FP技能士3級 タックスプランニング 実技・事例問題 第1問〜第5問

重要度:A 論点:所得税の仕組み

第1問

【事例】

※人物・収入・控除の設定・資料配置はすべて新規設計(既存C001~C020と重複なし)


会社員の布施誠一さん(45歳)は、2026年分の所得税の見込額を確認したいと考え、FPに相談した。布施さんの2026年分の所得等は下記の資料のとおりである。

資料:布施さんの2026年分の所得等(見込み)

項目 金額
総所得金額(総合課税の対象) 6,000,000円
所得控除の合計額 1,520,000円

参考:所得税の速算表(抜粋)

課税所得金額 税率 速算控除額
1,950,000円~3,299,000円 10% 97,500円
3,300,000円~6,949,000円 20% 427,500円

【設問】

資料に基づき計算した、布施さんの2026年分の課税総所得金額に対する所得税額(復興特別所得税・税額控除は考慮しない)として、最も適切なものはどれか。

  1. 896,000円
  2. 468,500円
  3. 350,500円
【第1問:正解と解説】

正解:**2. 468,500円**

所得税額は、総所得金額から所得控除を差し引いて課税総所得金額を求め、速算表を適用して計算する(所得税計算の基本順序:所得控除→課税所得→税率適用)。

  1. 何を求めるか:課税総所得金額に対する所得税額
  2. 課税総所得金額:6,000,000円-1,520,000円=4,480,000円
  3. 税率帯の判定:4,480,000円は3,300,000円~6,949,000円の帯に該当し、税率20%・速算控除額427,500円
  4. 税額の計算:4,480,000円×20%-427,500円=896,000円-427,500円=468,500円
  5. 端数処理:本問では端数は生じない
  6. 正解:468,500円
  • 肢1(896,000円)は不適切。4,480,000円×20%のみを計算し、速算控除額427,500円の差引きを忘れた誤りである。
  • 肢2(468,500円)が適切。
  • 肢3(350,500円)は不適切。課税総所得金額4,480,000円を10%の税率帯と誤って判定した誤り(4,480,000円×10%-97,500円=350,500円)である。4,480,000円は20%帯に該当する。

間違いやすい点

  • 速算控除額の差引きを忘れる誤り。速算表は「×税率-速算控除額」までがセット
  • 課税総所得金額の税率帯の判定誤り。金額がどの帯の範囲に入るかを速算表で正確に確認する
  • 所得控除を差し引く前の総所得金額(6,000,000円)に直接税率を掛けてしまう誤り。税率を適用するのは所得控除差引き後の課税総所得金額である

重要度:A 論点:各種所得の内容

第2問

【事例】

会社員の井関美穂さん(38歳)は、2026年分の自身の給与所得の金額を確認したいと考え、FPに相談した。井関さんの2026年分の給与収入等は下記の資料のとおりである。

資料:井関さんの2026年分の給与収入等(見込み)

項目 金額
給与収入(年間) 4,500,000円
給与所得控除額(所定の算式により計算した額) 1,340,000円

【設問】

資料に基づき計算した、井関さんの2026年分の給与所得の金額として、最も適切なものはどれか。

  1. 3,850,000円
  2. 4,500,000円
  3. 3,160,000円
【第2問:正解と解説】

正解:**3. 3,160,000円**

給与所得の金額は、給与収入から給与所得控除額を差し引いて計算する。

  1. 使用する式:給与所得=給与収入-給与所得控除額
  2. 数値代入:4,500,000円-1,340,000円
  3. 計算:3,160,000円
  4. 端数処理:本問では端数は生じない
  • 肢1(3,850,000円)は不適切。給与所得控除額として最低保障額の65万円を差し引いた誤り(4,500,000円-650,000円)である。最低保障額は控除額が65万円を下回る場合に適用されるものであり、本問では資料の給与所得控除額1,340,000円を用いる。
  • 肢2(4,500,000円)は不適切。給与所得控除額を差し引かずに給与収入をそのまま給与所得とした誤りである。
  • 肢3(3,160,000円)が適切。

間違いやすい点

  • 給与収入と給与所得の混同。給与所得は控除額を差し引いた後の金額
  • 資料に給与所得控除額が示されているのに、最低保障額(65万円)を機械的に適用してしまう誤り


重要度:A 論点:各種所得の内容

第3問

【事例】

会社員の大槻博史さん(52歳)は、2026年中に生命保険の満期保険金を受け取った。大槻さんは、この満期保険金に係る一時所得のうち総所得金額へ算入される金額を確認したいと考え、FPに相談した。

資料:大槻さんが受け取った満期保険金(2026年)

