貸倒引当金(個別評価・一括評価、営業債権と営業外債権) 計算問題(2026年度) 第1問〜第2問

問1

次の資料にもとづき、(1)個別評価分、(2)一括評価分、(3)必要設定額、(4)当期の貸倒引当金繰入額を計算しなさい。

資料

  • 期末の営業債権:売掛金 ¥700,000、受取手形 ¥300,000
  • このうち ¥200,000 は個別評価の対象とし、個別設定率は50%とする
  • 個別評価対象を除く債権には一括設定率2%を適用する
  • 決算整理前の貸倒引当金残高 ¥80,000
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解答・解説

正答

  1. 個別評価分 = ¥100,000
  2. 一括評価分 = ¥16,000
  3. 必要設定額 = ¥116,000
  4. 貸倒引当金繰入額 = ¥36,000

計算過程

①修正後債権残高 = ¥700,000 + ¥300,000 = ¥1,000,000
②個別評価分 = ¥200,000 × 50% = ¥100,000
③一括評価分 =(¥1,000,000 - ¥200,000)× 2%
            = ¥800,000 × 2% = ¥16,000
④必要設定額 = ¥100,000 + ¥16,000 = ¥116,000
⑤繰入額 = ¥116,000 - ¥80,000 = ¥36,000

検算

  • 既存残高 ¥80,000 + 繰入額 ¥36,000 = ¥116,000 = 必要設定額 ✓
  • 一括評価の対象 ¥800,000 + 個別評価の対象 ¥200,000 = ¥1,000,000 = 修正後債権残高 ✓

解説

③で個別評価対象 ¥200,000 を差し引く点が要点です。 差し引かずに ¥1,000,000 に2%を掛けると、個別評価対象の債権に二重に引当金を設定することになります。

2つ目の検算(一括対象+個別対象=修正後残高)を行うと、この誤りを発見できます。

売掛金と受取手形はいずれも営業債権であるため、この繰入額は販売費及び一般管理費に表示します。


問2

次の資料にもとづき、(1)修正後の債権残高、(2)個別評価分、(3)一括評価分、(4)当期の貸倒引当金繰入額を計算しなさい。

資料

  • 決算整理前の営業債権:売掛金 ¥650,000、受取手形 ¥300,000
  • 決算整理事項:得意先へ商品 ¥50,000 を掛けで販売した取引が未記帳であることが判明した(売掛金の増加として処理する)
  • 修正後の債権のうち ¥300,000 は個別評価の対象とし、個別設定率は50%とする
  • 個別評価対象を除く債権には一括設定率2%を適用する
  • 決算整理前の貸倒引当金残高 ¥100,000
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解答・解説

正答

  1. 修正後の債権残高 = ¥1,000,000
  2. 個別評価分 = ¥150,000
  3. 一括評価分 = ¥14,000
  4. 貸倒引当金繰入額 = ¥64,000

判断根拠

決算整理事項を先に反映してから率を掛けます。 修正前の残高で計算すると、設定額が実態と合いません。

手順 内容 金額
① 決算整理前の債権合計 950,000
① 未記帳の掛売上を加算 +50,000
① 修正後債権残高 1,000,000
② 個別評価分(300,000 × 50%) 150,000
③ 一括評価分(1,000,000 - 300,000)× 2% 14,000
④ 必要設定額 164,000
⑤ 繰入額(164,000 - 100,000) 64,000

計算過程

①修正後債権残高
  決算整理前 = ¥650,000 + ¥300,000 = ¥950,000
  未記帳の掛売上 +¥50,000
  修正後 = ¥950,000 + ¥50,000 = ¥1,000,000
②個別評価分 = ¥300,000 × 50% = ¥150,000
③一括評価分 =(¥1,000,000 - ¥300,000)× 2%
            = ¥700,000 × 2% = ¥14,000
④必要設定額 = ¥150,000 + ¥14,000 = ¥164,000
⑤繰入額 = ¥164,000 - ¥100,000 = ¥64,000

検算

  • 既存残高 ¥100,000 + 繰入額 ¥64,000 = ¥164,000 = 必要設定額 ✓
  • 一括評価の対象 ¥700,000 + 個別評価の対象 ¥300,000 = ¥1,000,000 = 修正後債権残高 ✓

想定される誤り

第1に、修正前の残高 ¥950,000 で計算してしまう誤りです。この場合、一括評価分が(¥950,000 - ¥300,000)× 2% = ¥13,000 となり、繰入額は ¥63,000 になります。決算整理事項を反映してから率を掛けます。

第2に、個別評価対象 ¥300,000 を一括評価からも差し引かない誤りです。この場合、一括評価分が ¥1,000,000 × 2% = ¥20,000 となり、必要設定額 ¥170,000、繰入額 ¥70,000 になります。同じ債権に二重に設定してしまいます。

第3に、既存残高 ¥100,000 を差し引かない誤りです。この場合、繰入額が必要設定額そのものの ¥164,000 となります。

2つの検算をいずれも行うと、これらの誤りを発見できます。


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