単純総合原価計算(平均法・修正先入先出法) 総合問題 ケース2

ケース2 共通資料

当工場は同一種類の製品を連続生産しており、修正先入先出法により単純総合原価計算を行っている。当月の資料は次のとおりである。

数量

項目 数量 加工進捗度
期首仕掛品 200個 25%
当期投入 800個 —
完成品 800個 —
期末仕掛品 200個 50%

原価

項目 材料費 加工費
期首仕掛品 100,000円 30,000円
当期投入 400,000円 340,000円

材料は始点で投入する。端数は生じない。

問1

修正先入先出法により、材料費と加工費の当期投入換算量と当期投入単価をそれぞれ求めなさい。

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正答

  • 当期投入換算量:材料800個/加工費850個
  • 当期投入単価:材料500円/加工費400円

解説

順 項目 計算 金額・数量
1 材料の期首換算量(始点投入) 200個をそのまま 200
2 材料の期末換算量(始点投入) 200個をそのまま 200
3 材料の当期投入換算量 800-200+200 800個
4 加工費の期首換算量 200×25% 50
5 加工費の期末換算量 200×50% 100
6 加工費の当期投入換算量 800-50+100 850個
7 材料の当期投入単価 400,000÷800 500円
8 加工費の当期投入単価 340,000÷850 400円

当期投入換算量 = 完成品換算量 - 期首仕掛品換算量 + 期末仕掛品換算量

材料と加工費で期首換算量が異なります。 材料は始点投入なので200個ですが、加工費は進捗度25%を掛けて50個です。

単価には当期投入原価だけを用います。 期首仕掛品原価は分子に含めません。

配点

当期投入換算量が材料800個・加工費850個、当期投入単価が材料500円・加工費400円のすべてが示されていれば正答とする。

採点要素

  1. 材料の期首換算量 200個・期末換算量 200個(始点投入)
  2. 材料の当期投入換算量 800個
  3. 加工費の期首換算量 50個(200×25%)・期末換算量 100個(200×50%)
  4. 加工費の当期投入換算量 850個
  5. 材料の当期投入単価 500円
  6. 加工費の当期投入単価 400円

部分点

YES

部分点の取扱い

採点要素 の6要素を各1点、計6点満点とする。当期投入換算量を完成品換算量のみとした場合、または期首換算量を差し引かなかった場合は要素2・4をともに0点とする。加工費の期首・期末換算量に進捗度を掛けなかった場合は要素3・4をともに0点とする。単価の分子に期首仕掛品原価を含めた場合は要素5・6を0点とする。

問2

修正先入先出法により、期末仕掛品原価と完成品総合原価を求めなさい。完成品総合原価の表示方法についても述べなさい。

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正答

  • 期末仕掛品原価:140,000円(材料100,000円+加工40,000円)
  • 完成品総合原価:730,000円
  • 表示方法:1つの金額として一括で示す(期首仕掛品から完成した分と当期着手して完成した分に分けない)

解説

順 項目 計算 金額
1 期末(材料) 500×200 100,000
2 期末(加工) 400×100 40,000
3 期末仕掛品原価 100,000+40,000 140,000
4 原価総額 130,000+740,000 870,000
5 完成品総合原価 870,000-140,000 730,000

期末仕掛品は当期投入単価だけで評価します。 期首仕掛品原価130,000円は期末仕掛品には配分しません。

完成品原価は差額で求め、1つの金額として示します。

配点

期末仕掛品原価140,000円、完成品総合原価730,000円、一括表示である旨がすべて示されていれば正答とする。

採点要素

  1. 期末(材料)100,000円(当期投入単価500円×200個)
  2. 期末(加工)40,000円(当期投入単価400円×100個)
  3. 期末仕掛品原価 140,000円
  4. 完成品総合原価 730,000円(差額で算定)
  5. 完成品総合原価を一括表示する旨

部分点

YES

部分点の取扱い

採点要素 の5要素を各1点、計5点満点とする。期末仕掛品の評価に期首仕掛品原価を含めた場合は要素1・2・3をすべて0点とする。要素4は差額により算定している場合に加点する。完成品総合原価を期首完成分と当期着手完成分に分けて表示した解答は要素5を0点とする。