項目 金額
満期保険金(一時金で受領、契約者=保険料負担者=受取人:大槻さん) 4,800,000円
払込保険料の総額 4,000,000円

※大槻さんには2026年中に他の一時所得はないものとする。

【設問】

資料に基づき計算した、この満期保険金に係る一時所得のうち総所得金額へ算入される金額として、最も適切なものはどれか。

  1. 150,000円
  2. 300,000円
  3. 400,000円
【第3問:正解と解説】

正解:**1. 150,000円**

一時所得の金額は「総収入金額-収入を得るために直接支出した金額-特別控除額(最高50万円)」で計算し、総所得金額へはその2分の1を算入する。

  1. 一時所得の金額:4,800,000円-4,000,000円-500,000円=300,000円
  2. 総所得金額への算入額:300,000円×1/2=150,000円
  3. 端数処理:本問では端数は生じない
  • 肢1(150,000円)が適切。
  • 肢2(300,000円)は不適切。一時所得の金額(特別控除後)であり、2分の1を乗じる前の金額である。
  • 肢3(400,000円)は不適切。特別控除額50万円を差し引かずに2分の1を乗じた誤り((4,800,000円-4,000,000円)×1/2)である。

間違いやすい点

  • 特別控除50万円の控除忘れ
  • 2分の1を掛け忘れて特別控除後の金額をそのまま算入額とする誤り
  • 「50万円を引いてから半分にする」という順序を正確に踏むこと


重要度:A 論点:各種所得の内容

第4問

【事例】

横川清さん(67歳)は、2026年分の公的年金に係る所得の金額を確認したいと考え、FPに相談した。横川さんの2026年分の収入等は下記の資料のとおりである。

資料:横川さんの2026年分の収入等(見込み)

項目 金額
公的年金等の収入金額(老齢年金) 2,600,000円
公的年金等控除額(横川さんに適用される額) 1,100,000円

※横川さんには公的年金等以外の収入はないものとする。

【設問】

資料に基づき計算した、横川さんの2026年分の公的年金等に係る雑所得の金額として、最も適切なものはどれか。

  1. 2,600,000円
  2. 1,500,000円
  3. 1,100,000円
【第4問:正解と解説】

正解:**2. 1,500,000円**

公的年金等として受け取る年金は雑所得となり、公的年金等に係る雑所得は、公的年金等の収入金額から公的年金等控除額を差し引いて計算する。

  1. 使用する式:公的年金等に係る雑所得=公的年金等の収入金額-公的年金等控除額
  2. 数値代入:2,600,000円-1,100,000円
  3. 計算:1,500,000円
  4. 端数処理:本問では端数は生じない
  • 肢1(2,600,000円)は不適切。公的年金等控除額を差し引かずに収入金額をそのまま所得とした誤りである。
  • 肢2(1,500,000円)が適切。
  • 肢3(1,100,000円)は不適切。控除額そのものを所得金額と取り違えた誤りである。

間違いやすい点

  • 公的年金等の収入金額と、控除後の雑所得の金額の混同
  • 公的年金を一時所得や給与所得と誤区分しないこと(公的年金等=雑所得)


重要度:A 論点:各種所得の内容

第5問

【事例】

会社員の沼田隆夫さん(60歳)は、2026年中に勤務先を定年退職し、退職金を受け取る予定である。沼田さんは、退職所得の金額を確認したいと考え、FPに相談した。

資料:沼田さんの退職金等(見込み)

項目 内容
退職金(退職一時金) 25,000,000円
勤続年数 30年(端数なし)

※本問の退職金は、退職所得の計算上、原則どおり2分の1を乗じる一般的な退職手当等に該当するものとする。

【設問】

資料に基づき計算した、沼田さんの退職所得の金額として、最も適切なものはどれか。

  1. 10,000,000円
  2. 6,500,000円
  3. 5,000,000円
【第5問:正解と解説】

正解:**3. 5,000,000円**

退職所得は、退職金から勤続年数に応じた退職所得控除額を差し引き、原則としてその2分の1として計算する。

  1. 退職所得控除額(勤続20年超):800万円+70万円×(勤続年数-20年)=8,000,000円+700,000円×10年=15,000,000円
  2. 退職所得:(25,000,000円-15,000,000円)×1/2=10,000,000円×1/2=5,000,000円
  3. 端数処理:本問では端数は生じない
  • 肢1(10,000,000円)は不適切。退職所得控除額の差引き後に2分の1を乗じ忘れた誤りである。
  • 肢2(6,500,000円)は不適切。勤続30年に対して20年以下の式(40万円×勤続年数=12,000,000円)を誤って適用した誤り((25,000,000円-12,000,000円)×1/2)である。勤続20年超は800万円+70万円×(勤続年数-20年)を用いる。
  • 肢3(5,000,000円)が適切。

間違いやすい点

  • 退職所得控除の式の選択誤り(勤続20年超に40万円×年数を使う)
  • 2分の1を掛け忘れる誤り
  • 「控除額の計算→差引き→2分の1」という3段階を順に踏むこと

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