前提:すでに帳簿へ記録された誤った仕訳を、正しい状態へ直す場面を扱います。題材となる取引(家賃の支払い、商品売買、消費税など)の基礎処理は、それぞれの単元で確認してください。
重要度:A 論点:訂正仕訳の意味と基本原理
問1(二択)
訂正仕訳の基本的な考え方として適切なのはどちらか。
A:現在の記帳状態と本来あるべき状態を比べ、その差だけを仕訳する B:誤った記帳を直接置き換えたものとして扱い、正しい仕訳だけを書けばよい
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正解:A
解説
訂正仕訳では、誤った記帳を直接削除・置換したものとして扱わず、必要な仕訳を追加して、結果として正しい記帳状態へ合わせます。
訂正仕訳 = 本来あるべき記帳効果 − 現在の誤った記帳効果
いま帳簿がどうなっているかと、本当はどうなっているべきかを並べ、足りない分を足し、多すぎる分を戻すという考え方です。
B が誤りである理由:訂正仕訳では、誤った記帳を直接置き換えたものとして処理せず、必要な差分を仕訳として追加するためです。
重要度:A 論点:「取消し+正しい仕訳」は思考の補助であり、必ず2本になるわけではない
問2(○×)
訂正仕訳では、誤仕訳を全額取り消す仕訳と、正しい仕訳とを、必ず別々の2本に分けて記帳しなければならない。
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正解:×
解説
「①誤仕訳を反対仕訳で取り消す → ②正しい仕訳を行う」と分けて考える方法は、差分がすぐに見えないときに有効な思考の補助です。
しかし、①と②を合わせると共通する部分が打ち消し合って消えることが多く、結果として1本の仕訳にまとまります。答案に書くのは、まとまった後の差分1本です。
たとえば家賃の支払いを誤って通信費で記帳した場合、①と②の両方に「現金」が登場しますが、貸方と借方で打ち消し合うため、訂正仕訳に現金は現れません。
この考え方が誤りである理由:①②は考え方の道筋であって、記帳の形を決めるものではないためです。
重要度:A 論点:すでに正しい部分は動かさない
問3(○×)
訂正仕訳では、すでに正しく記帳されている勘定科目も、必ずもう一度動かす必要がある。
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正解:×
正しくは:誤仕訳と正しい仕訳の両方に、同じ科目・同じ側・同じ金額で登場している部分は動かさない。
解説
誤仕訳と正しい仕訳を並べたとき、共通している部分はすでに正しい状態です。訂正仕訳に登場させると、正しかったものが二重になってしまいます。
型ごとに、動かさない部分は次のとおりです。
| 型 | 動かさない部分 |
|---|---|
| 勘定科目の誤り | 正しかった相手科目 |
| 金額の過少・過大 | 記帳済みの正しい部分 |
| 内訳・配分誤り | 一致している相手科目 |
確認ポイント:訂正仕訳を書き終えたら、両方の仕訳で一致していた科目が答案に紛れ込んでいないかを見直してください。
重要度:A 論点:金額の過少・過大それぞれの訂正の向きと金額
問4(二択)
金額を誤って記帳した場合の訂正方法として、適切な組合せはどちらか。
A:過少なら不足額を同じ方向へ追加し、過大なら超過額を反対方向へ戻す B:過少なら正しい金額をもう一度全額記帳し、過大なら誤った金額を全額反対方向へ戻す
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正解:A
解説
金額の誤りでは、方向(借方か貸方か)は合っています。違うのは金額だけなので、差額だけを動かします。
| 型 | 差額 | 訂正の方向 |
|---|---|---|
| 過少(少なく記帳) | 正しい金額 − 記帳額 | 同じ方向へ追加 |
| 過大(多く記帳) | 記帳額 − 正しい金額 | 反対方向へ戻す |
B が誤りである理由
- 過少で正しい金額を全額記帳すると、すでに記帳済みの分と合わせて二重になります。
- 過大で全額を反対方向へ戻すと、記帳がゼロになってしまい、正しい金額が残りません。
重要度:A 論点:2倍になる条件(完全逆記に限る)
問5(二択)
「訂正仕訳の金額は、元の金額の2倍になる」という説明について、適切なのはどちらか。
A:訂正仕訳は常に元の金額の2倍になる B:同じ2つの勘定・同じ金額を、借方と貸方で完全に逆向きに記帳していた場合に、2倍になる
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正解:B
解説
完全に逆向きへ記帳した場合、1つの科目について次の2つが必要になります。
| 必要な処理 | |
|---|---|
| ① | 誤って記帳した側を打ち消す |
| ② | 本来の側に立て直す |
①と②が同じ方向になるため、合計で元の金額の2倍が必要になります。
しかし、これは完全逆記に限った話です。
| 型 | 訂正額 |
|---|---|
| 勘定科目の誤り | 元の金額と同額 |
| 金額の過少・過大 | 差額のみ |
| 完全逆記 | 元の金額の2倍 |
| 記帳漏れ | 漏れていた金額 |
| 内訳・配分誤り | ずれた内訳分のみ |
A が誤りである理由:2倍になる条件を確認せずに一般化しているためです。必ず「現在の状態」と「本来の状態」を並べて確かめてください。

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