学習のポイント
① 何を学ぶか
サービス業では、商品を仕入れて販売する代わりに、顧客へサービスを提供して収益を得ます。
この単元では、
- サービスを提供し終えたときの役務収益
- そのサービスに対応する役務原価
- まだ完了していないサービスの原価を一時的に集計する仕掛品
の関係を学びます。
特に大切なのは、原価を発生した時点ですぐ役務原価にするのではなく、サービスがまだ未完成なら仕掛品として持ち、給付が完了したときに役務原価へ振り替えることです。
② 基本Rule
未完成のサービスに原価が発生したとき
その原価は、完成するまで仕掛品に集計します。
仕掛品 / 現金など
サービスの給付が完了したとき
収益を認識します。掛けで代金を請求する場合は、
売掛金 / 役務収益
となります。
同時に、そのサービスについて仕掛品に集計していた原価を費用へ振り替えます。
役務原価 / 仕掛品
つまり、
- 未完成 → 原価は仕掛品
- 完了 → 役務収益を認識し、対応する仕掛品を役務原価へ振替
という流れです。
③ 処理手順
- サービスが完了しているか確認する。
- 未完了なら、そのサービスに対応する原価は仕掛品として残す。
- 完了していれば、問題文の対価に基づいて役務収益を認識する。
- 完了したサービスに対応する仕掛品を役務原価へ振り替える。
- 未完成の別サービスがある場合、その原価まで役務原価へ振り替えない。
- 役務収益と役務原価を別々に確認する。
④ 注意点
- 原価が発生しただけでは、役務原価へ振り替えません。サービスの給付が未完了なら仕掛品です。
- 代金を先に受け取ったという事実だけで、役務収益を認識するわけではありません。収益認識の時点はサービスの給付状況で判断します。
- 前受けに使う勘定科目の使い分けは既習事項であり、この単元では主題にしません。
- サービスが完了したら、収益の計上だけでなく、対応する原価の振替も忘れないようにします。
- 製造業の原価計算や工事契約の計算方法はこの単元では扱いません。
⑤ 試験での使われ方
この論点は、第1問の仕訳形式につながります。
問題文から、
- サービスが完了したか
- 仕掛品として集計済みの原価はいくらか
- 役務収益を認識するか
- 仕掛品を役務原価へ振り替えるか
を順に確認する形です。
複数のサービス案件が示された場合は、「完了した案件」と「未完成の案件」を分けて考えると整理しやすくなります。
⑥ 年度注記
この論点は2026年度・2027年度の両方で学習対象であり、この単元で扱う基本的な収益認識と仕掛品から役務原価への振替に年度差はありません。