問3

(1)原価フローを検証しなさい。(2)修正先入先出法と平均法で期末仕掛品の評価がどう異なるかを述べなさい。(3)この検証で確かめられないことを示しなさい。

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正答

  • (1) 原価フロー:期首130,000円+当期投入740,000円=870,000円=完成品730,000円+期末仕掛品140,000円
  • (2) 違い:修正先入先出法は期末仕掛品を当期投入単価だけで評価するのに対し、平均法は期首仕掛品原価と当期投入原価を合算した平均単価で評価する
  • (3) 確かめられないこと:計算方法の選択・材料の投入形態・加工進捗度がいずれも正しいこと

解説

判断根拠

3段階で判断します。

第1に、原価フローを確かめます。期首仕掛品原価130,000円(材料100,000+加工30,000)と当期投入原価740,000円(材料400,000+加工340,000)の合計870,000円が、完成品730,000円と期末仕掛品140,000円の合計と一致します。

第2に、2つの方法の違いを整理します。

項目 修正先入先出法 平均法
単価の分子 当期投入原価のみ 期首仕掛品原価+当期投入原価
単価の分母 当期投入換算量 完成品数量+期末仕掛品換算量
期末仕掛品の評価 当期投入単価のみ 平均単価
完成品原価の表示 一括 一括

期末仕掛品に期首仕掛品原価が含まれるかどうかが違いの中心です。修正先入先出法では、先に投入したものから先に完成すると考えるので、期末に残っているのは当期投入分だけです。

第3に、この検証で何が確かめられないかを考えます。

検証

検証項目 計算 結果
数量フロー 200+800=800+200 1,000=1,000
原価フロー 130,000+740,000=730,000+140,000 870,000=870,000
期末仕掛品の構成 当期投入単価500円・400円のみ 期首原価の混入なし

この検証の限界:原価フローの一致は、完成品原価を差額で求めた以上、定義上必ず成立します。次のいずれを取り違えていても一致します。

  • 計算方法の選択:平均法で解いた場合、材料単価は 500,000÷1,000=500円、加工費単価は 370,000÷900=411.1…円となり期末仕掛品原価は変わりますが、合計は870,000円のままです
  • 材料の投入形態:終点投入とすれば期末の材料換算量が0になり配分が変わりますが、合計は保たれます
  • 加工進捗度:25%や50%を別の値としても、配分が変わるだけです

さらに、期末仕掛品に期首仕掛品原価を混ぜてしまった場合も、原価フローは一致したままです。 期末仕掛品原価が変われば完成品原価が差額で変わるだけだからです。

計算方法・投入形態・進捗度は、いずれも問題文の指定に戻って確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは、期末仕掛品の評価に期首仕掛品原価を含めてしまうことです。修正先入先出法では当期投入単価だけを用います。ふたつめは、当期投入換算量から期首換算量を差し引き忘れることです。三つめは、完成品総合原価を期首完成分と当期着手完成分に分けて表示してしまうことです。ここでは一括で示します。

配点

(1)原価フロー870,000=730,000+140,000、(2)期末仕掛品の評価に用いる単価の違い、(3)方法の選択・投入形態・進捗度が確かめられない旨がすべて示されていれば正答とする。

採点要素

  1. 原価総額 870,000円(期首130,000+当期740,000)
  2. 完成品730,000円+期末仕掛品140,000円=870,000円で一致すること
  3. 修正先入先出法は期末仕掛品を当期投入単価だけで評価する旨
  4. 平均法は期首と当期を合算した平均単価で評価する旨
  5. 原価フローの一致では計算方法の選択・投入形態・進捗度が確かめられない旨

部分点

YES

部分点の取扱い

採点要素 の5要素を各1点、計5点満点とする。要素2は要素1が示された場合に限り加点する。要素3・4は両方法の違いが対比の形で示された場合にそれぞれ加点し、片方のみの記述では示した側のみ加点する。要素5は少なくとも計算方法の選択に言及した場合に加点し、「一致したので正しい」とした解答は0点とする。


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