問1
連結精算表において、親会社から子会社への内部売上高800,000円を売上高と売上原価の両方から消去する。この消去に関する説明として正しいものを選びなさい。
A. 売上高の行では合算額に800,000円を加え、売上原価の行では合算額から800,000円を差し引く
B. 売上高・売上原価とも合算額から800,000円ずつ差し引くため連結上の当期純利益は変わらず、消去の有無は行の金額を直接確かめる必要がある
C. 売上高と売上原価から800,000円ずつ差し引くと、連結上の当期純利益は800,000円減少する
D. 連結上の当期純利益が正しい金額であれば、この消去が行われたことが確かめられる
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解答・解説
正答: B
正答理由:売上高は貸方残の行なので、借方に置いた800,000円だけ連結金額が減ります。売上原価は借方残の行なので、貸方に置いた800,000円だけ連結金額が減ります。収益と費用が同額ずつ減るため、連結上の当期純利益は変わりません。したがって当期純利益の金額を見ても消去の有無は判断できず、売上高と売上原価の行そのものが内部売上高の分だけ減っているかを直接確かめる必要があります。
誤答理由
- A:売上高の行に加算しています。内部売上高は企業集団の外部への売上ではないので、連結金額は減ります。
- C:収益と費用が同額ずつ減るので、差額である当期純利益は変わりません。800,000円減るのは売上高の行と売上原価の行のそれぞれです。
- D:当期純利益は消去してもしなくても同じ金額になります。当期純利益の一致は、この消去が行われた証拠にはなりません。
問2
P社はS社の発行済株式の80%を保有している。当期(2028年4月1日〜2029年3月31日)の資料は次のとおりである。
- 個別損益計算書の合算額:売上高12,000,000円、売上原価7,800,000円
- 親会社から子会社への内部売上高:800,000円
- 子会社の期末商品に含まれる内部仕入分に係る未実現利益:60,000円
連結損益計算書の売上高と売上原価の組合せとして正しいものを選びなさい。
A. 売上高12,000,000円/売上原価7,800,000円
B. 売上高11,200,000円/売上原価7,000,000円
C. 売上高11,200,000円/売上原価7,060,000円
D. 売上高12,000,000円/売上原価7,060,000円
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解答・解説
正答: C
正答理由:売上高は合算額12,000,000円から内部売上高800,000円を差し引いて11,200,000円です。売上原価は合算額7,800,000円から内部売上高800,000円を差し引き、期末商品の未実現利益60,000円を加えて7,800,000-800,000+60,000=7,060,000円になります。未実現利益の消去は売上原価を増やす向きに働く点に注意します。
誤答理由
- A:どちらも合算額のままで、内部売上高の消去が反映されていません。
- B:売上原価7,000,000円は内部売上高800,000円を差し引いたものの、期末商品の未実現利益60,000円を加えていない金額です。
- D:売上原価は正しく求められていますが、売上高が合算額12,000,000円のままです。内部売上高は売上高と売上原価の両方から消去します。
問3
P社はS社の発行済株式の80%を保有している。当期末の資料は次のとおりである。
- 個別貸借対照表の資産合計の単純合算額:22,150,000円
- 連結修正:子会社株式4,500,000円の消去、のれん400,000円の計上、内部売掛金300,000円と内部電子記録債権200,000円の消去、貸倒引当金10,000円の減額、期末商品の未実現利益60,000円の消去、土地の未実現利益400,000円の消去
- 連結上の負債合計:6,210,000円
- 非支配株主持分:期首1,080,000円、当期の按分額160,000円、配当による減少60,000円
連結貸借対照表の資産合計・負債合計・非支配株主持分の組合せとして正しいものを選びなさい。
A. 資産17,100,000円/負債6,210,000円/非支配株主持分1,180,000円
B. 資産22,150,000円/負債6,210,000円/非支配株主持分1,180,000円
C. 資産17,500,000円/負債6,210,000円/非支配株主持分1,180,000円
D. 資産17,100,000円/負債6,210,000円/非支配株主持分1,240,000円
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解答・解説
正答: A
正答理由:資産合計は22,150,000-4,500,000+400,000-300,000-200,000+10,000-60,000-400,000=17,100,000円です。貸倒引当金の10,000円の減額は資産からの控除額が減ることを意味するため、資産合計は増える向きに働きます。非支配株主持分は1,080,000+160,000-60,000=1,180,000円です。
