電験三種(第三種電気主任技術者)「電力」のうち、熱効率・燃料消費量・CO2排出量の計算の問題です(大分類:火力発電・重要度A)。一問一答7問 → 五肢択一9問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:1kWhの電力量は、3,600kJの熱量に相当する。
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正解:○
1W=1J/sなので、1kWh=1,000J/s×3,600s=3.6×10⁶J=3,600kJです。
重要度:A 難易度:★☆☆
問2:汽力発電所の送電端熱効率は、発電端熱効率に所内比率を掛けて求める。
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正解:×
送電端の電力量は、発電電力量から所内で使う分を差し引いたものなので、送電端熱効率=発電端熱効率×(1−所内比率)です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問3:汽力発電所の発電端熱効率は、ボイラ効率、熱サイクル効率、タービン効率、発電機効率の和で表される。
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正解:×
エネルギーはボイラ→熱サイクル→タービン→発電機と順に変換されるので、発電端熱効率はこれらの効率の積で表されます。
重要度:A 難易度:★★☆
問4:タービン室効率は、熱サイクル効率とタービン効率の積で表される。
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正解:○
タービン室効率=タービン出力÷タービンで受け取った熱量=熱サイクル効率×タービン効率です。
重要度:A 難易度:★★☆
問5:熱消費率〔kJ/kWh〕が小さい発電所ほど、熱効率は高い。
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正解:○
熱消費率は1kWhの発電に要する熱量で、熱消費率=3,600/η(η:熱効率)の関係があります。熱消費率が小さいほどηは大きくなります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問6:炭素12kgが完全燃焼すると、二酸化炭素が32kg生じる。
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正解:×
C+O₂→CO₂ で、炭素の原子量12、酸素の原子量16より、CO₂の分子量は12+16×2=44です。炭素12kgから44kgのCO₂が生じます。32kgは燃焼に使われる酸素の質量です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問7:汽力発電所では、燃料の燃焼によってボイラに入る熱量(入熱)は、発電機出力と、復水器で冷却水に放出する熱量と、その他の損失の和に等しい。
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正解:○
エネルギー保存により、入熱=発電機出力+復水器での放出熱量+その他の損失 が成り立ちます。この関係から、熱効率や復水器での放出熱量を求めることができます。
五肢択一
重要度:A 難易度:★☆☆
問8:定格出力600MWで運転している汽力発電所がある。燃料(重油)の消費量は毎時120t、重油の発熱量は44,000kJ/kg、所内比率は5%である。
(a) 発電端熱効率〔%〕の値として、最も近いものはどれか。
- 244.4
- 43.1
- 40.9
- 38.9
- 11.4
【第8問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
1時間の発電電力量:W=600×10³kWh
1時間の入熱:B·H=120×10³×44,000=5.28×10⁹kJ
η=3,600W/(B·H)=3,600×600×10³/(5.28×10⁹)=2.16×10⁹/(5.28×10⁹)≒0.409 → 40.9%
1:誤り。分母と分子が逆です(熱消費の比を答えています)。
2:誤り。所内比率で割っています。
3:正しい。
4:誤り。所内比率を差し引いた送電端熱効率を答えています。
5:誤り。1kWhを1,000kJとしています。1kWh=3,600kJです。
重要度:A 難易度:★☆☆
問9:定格出力600MWで運転している汽力発電所がある。燃料(重油)の消費量は毎時120t、重油の発熱量は44,000kJ/kg、所内比率は5%である。
(b) 送電端熱効率〔%〕の値として、最も近いものはどれか。
- 2.0
- 35.9
- 38.9
- 43.1
- 45.9
【第9問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
(a)より 発電端熱効率≒40.91%
送電端熱効率=40.91×(1−0.05)≒38.9%
1:誤り。所内比率(5%)だけを掛けています。送電端熱効率=発電端熱効率×(1−所内比率)です。
2:誤り。発電端熱効率から5(ポイント)を引いています。
3:正しい。
4:誤り。(1−所内比率)で割っています。
5:誤り。所内比率を足しています。
重要度:A 難易度:★☆☆
問10:ある汽力発電所のボイラ効率は88%、熱サイクル効率は47%、タービン効率は90%、発電機効率は98%である。発電端熱効率〔%〕の値として、最も近いものはどれか。
- 36.5
- 37.2
- 40.5
- 41.5
- 80.8
【第10問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。
発電端熱効率=ボイラ効率×熱サイクル効率×タービン効率×発電機効率
=0.88×0.47×0.90×0.98≒0.3648 → 36.5%
1:正しい。
2:誤り。発電機効率を掛けていません。
3:誤り。タービン効率を掛けていません。
4:誤り。ボイラ効率を掛けていません。
5:誤り。4つの効率の平均をとっています。効率は積で掛けます。
重要度:A 難易度:★★☆
