B(¥15,200):¥760,000 × 2% = ¥15,200。修正前の残高に率を掛けた誤りです。回収の未記帳を反映していないため、実際より多い残高で計算しています。
- C(¥16,000):¥800,000 × 2% = ¥16,000。回収額 ¥40,000 を減算ではなく加算した場合の金額です。回収は債権を減らします。
- D(¥800):¥40,000 × 2% = ¥800。修正事項の金額のみに率を掛けた誤りです。設定の対象は修正後の債権残高全体です。
「修正後残高に率を掛ける」ことが要点です。 決算整理事項がある場合は、必ず先に残高を修正してください。
問3
必要な貸倒引当金の設定額が ¥14,000 と算定されたが、決算整理前の貸倒引当金残高は ¥20,000 であった。差額補充法による場合の処理として正しいものを1つ選びなさい。
A. 貸倒引当金繰入 ¥6,000 を計上する
B. 貸倒引当金 ¥6,000 を減額し、貸倒引当金戻入 ¥6,000 を計上する
C. 貸倒引当金繰入 ¥14,000 を計上する
D. 処理は不要である
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解答・解説
正答:B
正答理由
必要設定額が既存残高を下回るため、差額はマイナスになります。
¥14,000 - ¥20,000 = △¥6,000
超過している ¥6,000 を取り崩し、貸倒引当金戻入(営業外収益)を計上します。
貸倒引当金 6,000 / 貸倒引当金戻入 6,000
検算:既存残高 ¥20,000 - 戻入 ¥6,000 = ¥14,000 = 必要設定額 ✓
誤答理由
- A:差額 ¥6,000 は正しいものの、繰入として計上する点が誤りです。引当金を増やすことになり、残高が ¥26,000 となって必要設定額を大きく超えます。
- C:必要設定額そのものを繰入れる誤りです。差額補充法では差額のみを処理します。この場合、残高が ¥34,000 となります。
- D:処理は必要です。放置すると引当金が ¥20,000 のまま残り、必要設定額 ¥14,000 と一致しません。
戻入は営業外収益に表示します。
問4
2027年度。次の資料にもとづき、営業債権分・営業外債権分の当期貸倒引当金繰入額とP/L区分の組合せとして正しいものを1つ選びなさい。
営業債権
- 売掛金 ¥700,000、電子記録債権 ¥500,000
- このうち電子記録債権 ¥400,000 は個別評価対象
- 個別設定率50%、残りの一括設定率2%
- 決算整理前の貸倒引当金残高 ¥150,000
営業外債権
- 営業外電子記録債権 ¥300,000
- 一括設定率3%
- 決算整理前の貸倒引当金残高 ¥4,000
A. 営業債権分 ¥66,000=販売費及び一般管理費、営業外債権分 ¥5,000=営業外費用
B. 営業債権分 ¥66,000=営業外費用、営業外債権分 ¥5,000=販売費及び一般管理費
C. 営業債権分 ¥74,000=販売費及び一般管理費、営業外債権分 ¥5,000=営業外費用
D. 営業債権分 ¥66,000=販売費及び一般管理費、営業外債権分 ¥9,000=営業外費用
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解答・解説
正答:A
正答理由
営業債権分は、個別評価対象を一括評価から除いて差額補充します。
①修正後営業債権残高 = ¥700,000 + ¥500,000 = ¥1,200,000
②個別評価分 = ¥400,000 × 50% = ¥200,000
③一括評価分 =(¥1,200,000 - ¥400,000)× 2%
= ¥800,000 × 2% = ¥16,000
④必要設定額 = ¥200,000 + ¥16,000 = ¥216,000
⑤当期繰入額 = ¥216,000 - ¥150,000 = **¥66,000**
営業外債権分は、
⑥必要設定額 = ¥300,000 × 3% = ¥9,000 ⑦当期繰入額 = ¥9,000 - ¥4,000 = **¥5,000**
P/L区分は、
- 営業債権分 ¥66,000 → 販売費及び一般管理費
- 営業外債権分 ¥5,000 → 営業外費用
です。
検算
- 営業債権:個別対象 ¥400,000 + 一括対象 ¥800,000 = 修正後残高 ¥1,200,000
- 営業債権:既存 ¥150,000 + 繰入 ¥66,000 = 必要設定額 ¥216,000
- 営業外債権:既存 ¥4,000 + 繰入 ¥5,000 = 必要設定額 ¥9,000
誤答理由
- B:計算額は正しいですが、P/L区分が逆です。営業債権分は販売費及び一般管理費、営業外債権分は営業外費用です。区分を逆にすると、販売費及び一般管理費が本来より61,000円少なくなり、営業利益が61,000円過大になります。
- C:営業債権の一括評価で個別評価対象 ¥400,000 を除かず、¥1,200,000×2%=¥24,000 とした場合、必要設定額は ¥224,000、繰入額は ¥74,000 となります。個別評価対象の二重計上です。
- D:営業外債権の必要設定額 ¥9,000 をそのまま当期繰入額としています。既存の貸倒引当金 ¥4,000 を差し引く差額補充が必要です。
個別評価・一括評価・差額補充を行ったうえで、債権の性質ごとにP/L区分を判断します。