誤答理由
- B:22,150,000円は連結修正を行う前の単純合算額です。子会社株式の消去など、列挙された修正がまったく反映されていません。
- C:17,500,000円は、土地の未実現利益400,000円の消去だけを落とした金額です。企業集団の内部で売買した土地の売却益は外部に対して実現していないため、消去します。
- D:1,240,000円は、配当による減少60,000円を差し引いていない金額です。子会社が支払った配当のうち非支配株主へ渡った分は、非支配株主持分を減らします。
問4
P社はS社の発行済株式の80%を保有している。当期の資料は次のとおりである。
- 連結上の当期純利益:2,100,000円(個別合算の当期純利益は2,840,000円)
- 非支配株主に帰属する当期純利益:160,000円
- 連結上の利益剰余金の当期首残高:4,270,000円
- 親会社が企業集団の外部へ支払った配当:500,000円
- 非支配株主持分:当期首残高1,080,000円、当期の按分額160,000円、配当による減少60,000円
連結上の当期純利益・利益剰余金の当期末残高・非支配株主持分の当期末残高の組合せとして正しいものを選びなさい。
A. 当期純利益2,100,000円/利益剰余金6,210,000円/非支配株主持分1,180,000円
B. 当期純利益2,100,000円/利益剰余金5,710,000円/非支配株主持分1,240,000円
C. 当期純利益2,840,000円/利益剰余金5,710,000円/非支配株主持分1,180,000円
D. 当期純利益2,100,000円/利益剰余金5,710,000円/非支配株主持分1,180,000円
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解答・解説
正答: D
正答理由:親会社株主に帰属する当期純利益は2,100,000-160,000=1,940,000円です。利益剰余金の当期末残高は、当期首残高4,270,000円に親会社株主に帰属する当期純利益1,940,000円を加え、外部への配当500,000円を差し引いて5,710,000円になります。非支配株主持分の当期末残高は1,080,000+160,000-60,000=1,180,000円です。この2つの当期末残高が、そのまま連結貸借対照表の純資産の行になります。
誤答理由
- A:利益剰余金6,210,000円は、外部への配当500,000円を差し引いていない金額です。なお同額が連結上の負債合計にも現れますが、こちらは買掛金・電子記録債務・借入金の合計であり、まったく別の経路で生じた金額です。
- B:非支配株主持分1,240,000円は、配当による減少60,000円を差し引いていない金額です。
- C:2,840,000円は個別の当期純利益の単純合算額です。連結上の当期純利益は各種の修正を反映した2,100,000円です。
判断根拠:3つの数値は3つの表にまたがっており、それぞれ別の判断を要します。第1に連結損益計算書で、当期純利益2,100,000円を親会社株主分と非支配株主分に分けます。第2に株主資本等変動計算書で、利益剰余金に加えるのは当期純利益の全体ではなく親会社株主に帰属する分であり、差し引く配当は親会社が外部へ支払った分だけです。子会社が親会社へ支払った配当は内部の取引として消えています。第3に連結貸借対照表で、株主資本等変動計算書の当期末残高がそのまま純資産の行になります。
検証:1,940,000+160,000=2,100,000で当期純利益の分解が成り立ちます。4,270,000+1,940,000-500,000=5,710,000、1,080,000+160,000-60,000=1,180,000で、いずれも当期首残高から当期末残高へつながります。資本金4,000,000+利益剰余金5,710,000+非支配株主持分1,180,000=10,890,000で、負債6,210,000を足すと17,100,000となり資産合計と一致します。
貸借対照表の均衡だけでは足りない理由:内部の債権と債務は同額で対応しているため、その相殺を両方とも落としても資産と負債が同じだけ多くなり、貸借対照表は均衡したままです。同じように、子会社株式の消去と資本側の消去を同時に落としても縦計は合ってしまいます。均衡は必要な条件であって、消去が行われた証拠にはなりません。内部の売掛金・買掛金・電子記録債権・電子記録債務が連結貸借対照表に残っていないこと、子会社株式が0になっていることを、行そのもので確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは利益剰余金に当期純利益2,100,000円の全体を加えてしまうことで、非支配株主に帰属する分は非支配株主持分の側で処理されます。ふたつめは外部への配当500,000円を差し引き忘れることです。三つめは非支配株主持分の当期変動額を按分額だけとし、配当による減少を落とすことです。