2級建築施工管理技士 第一次検定「設備・契約等」のうち、空気調和設備の問題です(重要度A)。一問一答7問 → 四肢択一4問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:単一ダクト方式は、空調機で処理した空気を1系統の給気ダクトで各室に送る全空気方式であり、定風量方式と変風量方式に分けられる。
解答を見る
正解:○
単一ダクト方式は、空調機で温度・湿度を調整した空気を熱の運び手とする全空気方式で、1系統の給気ダクトから冷風または温風のどちらか一方を各室へ送ります。送風量を一定にする定風量方式(CAV)と、送風量を変える変風量方式(VAV)があります(空調設備に関する大学の公開教材による一般的な工学知識)。
重要度:A 難易度:★★☆
問2:変風量単一ダクト方式(VAV方式)は、各室への送風量を一定に保ったまま、送風温度を変えることで室ごとの負荷の変動に対応する方式である。
解答を見る
正解:×
記述は定風量単一ダクト方式(CAV方式)の説明です。変風量単一ダクト方式は、送風温度をほぼ一定に保ち、各室・各ゾーンへの送風量を負荷に応じて変えることで室温を調整します(空調設備に関する大学の公開教材・公的機関の技術資料による一般的な工学知識)。
重要度:A 難易度:★★☆
問3:ファンコイルユニット方式は、各室に設置したユニットに冷凍機などの熱源を内蔵し、ユニットごとに冷水・温水をつくって冷暖房を行う方式である。
解答を見る
正解:×
ファンコイルユニットは、外部から配管を通じて冷水・温水の供給を受けて冷暖房を行う機器で、ユニット自体は熱源部をもちません(JIS A 4008の定義、建築研究所の公開資料による)。冷温水は機械室の冷凍機・ボイラー等の熱源機器でつくり、配管で各ユニットへ送ります(国土技術政策総合研究所・建築研究所「ZEB実現のための公共建築物の設計ガイドライン」)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問4:ビル用マルチ方式は、1台の室外機に複数の室内機を冷媒配管で接続する空調方式であり、室内機ごとに運転・停止などの個別制御を行いやすい。
解答を見る
正解:○
ビル用マルチ方式は、室外機1台に複数の室内機を冷媒配管で接続するヒートポンプ式の個別分散空調方式で、部屋(室内機)ごとの個別運転・個別制御に適しています(国土技術政策総合研究所・建築研究所「ZEB実現のための公共建築物の設計ガイドライン」、NEDO資料、米国GSA資料などによる一般的な工学知識)。
重要度:A 難易度:★★☆
問5:二重ダクト方式は、給気ダクトと還気ダクトの2本のダクトを用いて、室内の空気を循環させる方式である。
解答を見る
正解:×
二重ダクト方式の「2系統のダクト」は、冷風用と温風用の2系統の給気ダクトです。冷風と温風を別々に送り、室(ゾーン)ごとの混合ユニットで温度調節器の信号に応じた割合で混合して吹き出します。還気ダクトは単一ダクト方式にもあり、二重ダクト方式の特徴ではありません(空調設備に関する大学の公開資料による一般的な工学知識)。
重要度:A 難易度:★★☆
問6:全熱交換器は、換気の排気と給気の間で顕熱だけを交換する装置であり、潜熱(湿気)は交換しない。
解答を見る
正解:×
全熱交換器は、排気(室内空気)と給気(外気)の間で顕熱(温度)と潜熱(湿度)の両方を交換して熱を回収し、換気に伴う外気負荷を減らす装置です。顕熱だけを交換するものは顕熱交換器といいます(中小企業基盤整備機構J-Net21、大阪府の技術資料などによる一般的な工学知識)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問7:開放式冷却塔は、冷凍機の冷却水を外気と直接接触させて冷却し、冷凍機で生じた熱を大気へ放出する。
解答を見る
正解:○
冷却水は冷凍機などの熱源機器と冷却塔の間を循環します。開放式冷却塔は冷却水を外気と直接接触させて温度を下げ、冷凍機で生じた熱を大気へ放出します(横浜市・名古屋市の公開資料、厚生労働省掲載のレジオネラ症防止指針による)。
四肢択一
重要度:A 難易度:★★☆
問8:空気調和方式に関する記述として、最も不適当なものはどれか。
- 定風量単一ダクト方式は、送風量を一定に保ち、送風温度を変えることで室内の負荷の変動に対応する。
- 変風量単一ダクト方式は、送風温度をほぼ一定に保ち、各室・各ゾーンの負荷に応じて送風量を変える。
- 二重ダクト方式は、冷風と温風を別々のダクトで送り、室ごとに設けた混合ユニットで混合して吹き出す。
- ビル用マルチ方式は、中央機械室の冷凍機でつくった冷水を、冷温水配管で各階の室内機に送る方式である。
【第8問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。ビル用マルチ方式は、室外機と複数の室内機を冷媒配管で接続し、冷媒で熱を運ぶ個別熱源方式です。中央機械室の熱源機器から冷温水を配管で送るのは、ファンコイルユニット方式などの中央熱源方式です(国土技術政策総合研究所・建築研究所「ZEB実現のための公共建築物の設計ガイドライン」)。
1:適当。定風量方式は送風量を一定にし、送風温度を変えて負荷に対応します(大学の公開教材による一般的な工学知識)。
2:適当。変風量方式は送風温度をほぼ一定にし、送風量を負荷に応じて変えます(大学の公開教材・大阪府の技術資料による一般的な工学知識)。
