問1
満期保有目的債券に関する記述として、正しいものを1つ選びなさい。
A. 満期まで保有する目的で取得した債券であり、取得価額と額面の差額を償却原価法により配分する
B. 短期間で売買して利益を得る目的で取得した債券であり、期末に時価で評価する
C. 満期まで保有する目的で取得した債券であるが、期末に時価で評価し評価損益を計上する
D. 取得価額と額面の差額は満期まで配分せず、満期時に一括して損益とする
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解答・解説
正答:A
正答理由
満期保有目的債券は満期まで保有し続ける目的で取得した債券です。途中で売却しないため時価の変動は損益に影響せず、期末の時価評価は行いません。
その代わり、取得価額と額面総額の差額を償却原価法により満期までの期間へ配分します。
誤答理由
- B:短期間で売買して利益を得る目的の有価証券は売買目的有価証券です。保有目的が異なり、こちらは期末に時価で評価します。
- C:保有目的の説明は正しいものの、期末に時価評価する点が誤りです。満期まで保有するため時価の変動を損益に反映させません。
- D:差額を満期時に一括して損益とするのではなく、満期までの期間に配分します。差額は保有期間全体を通じて生じる利息の性格を持つためです。
問2
額面総額より低い金額で満期保有目的債券を取得した場合の、決算時の償却の仕訳として正しいものを1つ選びなさい。
A. 満期保有目的債券 / 有価証券利息
B. 有価証券利息 / 満期保有目的債券
C. 満期保有目的債券 / 有価証券評価損益
D. 有価証券利息 / 普通預金
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解答・解説
正答:A
正答理由
取得価額が額面より低い場合、満期には額面が払い戻されるため、帳簿価額を額面へ向けて増やしていきます。
満期保有目的債券 ××× / 有価証券利息 ×××
借方で満期保有目的債券を増額し、貸方で有価証券利息を増加させます。額面より安く取得できた分は、満期までに得られる利益だからです。
誤答理由
- B:貸借が逆です。この形は取得価額が額面より高い場合(打歩取得)の仕訳であり、帳簿価額を減らします。
- C:有価証券評価損益は売買目的有価証券の時価評価に用いる勘定です。満期保有目的債券では時価評価を行わないため使用しません。
- D:普通預金が動くのは取得時やクーポン利息の受取時です。償却原価法の調整では現金の動きはありません。
問3
次の資料にもとづき、当期の償却額を1つ選びなさい。
資料
- 額面総額 ¥1,000,000、取得価額 ¥970,000
- 取得日 2026年4月1日、満期日 2029年3月31日
- 決算日 2027年3月31日(会計期間は1年)
- 償却原価法(定額法)による
A. ¥10,000
B. ¥30,000
C. ¥2,500
D. ¥20,000
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解答・解説
正答:A
正答理由
①取得差額 = ¥1,000,000 - ¥970,000 = ¥30,000 ②総月数 = 2026年4月1日〜2029年3月31日 = 36か月 ③当期保有月数 = 2026年4月1日〜2027年3月31日 = 12か月 ④当期償却額 = ¥30,000 ×(12か月 ÷ 36か月)= ¥10,000
月数のクロスチェック:当期12か月 + 残存24か月 = 36か月 = 総月数 ✓
誤答理由
- B(¥30,000):取得差額の全額です。期間配分を行っていない誤りです。差額は36か月かけて配分します。
- C(¥2,500):¥30,000 ÷ 12 = ¥2,500。総月数36か月ではなく12で割った誤りです。分母は取得日から満期日までの総月数です。
- D(¥20,000):¥30,000 ×(24 ÷ 36)= ¥20,000。当期保有月数ではなく残存月数24か月で按分した誤りです。当期に配分するのは当期の保有月数分です。
問4
次の資料にもとづき、当期の償却額と仕訳の方向の組合せとして正しいものを1つ選びなさい。
資料
- 額面総額 ¥1,000,000、取得価額 ¥1,024,000
- 取得日 2026年4月1日、満期日 2030年3月31日
- 決算日 2027年3月31日(会計期間は1年)
- 償却原価法(定額法)による
A. ¥6,000 / 有価証券利息を借方、満期保有目的債券を貸方
B. ¥6,000 / 満期保有目的債券を借方、有価証券利息を貸方
C. ¥24,000 / 有価証券利息を借方、満期保有目的債券を貸方
D. ¥2,000 / 有価証券利息を借方、満期保有目的債券を貸方
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解答・解説
正答:A
正答理由
①取得差額 = ¥1,024,000 - ¥1,000,000 = ¥24,000(取得価額が額面より高い) ②総月数 = 2026年4月1日〜2030年3月31日 = 48か月 ③当期保有月数 = 12か月 ④当期償却額 = ¥24,000 ×(12か月 ÷ 48か月)= ¥6,000
取得価額が額面より高いため、帳簿価額を減らします。
有価証券利息 6,000 / 満期保有目的債券 6,000
月数のクロスチェック:当期12か月 + 残存36か月 = 48か月 = 総月数 ✓
誤答理由
- B:金額は正しいものの、貸借が逆です。この形は取得価額が額面より低い場合(割引取得)の仕訳であり、帳簿価額を増やします。
- C(¥24,000):取得差額の全額です。期間配分を行っていない誤りです。
- D(¥2,000):¥24,000 ÷ 12 = ¥2,000。総月数48か月ではなく12で割った誤りです。
問5
満期保有目的債券について、当期にクーポン利息 ¥15,000 を受け取り、あわせて償却原価法による当期償却額 ¥20,000(割引取得) を計上した。当期の有価証券利息の金額として正しいものを1つ選びなさい。
A. ¥35,000
B. ¥15,000
C. ¥20,000
D. ¥5,000
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解答・解説
正答:A
正答理由
クーポン利息の受取と償却原価法の調整は別の処理ですが、どちらも有価証券利息を用います。
(利息受取)普通預金 15,000 / 有価証券利息 15,000 (償却) 満期保有目的債券 20,000 / 有価証券利息 20,000
割引取得であるため償却額は有価証券利息を増加させます。したがって当期の有価証券利息は次のとおりです。
¥15,000 + ¥20,000 = ¥35,000
誤答理由
- B(¥15,000):クーポン利息のみです。償却額を加算していない誤りです。償却額も有価証券利息に含まれます。
- C(¥20,000):償却額のみです。クーポン利息を加算していない誤りです。
- D(¥5,000):¥20,000 - ¥15,000 = ¥5,000。両者を差し引いた誤りです。割引取得ではどちらも有価証券利息を増加させるため、加算します。
2つの処理は別々に行いますが、同じ勘定に集計されます。