複数の履行義務を含む顧客との契約 計算問題 第1問〜第3問

問1

次の契約について、(1)商品への配分額と(2)保守サービスへの配分額を計算しなさい。

  • 取引価格 ¥840,000
  • 独立販売価格:商品 ¥600,000、保守サービス ¥300,000
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解答・解説

正答

  1. 商品への配分額 = ¥560,000
  2. 保守サービスへの配分額 = ¥280,000

計算過程

①履行義務:2つ(商品の引渡し・保守サービスの提供)
②独立販売価格の合計 = ¥600,000 + ¥300,000 = ¥900,000
③配分
  商品 = ¥840,000 × ¥600,000 ÷ ¥900,000 = ¥560,000
  保守 = ¥840,000 × ¥300,000 ÷ ¥900,000 = ¥280,000

検算:¥560,000 + ¥280,000 = ¥840,000 = 取引価格 ✓

解説

独立販売価格の比は 600,000 : 300,000 = 2 : 1 です。取引価格 ¥840,000 を 2 : 1 に分けると ¥560,000 と ¥280,000 になります。

取引価格 ¥840,000 は独立販売価格の合計 ¥900,000 を ¥60,000 下回っています。この値引き ¥60,000 も 2 : 1 の比で及ぶため、商品は ¥40,000、保守は ¥20,000 だけ独立販売価格より小さくなります。


問2

次の契約について、(1)〜(3)を計算しなさい。代金の全額を無条件に請求できるものとする。

  • 取引価格 ¥1,350,000
  • 独立販売価格:商品 ¥900,000、据付作業 ¥400,000、保守サービス ¥200,000
  • 商品の引渡しと据付作業は完了済み
  • 保守サービスは未提供

設問
(1) 保守サービスへの配分額
(2) 計上する売上高
(3) 計上する契約負債の金額

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解答・解説

正答

  1. 保守サービスへの配分額 = ¥180,000
  2. 売上高 = ¥1,170,000
  3. 契約負債 = ¥180,000

計算過程

①履行義務:3つ
②独立販売価格の合計 = ¥900,000 + ¥400,000 + ¥200,000 = ¥1,500,000
③配分
  商品 = ¥1,350,000 × ¥900,000 ÷ ¥1,500,000 = ¥810,000
  据付 = ¥1,350,000 × ¥400,000 ÷ ¥1,500,000 = ¥360,000
  保守 = ¥1,350,000 × ¥200,000 ÷ ¥1,500,000 = ¥180,000
④充足状況
  商品・据付は充足済 → 売上 = ¥810,000 + ¥360,000 = ¥1,170,000
  保守は未充足     → 契約負債 = ¥180,000

検算

  • 配分額の合計 = ¥810,000 + ¥360,000 + ¥180,000 = ¥1,350,000 = 取引価格 ✓
  • 売上 ¥1,170,000 + 契約負債 ¥180,000 = ¥1,350,000 = 取引価格 ✓

解説

3つの履行義務のうち2つが充足済みという構成です。

充足済みの履行義務に配分された金額をまとめて売上とします。 商品 ¥810,000 と据付 ¥360,000 は別々の履行義務ですが、いずれも充足しているため合計 ¥1,170,000 が当期の売上です。

未充足は保守だけなので、契約負債は ¥180,000 です。「3つのうち1つでも未充足だから全額を繰り延べる」という処理ではありません。

「売上 + 契約負債 = 取引価格」が成り立つことも確認してください。この関係は、代金の全額を無条件に請求できる場合に常に成り立ちます。


問3

次の契約について、(1)〜(4)を計算しなさい。代金の全額を無条件に請求できるものとする。

  • 取引価格 ¥2,160,000
  • 独立販売価格:商品A ¥1,200,000、商品B ¥800,000、保守サービス ¥400,000
  • 当期中に商品Aの引渡しは完了した
  • 商品Bの引渡しと保守サービスの提供は翌期となる

設問
(1) 商品Aへの配分額
(2) 当期に計上する売上高
(3) 当期末の契約負債の金額
(4) 商品Aの独立販売価格と配分額との差額

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解答・解説

正答

  1. 商品Aへの配分額 = ¥1,080,000
  2. 当期の売上高 = ¥1,080,000
  3. 当期末の契約負債 = ¥1,080,000
  4. 差額 = ¥120,000(配分額が独立販売価格を下回る)

計算過程

①履行義務:3つ(商品Aの引渡し・商品Bの引渡し・保守サービスの提供)
②独立販売価格の合計 = ¥1,200,000 + ¥800,000 + ¥400,000 = ¥2,400,000
③配分
  商品A = ¥2,160,000 × ¥1,200,000 ÷ ¥2,400,000 = ¥1,080,000
  商品B = ¥2,160,000 × ¥800,000 ÷ ¥2,400,000 = ¥720,000
  保守   = ¥2,160,000 × ¥400,000 ÷ ¥2,400,000 = ¥360,000
④充足状況
  商品Aのみ充足済 → 当期の売上 = ¥1,080,000
  商品B・保守は未充足 → 契約負債 = ¥720,000 + ¥360,000 = ¥1,080,000
(4) 独立販売価格 ¥1,200,000 - 配分額 ¥1,080,000 = ¥120,000

検算

  • 配分額の合計 = ¥1,080,000 + ¥720,000 + ¥360,000 = ¥2,160,000 = 取引価格 ✓
  • 売上 ¥1,080,000 + 契約負債 ¥1,080,000 = ¥2,160,000 = 取引価格 ✓
  • 値引きの総額 = ¥2,400,000 - ¥2,160,000 = ¥240,000
  • 各履行義務の値引き = 商品A ¥120,000、商品B ¥80,000、保守 ¥40,000。合計 ¥240,000 ✓(独立販売価格の比 3:2:1 と一致)

解説

未充足の履行義務が2つある構成です。

(3)では2つの未充足分を合計します。 商品B ¥720,000 と保守 ¥360,000 を合わせた ¥1,080,000 が当期末の契約負債です。当期の売上 ¥1,080,000 とたまたま同額になりますが、これは独立販売価格の比が 3 : 2 : 1 で、充足済みが3、未充足が2+1=3と等しくなったためです。偶然の一致であり、常に同額になるわけではありません。

(4)は値引きの配分を確認する設問です。 取引価格は独立販売価格の合計を ¥240,000 下回っており、この値引きは 3 : 2 : 1 の比で各履行義務に及びます。商品Aの負担分は ¥240,000 × 3/6 = ¥120,000 です。

値引きを特定の履行義務にだけ集中させることはありません。すべての履行義務で配分額が独立販売価格を下回ります。


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