3:適当。二重ダクト方式は冷風・温風の2系統の給気ダクトで送り、混合ユニットで混合して吹き出します(大学の公開資料による一般的な工学知識)。
4:不適当。ビル用マルチ方式は室外機と室内機を冷媒配管で接続する個別熱源方式で、中央の冷凍機から冷温水を送る方式ではありません。
重要度:A 難易度:★★☆
問9:空気調和設備に関する記述として、最も適当なものはどれか。
- 空気熱源ヒートポンプは、切替弁により冷媒の流れる向きを変えることで、冷房運転と暖房運転を切り替える。
- 変風量単一ダクト方式では、室の負荷が小さくなって送風量を減らしても、送風機の動力は減らない。
- 空気の温度の変化に伴って出入りする熱を潜熱といい、水分(湿度)の変化に伴って出入りする熱を顕熱という。
- 開放式冷却塔は、冷却水を外気に直接触れさせず、管の中を流して間接的に冷却する。
【第9問:正解と解説】
正解:1
正解は1です。空気熱源ヒートポンプは、圧縮機付近の切替弁(四方弁)で冷媒の流れの向きを変え、冷房時は室内の熱を屋外へ、暖房時は屋外の熱を室内へ運びます(米国エネルギー省 Energy Saver、BCcampus公開教科書による一般的な工学知識)。
1:適当。切替弁で冷媒の流れの向きを変えて冷房・暖房を切り替えます(米国エネルギー省 Energy Saver、BCcampus公開教科書)。
2:不適当。送風量を減らすと送風機の動力(搬送エネルギー)を減らせることが、変風量方式の省エネルギー上の利点です。送風機をインバータで回転数制御すると効果が大きくなります(大阪府の技術資料、大学の公開教材)。
3:不適当。顕熱と潜熱が逆です。温度の変化に伴う熱が顕熱、水分(湿度)の変化に伴う熱が潜熱です(J-Net21、大阪府の技術資料など)。
4:不適当。開放式(開放型)冷却塔は、冷却水を直接外気にさらして放熱します(名古屋市の公開資料、厚生労働省掲載のレジオネラ症防止指針)。
重要度:A 難易度:★★☆
問10:空気調和設備に関する次の記述a〜dのうち、適当なものはいくつあるか。
a.全熱交換器は、換気の排気と取り入れる外気の間で顕熱と潜熱を交換し、換気に伴う外気負荷を減らす。
b.空気熱源ヒートポンプは、暖房時には屋外の空気の熱を室内へ運び、冷房時には室内の熱を屋外へ運ぶ。
c.ファンコイルユニットは、外部から配管を通じて冷水・温水の供給を受けて冷暖房を行う機器である。
d.単一ダクト方式は、冷風用と温風用の2系統の給気ダクトを各室まで設ける方式である。
- 1つ
- 2つ
- 3つ
- 4つ
【第10問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。a・b・cの3つが適当で、dが不適当です。冷風用と温風用の2系統の給気ダクトを設けるのは二重ダクト方式で、単一ダクト方式は1系統の給気ダクトで冷風または温風を送ります(大学の公開教材による一般的な工学知識)。
1:不正解。適当な記述はa・b・cの3つです。
2:不正解。適当な記述はa・b・cの3つです。
3:正解。a:全熱交換器は顕熱と潜熱を交換します(J-Net21、大阪府の技術資料)。b:米国エネルギー省 Energy Saver による熱の移動方向のとおりです。c:JIS A 4008の定義(建築研究所の公開資料)のとおりです。d:2系統の給気ダクトは二重ダクト方式の特徴で、不適当です。
4:不正解。dは二重ダクト方式の説明であり、単一ダクト方式の記述としては不適当です。
重要度:A 難易度:★★☆
問11:建築基準法施行令第112条に関する次の記述の(A)〜(C)に当てはまる語句の組合せとして、正しいものはどれか。
「換気、暖房又は冷房の設備の風道が準耐火構造の防火区画を貫通する場合(国土交通大臣が防火上支障がないと認めて指定する場合、及び法第2条第9号の2ロに規定する防火設備によって区画すべき防火区画を貫通する場合を除く。)においては、当該風道の防火区画を貫通する部分又はこれに近接する部分に、(A)を設けなければならない。(A)は、火災により煙が発生した場合又は火災により温度が急激に上昇した場合に(B)するものであり、かつ、閉鎖した場合に防火上支障のない(C)を有するものとする。」
- (A)特定防火設備 (B)自動的に閉鎖 (C)遮熱性能
- (A)特定防火設備 (B)自動的に閉鎖 (C)遮煙性能
- (A)特定防火設備 (B)警報を発報 (C)遮煙性能
- (A)法第2条第9号の2ロに規定する防火設備 (B)自動的に閉鎖 (C)遮煙性能
【第11問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。風道が準耐火構造の防火区画を貫通する場合は、国土交通大臣の指定による除外等を除き、貫通する部分又はこれに近接する部分に特定防火設備を設けます。この設備は、煙の発生又は温度の急激な上昇により自動的に閉鎖し、閉鎖した場合に防火上支障のない遮煙性能を有するものでなければなりません(建築基準法施行令第112条第21項)。
1:誤り。(C)は遮熱性能ではなく遮煙性能です(令第112条第21項第2号)。
2:正しい。令第112条第21項本文・第1号・第2号のとおりです。
3:誤り。(B)は警報の発報ではなく、自動的に閉鎖することが要件です(令第112条第21項第1号)。
4:誤り。法第2条第9号の2ロの防火設備を設けるのは、その防火設備で区画すべき防火区画を貫通する場合です。問題文ではその場合を除いているため、(A)は特定防火設備です(令第112条第21項本文)。
「設備・契約等」の他の論点