中小企業診断士 財務・会計 択一式(試験想定) 第176問〜第180問|証券投資・ポートフォリオ

論点:証券投資・ポートフォリオ

問176:効率的市場仮説に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:ウィーク型の効率性が成立している市場では、過去の株価の動き(テクニカル分析)に基づいて継続的に超過収益を得ることはできない。
  • B:セミストロング型の効率性が成立している市場では、未公開の内部情報を用いても超過収益を得ることはできない。
  • C:効率的市場では、株価は利用可能な情報を反映していない。
  • D:ストロング型の効率性とは、公開情報のみが株価に反映されている状態をいう。
【第176問:正解と解説】

正解:A

・A
【論点】効率的市場仮説の3類型(ウィーク型・セミストロング型・ストロング型)。【考え方】ウィーク型の効率性は、過去の株価・出来高などの市場データがすでに現在の株価に織り込まれている状態を意味する。したがって、過去の株価パターンの分析(テクニカル分析)によって継続的な超過収益を得ることはできない。【選択肢解説】正しい。

・B
【選択肢解説】内部情報を含むすべての情報が反映されているとするのはストロング型である。セミストロング型では公開情報までが反映される。

・C
【選択肢解説】効率的市場とは、株価が利用可能な情報を速やかに「反映している」市場をいう。

・D
【選択肢解説】公開情報までが反映されている状態はセミストロング型である。ストロング型は内部情報を含むすべての情報が反映されている状態をいう。


論点:証券投資・ポートフォリオ

問177:債券の価格と利回りに関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:市場金利が上昇すると、既発債の価格は上昇する。
  • B:残存期間が長い債券ほど、金利変動に対する価格の変動幅は小さい。
  • C:表面利率(クーポン・レート)が高い債券ほど、金利変動に対する価格変動性は大きい。
  • D:債券の価格と市場金利は、逆方向に変動する関係にある。
【第177問:正解と解説】

正解:D

・A
【選択肢解説】市場金利の上昇は、既発債の相対的な魅力を低下させるため、債券価格は下落する。

・B
【選択肢解説】残存期間が長いほど将来キャッシュ・フローの割引期間が長くなるため、金利変動に対する価格の感応度(変動幅)は大きくなる。

・C
【選択肢解説】クーポンの高い債券は早期に多くのキャッシュ・フローを回収できるため、価格変動性は相対的に小さい。

・D
【論点】債券価格と市場金利の逆相関関係。【考え方】債券価格は将来のクーポンと償還額を市場金利で割り引いた現在価値であるため、市場金利(割引率)が上昇すれば価格は下落し、低下すれば価格は上昇する。【選択肢解説】正しい。


論点:証券投資・ポートフォリオ

問178:証券投資のリスク指標に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:収益率の分散は、期待収益率を2乗して求められる。
  • B:ベータ値は、証券の総リスクの大きさを表す。
  • C:収益率の標準偏差は、収益率の散らばりの程度を表す総リスクの尺度である。
  • D:標準偏差は、システマティック・リスクのみを表す尺度である。
【第178問:正解と解説】

正解:C

・A
【選択肢解説】分散は「各収益率と期待収益率の偏差の2乗」を確率で加重平均したものであり、期待収益率の2乗ではない。

・B
【選択肢解説】ベータ値は市場との連動性(システマティック・リスク)の尺度であり、総リスクの尺度ではない。

・C
【論点】リスク指標(標準偏差・分散・ベータ)の意味の区別。【考え方】標準偏差(およびその2乗である分散)は、収益率が期待値の周りにどの程度散らばるかを示す尺度であり、システマティック・リスクと非システマティック・リスクの両方を含む総リスクを表す。【選択肢解説】正しい。

・D
【選択肢解説】標準偏差は総リスクの尺度である。システマティック・リスクのみを表すのはベータ値である。


論点:証券投資・ポートフォリオ

問179:安全資産が存在する場合のポートフォリオ選択に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:安全資産が存在する場合、投資家のリスク選好にかかわらず、保有すべき危険資産の最適な組合せは接点ポートフォリオ(市場ポートフォリオ)に一致する。
  • B:安全資産が存在する場合、危険資産の最適な組合せは投資家のリスク選好ごとにまったく異なる。
  • C:安全資産の収益率の標準偏差は、市場ポートフォリオの標準偏差と等しい。
  • D:リスク許容度の高い投資家も、安全資産と市場ポートフォリオの比率を変えることはできない。
【第179問:正解と解説】

正解:A

・A
【論点】トービンの分離定理。【考え方】安全資産が存在する場合、すべての投資家にとって最適な危険資産の組合せは、安全利子率から効率的フロンティアに引いた接線の接点(接点ポートフォリオ=市場ポートフォリオ)に一致する。投資家のリスク選好は、安全資産と接点ポートフォリオへの配分比率にのみ反映される(分離定理)。【選択肢解説】正しい。

・B
【選択肢解説】危険資産の組合せ自体は全投資家に共通であり、異なるのは安全資産との配分比率である。

・C
【選択肢解説】安全資産は収益が確定しており、標準偏差はゼロである。

・D
【選択肢解説】投資家は自らのリスク選好に応じて安全資産と市場ポートフォリオの比率を自由に選択でき、リスク許容度の高い投資家は借入れ(レバレッジ)により市場ポートフォリオへの投資比率を100%超とすることも想定される。


論点:証券投資・ポートフォリオ

問180:ポートフォリオの運用成果の評価指標に関する記述として、最も適切なものはどれか。

  • A:シャープ・レシオの分母には、ベータ値を用いる。
  • B:シャープ・レシオは、値が小さいほど効率的な運用であったことを示す。
  • C:シャープ・レシオは、ポートフォリオの総収益率を収益率の分散で除して求める。
  • D:シャープ・レシオは、(ポートフォリオの収益率-安全利子率)を収益率の標準偏差で除したものであり、リスク1単位当たりの超過収益を表す。
【第180問:正解と解説】

正解:D

・A
【選択肢解説】ベータ値を分母に用いるのはトレイナーの測度である。シャープ・レシオの分母は標準偏差である。

・B
【選択肢解説】シャープ・レシオは値が大きいほど、リスクに見合った超過収益を効率的に獲得したことを示す。

・C
【選択肢解説】分子は安全利子率を控除した超過収益率であり、分母は分散ではなく標準偏差である。

・D
【論点】シャープ・レシオの定義と意味。【考え方】シャープ・レシオ=(ポートフォリオの収益率-安全利子率)÷収益率の標準偏差。総リスク1単位当たりどれだけの超過収益(リスクプレミアム)を獲得したかを示し、リスクの異なるポートフォリオ間の運用効率の比較に用いられる。【選択肢解説】正しい。



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