問11:ある汽力発電所の蒸気タービンに、比エンタルピー3,400kJ/kgの蒸気が毎時500t流入している。蒸気がタービン内で断熱膨張したとした場合の出口の比エンタルピーは2,200kJ/kg、タービン効率は85%である。ボイラへの給水の比エンタルピーは600kJ/kgとし、タービンで受け取る熱量は、蒸気流量×(タービン入口の比エンタルピー−給水の比エンタルピー)とする。
(a) タービン出力〔MW〕の値として、最も近いものはどれか。
- 141.7
- 166.7
- 196.1
- 401.4
- 510.0
【第11問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。
蒸気流量:500×10³/3,600≒138.9kg/s
タービン出力=138.9×(3,400−2,200)×0.85≒141,667kW≒141.7MW
1:正しい。
2:誤り。タービン効率を掛けていません。
3:誤り。タービン効率で割っています。
4:誤り。タービン入口の比エンタルピーだけで計算しています。入口と出口の差を使います。
5:誤り。毎時の流量を毎秒に換算していません。
重要度:A 難易度:★★☆
問12:ある汽力発電所の蒸気タービンに、比エンタルピー3,400kJ/kgの蒸気が毎時500t流入している。蒸気がタービン内で断熱膨張したとした場合の出口の比エンタルピーは2,200kJ/kg、タービン効率は85%である。ボイラへの給水の比エンタルピーは600kJ/kgとし、タービンで受け取る熱量は、蒸気流量×(タービン入口の比エンタルピー−給水の比エンタルピー)とする。
(b) タービン室効率〔%〕の値として、最も近いものはどれか。
- 85.0
- 63.6
- 42.9
- 36.4
- 30.0
【第12問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
(a)より タービン出力≒141.7MW
タービンで受け取る熱量=138.9×(3,400−600)≒388,889kW≒388.9MW
タービン室効率=141.7/388.9≒0.364 → 36.4%
(熱サイクル効率 1,200/2,800 × タービン効率 0.85 と同じ)
1:誤り。タービン効率を答えています。タービン室効率=熱サイクル効率×タービン効率です。
2:誤り。1から正解を引いた値(受け取った熱量のうち出力にならない割合)を答えています。
3:誤り。タービン効率を掛けていない出力で計算しています。
4:正しい。
5:誤り。タービンで受け取る熱量を、給水の比エンタルピーを差し引かずに計算しています。
重要度:A 難易度:★★☆
問13:出力500MWで運転しているLNG火力発電所の発電端熱効率が40%、LNGの発熱量が54,000kJ/kgである。1時間当たりのLNG消費量〔t〕の値として、最も近いものはどれか。
- 13.3
- 23.1
- 33.3
- 83.3
- 208.3
【第13問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
η=3,600W/(B·H) より B=3,600W/(ηH)
1時間の発電電力量 W=500×10³kWh
B=3,600×500×10³/(0.40×54,000)=1.8×10⁹/21,600≒83,333kg≒83.3t
1:誤り。熱効率で割らずに掛けています。
2:誤り。1kWhを1,000kJとしています。
3:誤り。熱効率を考えていません。
4:正しい。
5:誤り。熱効率で2回割っています。
重要度:A 難易度:★★☆
問14:炭素の質量割合が70%の石炭を毎時100t燃焼させている。石炭中の炭素はすべて完全燃焼して二酸化炭素になるものとし、炭素以外の成分からは二酸化炭素は生じないものとする。1時間に発生する二酸化炭素〔t〕の値として、最も近いものはどれか。ただし、炭素の原子量は12、酸素の原子量は16とする。
- 366.7
- 256.7
- 186.7
- 70.0
- 19.1
【第14問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
炭素の質量:100×0.70=70t
C+O₂→CO₂ より、炭素12に対してCO₂は12+16×2=44
CO₂=70×44/12≒256.7t
1:誤り。炭素の割合70%を掛けていません。
2:正しい。
3:誤り。燃焼に使われる酸素の質量(32/12倍)を答えています。
4:誤り。石炭中の炭素の質量を答えています。
5:誤り。比を逆に掛けています(12/44)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問15:ある汽力発電所で、発電機出力が400MW、復水器で冷却水に放出する熱量が500MW、その他の損失が100MWであった。この発電所の発電端熱効率〔%〕の値として、最も近いものはどれか。
- 36.4
- 40.0
- 44.4
- 50.0
- 80.0
【第15問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
入熱=発電機出力+復水器での放出熱量+その他の損失=400+500+100=1,000MW
発電端熱効率=400/1,000=0.40 → 40.0%
1:誤り。入熱に発電機出力を二重に加えています(400+500+100+100)。
2:正しい。
3:誤り。その他の損失を入熱に含めていません。
4:誤り。復水器の放出熱量の割合を答えています。
5:誤り。発電機出力を復水器の放出熱量で割っています。
重要度:A 難易度:★☆☆
問16:発電端熱効率が40%の汽力発電所の発電端の熱消費率〔kJ/kWh〕の値として、最も近いものはどれか。
- 90
- 1,440
- 2,500
- 3,600
- 9,000
【第16問:正解と解説】
正解:5
正解は5です。
熱消費率は1kWhの発電に要する熱量なので、熱消費率=3,600/η
=3,600/0.40=9,000kJ/kWh
1:誤り。熱効率を%のまま(40)で割っています。
2:誤り。熱効率で割らずに掛けています。
3:誤り。1kWhを1,000kJとしています。
4:誤り。熱効率を考えていません(1kWhの熱量そのもの)。
5:正しい。
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