直接原価計算(P/L・固定費調整) 一問一答 第1問〜第5問

問1 直接原価計算における製品原価の範囲

問題文
直接原価計算において、製品原価に含める原価の範囲として正しいものを選びなさい。

  • A. 変動製造原価と固定製造原価の両方
  • B. 変動製造原価のみ
  • C. 変動製造原価と変動販売費
  • D. 固定製造原価のみ
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正答: B

解説
直接原価計算では、製造原価のうち変動製造原価だけを製品原価とし、固定製造原価は発生した期の期間費用として処理します。したがって、製品1個あたりの原価は単位当たり変動製造原価だけで構成され、期末製品在庫の金額にも固定製造原価は含まれません。

  • Aが誤りである理由: 変動製造原価と固定製造原価の両方を製品原価に含めるのは全部原価計算の考え方です。直接原価計算では固定製造原価を製品原価に含めません。
  • Cが誤りである理由: 変動販売費は変動費ですが製造原価ではなく、製品原価には含めません。損益計算書では貢献利益の前で控除する期間費用として扱います。
  • Dが誤りである理由: 固定製造原価は直接原価計算において製品原価から除かれる原価であり、製品原価となるのは変動製造原価の側です。

問2 貢献利益の計算式

問題文
直接原価計算方式の損益計算書における貢献利益の計算式として正しいものを選びなさい。

  • A. 貢献利益=売上高-固定製造原価-固定販売費及び一般管理費
  • B. 貢献利益=売上高-変動売上原価
  • C. 貢献利益=売上高-変動売上原価-固定製造原価
  • D. 貢献利益=売上高-変動売上原価-変動販売費
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正答: D

解説
貢献利益は、売上高から変動費(変動売上原価と変動販売費)を控除して求めます。貢献利益から固定費(固定製造原価と固定販売費及び一般管理費)を控除すると営業利益になります。

  • Aが誤りである理由: 売上高から固定費を控除しても貢献利益にはなりません。固定費は貢献利益の後で控除する項目です。
  • Bが誤りである理由: 変動売上原価だけを控除した段階では、変動販売費がまだ控除されていません。貢献利益は変動販売費も控除した後の金額です。
  • Cが誤りである理由: 固定製造原価は固定費であり、貢献利益の計算には含めません。固定製造原価を控除するのは貢献利益を求めた後です。

問3 固定製造原価の処理

問題文
直接原価計算における当期発生の固定製造原価の処理として正しいものを選びなさい。

  • A. 発生額の全額を当期の期間費用として、貢献利益の後で控除する
  • B. 当期生産量で割った配賦率により製品に配賦し、期末在庫分は次期へ繰り越す
  • C. 当期販売量に対応する部分だけを費用とし、残りは製品原価として繰り越す
  • D. 変動売上原価に加えて、貢献利益の前で控除する
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正答: A

解説
直接原価計算では、固定製造原価を製品原価に含めず、当期に発生した額をそのまま当期の費用とします。損益計算書では、貢献利益から固定製造原価と固定販売費及び一般管理費を控除して営業利益を求めます。

  • Bが誤りである理由: 固定製造原価を配賦率によって製品に配賦し、期末在庫分を繰り越すのは全部原価計算の処理です。直接原価計算では固定製造原価を在庫に配賦しません。
  • Cが誤りである理由: 販売量に対応する部分だけを費用にすると、残りが製品原価として繰り越されることになり、固定製造原価を製品原価に含める全部原価計算と同じ結果になります。
  • Dが誤りである理由: 固定製造原価は固定費であり、変動費の区分に含めて貢献利益の前で控除することはしません。貢献利益の後で控除します。

問4 変動販売費の表示位置

問題文
直接原価計算方式の損益計算書における変動販売費の表示位置として正しいものを選びなさい。

  • A. 固定販売費及び一般管理費と合算し、貢献利益の後で控除する
  • B. 変動売上原価に含めて一括で表示する
  • C. 変動売上原価の次に表示し、貢献利益の前で控除する
  • D. 営業利益の後に固定費調整と並べて表示する
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正答: C

解説
直接原価計算方式の損益計算書では、売上高から変動売上原価を控除し、続いて変動販売費を控除して貢献利益を求めます。変動販売費は「販売費」という名称であっても変動費であるため、貢献利益の前に置きます。固定販売費及び一般管理費は固定費であるため、貢献利益の後に置きます。

  • Aが誤りである理由: 固定販売費及び一般管理費と合算して貢献利益の後に置くと、変動費が貢献利益の計算から外れ、貢献利益が過大に表示されます。変動費と固定費は表示区分を分けます。
  • Bが誤りである理由: 変動販売費は製造原価ではないため、変動売上原価とは別の行として表示します。合算すると変動売上原価の金額が製造原価の範囲を超えてしまいます。
  • Dが誤りである理由: 営業利益の後に置かれるのは固定費調整の項目であり、変動販売費は営業利益を求める前に控除する費用です。

問5 在庫が増加した期の営業利益の関係

問題文
ある期において、期末製品在庫に含まれる固定製造原価が期首製品在庫に含まれる固定製造原価を上回った。その他の条件が同じであるとき、この期の営業利益の関係として正しいものを選びなさい。

  • A. 直接原価計算の営業利益のほうが全部原価計算の営業利益より大きい
  • B. 全部原価計算の営業利益のほうが直接原価計算の営業利益より大きい
  • C. 両方式の営業利益は一致する
  • D. どちらが大きいかは販売単価の水準によって決まる
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正答: B

解説
固定費調整の式は「全部原価計算の営業利益=直接原価計算の営業利益+期末在庫に含まれる固定製造原価-期首在庫に含まれる固定製造原価」です。期末在庫分が期首在庫分を上回れば、加算額が減算額を超えるため、全部原価計算の営業利益のほうが大きくなります。全部原価計算では、期末在庫に含まれる固定製造原価が売上原価から除かれて次期へ繰り越されるのに対し、直接原価計算では当期発生額の全額が当期の費用となるためです。

  • Aが誤りである理由: 大小関係が逆です。直接原価計算のほうが大きくなるのは、期首在庫に含まれる固定製造原価が期末在庫分を上回る場合です。
  • Cが誤りである理由: 両方式の営業利益が一致するのは、期首と期末の在庫に含まれる固定製造原価が等しい場合です。問題文では期末分が期首分を上回っており、一致しません。
  • Dが誤りである理由: 販売単価は両方式で同じ売上高を構成するため、両方式の営業利益の差には影響しません。差を決めるのは期首・期末在庫に含まれる固定製造原価の額です。

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