個別原価計算(指図書・原価計算表・仕損) 仕訳問題 第6問〜第6問

問6

月末時点の各製造指図書の状況は次のとおりであり、原価は計算済みである。

指図書 状況 原価
No.501 完成・未引渡 720,000円
No.502 完成・引渡済 540,000円
No.503 未完成 310,000円

完成の振替と引渡の振替について、それぞれ仕訳を示しなさい。No.503 の扱いも述べなさい。なお、売上に関する仕訳は解答しなくてよい。

使用可能勘定科目

仕掛品/製品/売上原価

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解答・解説

指図書別内訳

指図書 状況 原価 月末の勘定
No.501 完成・未引渡 720,000円 製品
No.502 完成・引渡済 540,000円 売上原価
No.503 未完成 310,000円 仕掛品

正答仕訳

(1) 完成の振替(No.501・No.502)

借方 金額 貸方 金額
製品 1,260,000 仕掛品 1,260,000

(2) 引渡の振替(No.502)

借方 金額 貸方 金額
売上原価 540,000 製品 540,000

No.503 の扱い:未完成なので仕訳は行いません。原価310,000円は月末の仕掛品残高として残ります。

解説

判断根拠

3段階で判断します。

第1に、完成した指図書を特定します。No.501 と No.502 はどちらも完成しているので、完成の振替の対象です。合計 720,000+540,000=1,260,000円を製品へ振り替えます。No.502 が引渡済であっても、完成の振替を飛ばして直接売上原価へ振り替えることはしません。 完成と引渡は順に起こる別の出来事だからです。

第2に、引き渡した指図書を特定します。引渡済は No.502 だけなので、540,000円を製品から売上原価へ振り替えます。No.501 は完成していますが未引渡なので、製品勘定に残ります。

第3に、未完成の指図書を確かめます。No.503 は完成していないので、仕掛品から出ていく振替はありません。仕訳を書かないこと自体が正しい処理です。

検証

検証項目 計算 結果
(1)の貸借 1,260,000=1,260,000 一致
(2)の貸借 540,000=540,000 一致
月末の仕掛品 No.503 310,000円
月末の製品 1,260,000-540,000(No.501) 720,000円
月末の売上原価 No.502 540,000円
状態別合計 310,000+720,000+540,000 1,570,000円
全指図書原価 720,000+540,000+310,000 1,570,000円(一致)

貸借の確認:(1) 借方1,260,000円=貸方1,260,000円、(2) 借方540,000円=貸方540,000円。

この検証の限界:状態別合計が全指図書原価に一致することは、状態の判定を取り違えていても成立します。仮に No.501 を引渡済としてしまうと、製品が0円、売上原価が1,260,000円となりますが、合計は1,570,000円のままです。

貸借の一致も、振り替える金額を取り違えていれば同じ誤りを引き継ぎます。

完成日と引渡日を、資料に戻って一つずつ確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは、引渡済の No.502 について完成の振替を省き、仕掛品から直接売上原価へ振り替えてしまうことです。ふたつめは、完成した2件の合計を製品へ振り替えるところを、未引渡の No.501 のみとしてしまうことです。三つめは、未完成の No.503 について何らかの振替仕訳を書いてしまうことです。


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