論点:総合
問11:労災保険法に定める費用徴収及び支給制限に関する次の記述のうち、正しいものはどれか。
- A:事業主が故意又は重大な過失により保険関係成立届を提出していない期間中に生じた事故について保険給付を行ったときは、政府は、その保険給付に要した費用の全部又は一部を事業主から徴収することができる。
- B:事業主が保険関係成立届を提出していない期間中に生じた事故については、労働者に対する保険給付は行われない。
- C:労働者が重大な過失により負傷した場合には、保険給付を行わない。
- D:受給権者が第三者から同一の事由について損害賠償を受けた場合であっても、保険給付は全額支給される。
- E:第三者行為災害における求償は、災害発生後5年以内に支給事由が生じた保険給付について行われる。
【第11問:正解と解説】
正解:A
・A
【論点】事業主からの費用徴収(法31条1項)。【考え方】費用徴収の3類型は「①未手続(故意・重大な過失により保険関係成立届を提出していない)②保険料の滞納③事業主の故意・重大な過失により生じた業務災害」である。ここで最も重要なのは、これらの場合でも被災した労働者に対する保険給付は行われるという点である。労働者の保護を優先し、その費用を事業主から回収するという構造になっている。なお、療養に関する給付、介護補償給付及び二次健康診断等給付は費用徴収の対象から除かれる。【選択肢解説】未手続期間中の事故については事業主から費用を徴収できるから、本記述は正しい。
・B
【選択肢解説】労働者に対する保険給付は行われる。政府はその費用を事業主から徴収する。
・C
【選択肢解説】重大な過失の場合は、保険給付の全部又は一部を「行わないことができる」にとどまる。「行わない」とされるのは労働者が故意に負傷等を生じさせた場合である。
・D
【選択肢解説】政府は、その価額の限度で保険給付をしないことができる(控除。法12条の4第2項)。
・E
【選択肢解説】求償・控除の対象は、災害発生後3年以内に支給事由が生じた保険給付である。
論点:総合
問12:労災保険法に定める特別加入に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- A:中小事業主等が特別加入するには、労働保険事務組合に労働保険事務の処理を委託していることが必要である。
- B:特別加入者に対しても、二次健康診断等給付が支給される。
- C:卸売業又はサービス業においては、常時使用する労働者数が100人以下であることが中小事業主等の特別加入の要件となる。
- D:海外出張者については、特別加入の手続をしなくても国内の労災保険が適用される。
- E:特別加入者に係る保険料が滞納されている期間中に生じた事故については、政府は保険給付の全部又は一部を行わないことができる。
【第12問:正解と解説】
正解:B
・A
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】法33条1号のとおりであり、包括加入の原則も適用される。
・B
【論点】特別加入者に支給されない給付。【考え方】二次健康診断等給付は、労働安全衛生法に基づく定期健康診断(一次健康診断)を受けた労働者を前提とする給付であるため、特別加入者には支給されない。これ以外の給付(療養・休業・障害・遺族・傷病・介護・葬祭)はいずれも特別加入者に支給される。また、通勤災害についても原則として保護が及ぶが、個人タクシー業者、個人貨物運送業者、漁船による自営業者、特定農作業従事者、指定農業機械作業従事者、家内労働者及びその補助者については、住居と就業の場所との往復の実態がないため通勤災害に関する規定が適用されない。【選択肢解説】二次健康診断等給付は特別加入者に支給されないから、本記述は誤りであり、これが正解肢となる。
・C
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】金融業・保険業・不動産業・小売業は50人以下、その他は300人以下である。
・D
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】海外派遣者との区別が必要である。
・E
正しい(=正解肢ではない)。【選択肢解説】労働者の場合は保険料未納でも給付が行われる点と対比する。

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