問1
青森商事株式会社の当期末において、次の3件の取引が判明した。(1)貸借対照表に計上される契約資産の金額と、(2)貸借対照表に計上される売掛金の金額を計算しなさい。なお、これら以外に契約資産・売掛金の残高はない。
| 取引 | 金額 | 状況 |
|---|---|---|
| 取引① | ¥380,000 | 商品を引き渡して売上を計上したが、他の商品の引渡しが完了するまで代金を請求できない |
| 取引② | ¥220,000 | 商品を引き渡して売上を計上したが、契約上、検査報告書の提出が完了するまで代金を請求できない |
| 取引③ | ¥450,000 | 商品を引き渡して売上を計上し、代金は支払期日に受け取ることとなっている(他に果たすべきことはない) |
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解答・解説
正答
- 契約資産 = ¥600,000
- 売掛金 = ¥450,000
計算過程
- 取引①:代金請求に他の商品の引渡しという条件が残る → 無条件でない → 契約資産 ¥380,000
- 取引②:代金請求に検査報告書の提出という条件が残る → 無条件でない → 契約資産 ¥220,000
- 取引③:あとは支払期日を待つだけ → 無条件 → 売掛金 ¥450,000
契約資産 = ¥380,000 + ¥220,000 = ¥600,000 売掛金 = ¥450,000
検算:3件の合計 ¥1,050,000 = 契約資産 ¥600,000 + 売掛金 ¥450,000 ✓
解説
3件とも売上はすでに計上済みです。分かれるのは、代金を受け取る権利が無条件かどうかだけです。
取引①と②は条件の内容が異なりますが、いずれも「会社側にまだ果たすべきことが残っている」点で共通します。したがってどちらも契約資産です。条件の種類は問いません。
取引③は支払期日を待つだけなので売掛金です。
貸借対照表では、契約資産と売掛金を区分して表示します。合計してしまうと、権利の性質の違いが読み取れなくなります。
問2
青森商事株式会社(決算日:年1回 3月31日)の当期の状況は次のとおりである。(1)当期末の契約資産、(2)当期末の売掛金、(3)当期末の契約負債の各残高を計算しなさい。なお、下記以外に各勘定の増減はない。
契約資産・売掛金に関する事項
- 期首残高:契約資産 ¥600,000、売掛金 ¥180,000
- 当期中に、契約資産のうち ¥350,000 について代金請求の条件が外れ、無条件に請求できる状態となった
- 当期中の代金回収はなかった
契約負債に関する事項
- 期首残高:契約負債 ¥400,000
- 当期中に、履行義務の充足前に対価 ¥250,000 を受け取った
- 当期中に、期首の契約負債のうち ¥180,000 に対応する履行義務を充足した
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解答・解説
正答
- 当期末の契約資産 = ¥250,000
- 当期末の売掛金 = ¥530,000
- 当期末の契約負債 = ¥470,000
計算過程
(1)(2) 契約資産と売掛金
条件が外れた ¥350,000 は、契約資産から売掛金へ振り替えられます。
売掛金 350,000 / 契約資産 350,000
- 当期末の契約資産 = ¥600,000 - ¥350,000 = ¥250,000
- 当期末の売掛金 = ¥180,000 + ¥350,000 = ¥530,000
(3) 契約負債
(対価の受取) 普通預金 250,000 / 契約負債 250,000 (履行義務充足)契約負債 180,000 / 売上 180,000
- 当期末の契約負債 = ¥400,000 + ¥250,000 - ¥180,000 = ¥470,000
検算
- 契約資産と売掛金の合計:期首 ¥600,000 + ¥180,000 = ¥780,000/期末 ¥250,000 + ¥530,000 = ¥780,000。振替は資産の中での置き換えであり合計は変わらない ✓
- 契約負債:増加 ¥250,000 - 減少 ¥180,000 = 純増 ¥70,000。¥400,000 + ¥70,000 = ¥470,000 ✓
解説
資産側と負債側を並行して集計する問題です。
(1)(2)の要点は、振替が資産の中での置き換えにすぎないという点です。契約資産が減った分だけ売掛金が増えるため、両者の合計は期首・期末で変わりません。この検算により、片方だけを増減させる誤りを発見できます。
代金の回収がないため、売掛金はこの振替の分だけ増えます。回収があれば売掛金が減りますが、本問には該当しません。
(3)の要点は、契約負債が増える場面と減る場面を区別することです。対価を受け取ったときに増え、履行義務を充足したときに減ります。減少分 ¥180,000 は売上に振り替えられており、契約負債から消えます。
なお、履行義務を充足した ¥180,000 は当期の売上になりますが、本問では各勘定の残高を問われているため、売上高は解答に含めません。