経費(分類・計算) 計算問題 第1問〜第3問

問1

次の資料にもとづき、当月の消費額を求めなさい。

必要資料

工場の賃借料は支払経費として処理しており、未払額がある。

  • 当月支払額:360,000円
  • 前月末未払額:40,000円
  • 当月末未払額:50,000円
解答を見る

解答・解説

正答

  • 当月消費額:370,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 当月支払額 所与 360,000
2 前月末未払額の控除 -40,000 320,000
3 当月末未払額の加算 +50,000 370,000

当月消費額 = 当月支払額 - 前月末未払額 + 当月末未払額

解説

前月末に未払だった40,000円は前月に使った分なので、当月の消費から差し引きます。当月末に未払の50,000円は当月に使った分なのでまだ支払っていなくても当月の消費に加えます。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
未払残高の増減 50,000-40,000 +10,000
消費額と支払額の差 370,000-360,000 +10,000(一致)

未払が10,000円増えた分だけ、消費額が支払額を上回っています。

この検証の限界:この確認は符号を逆にした場合でも形が整います。前月末未払を加え当月末未払を引くと350,000円となり、支払額との差は-10,000円で、残高の増減の符号を逆に読めば一致してしまいます。また前払と未払を取り違えていても計算は成立します。資料の記述が前払か未払かを確かめる必要があります。


問2

次の資料にもとづき、(1)保険料、(2)電力料、(3)修繕費の当月消費額と、(4)これらの合計額を求めなさい。なお、いずれも工場に関するもので間接経費として処理する。

必要資料

  • 工場の保険料:年額600,000円(月割経費)
  • 工場の電力料:当月使用量8,000kWh、単価25円/kWh(測定経費)
  • 工場の修繕費:当月発生額180,000円(発生経費)
解答を見る

解答・解説

正答

  • (1) 保険料:50,000円
  • (2) 電力料:200,000円
  • (3) 修繕費:180,000円
  • (4) 間接経費の合計:430,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 保険料(月割) 600,000÷12 50,000
2 電力料(測定) 8,000kWh×25円 200,000
3 修繕費(発生) 当月発生額 180,000
4 合計 50,000+200,000+180,000 430,000

解説

3つの費目は計算方法がそれぞれ異なります。年額を各月へ配分する保険料は月割、使用量を計器で測れる電力料は測定、その月に発生した額で把握する修繕費は発生経費です。

計算方法は異なりますが、いずれも工場に関する間接経費なので集計先は同じ製造間接費です。

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
月割額の12か月分 50,000×12 600,000(年額に一致)
測定量×単価 8,000×25 200,000(一致)
内訳の合計 50,000+200,000+180,000 430,000(一致)

この検証の限界:内訳の合計が一致することは、計算方法を取り違えていても成立します。ある費目の金額を誤って求めても、その金額を合計に用いれば合計としては整合します。費目ごとにどの計算方法によるのかを、資料の記述に戻って確かめる必要があります。

また月割額×12=年額の確認は、割る月数を誤った場合には成立しませんが、年額そのものを取り違えていれば検出できません。


問3

次の資料にもとづき、(1)〜(4)の当月消費額、(5)直接経費の合計、(6)間接経費の合計、(7)経費の総額を求めなさい。

必要資料

  • 工場の賃借料(支払経費、前払あり):当月支払額1,200,000円、前月末前払額100,000円、当月末前払額160,000円
  • 工場の保険料(月割経費):年額720,000円
  • 工場の電力料(測定経費):当月使用量9,000kWh、単価28円/kWh
  • 外注加工賃(発生経費):当月発生額400,000円

なお、外注加工賃は特定の製品の加工を外部へ依頼したものであり、その他は工場全体に関するものである。

解答を見る

解答・解説

正答

  • (1) 賃借料:1,140,000円
  • (2) 保険料:60,000円
  • (3) 電力料:252,000円
  • (4) 外注加工賃:400,000円
  • (5) 直接経費の合計:400,000円
  • (6) 間接経費の合計:1,452,000円
  • (7) 経費の総額:1,852,000円

計算過程

順 項目 計算 金額
1 賃借料(支払・前払調整) 1,200,000+100,000-160,000 1,140,000
2 保険料(月割) 720,000÷12 60,000
3 電力料(測定) 9,000kWh×28円 252,000
4 外注加工賃(発生) 当月発生額 400,000
5 直接経費 外注加工賃のみ 400,000
6 間接経費 1,140,000+60,000+252,000 1,452,000
7 総額 400,000+1,452,000 1,852,000

解説

判断根拠

3段階で判断します。

第1に、費目ごとに計算方法を確かめて当月消費額を求めます。資料に「支払経費」「月割経費」「測定経費」「発生経費」と示されているので、それぞれの式を当てはめます。賃借料は前払があるので 支払額+前月末前払-当月末前払 です。前払は「先に払った分」なので、前月末の分は当月に使われ、当月末の分は翌月以降に使われます。

第2に、直接経費と間接経費に振り分けます。外注加工賃は特定の製品の加工を依頼したものなので直接経費、その他は工場全体に関するものなので間接経費です。計算方法が何であるかは、この振り分けに影響しません。 外注加工賃は発生経費ですが、工場の修繕費のような他の発生経費が間接経費になることもあります。

第3に、合計を求めます。直接経費400,000円と間接経費1,452,000円を足して総額1,852,000円です。

検証

Validation(検証)

検証項目 計算 結果
月割額の12か月分 60,000×12 720,000(年額に一致)
測定量×単価 9,000×28 252,000(一致)
前払残高の増減 160,000-100,000 +60,000
支払額と消費額の差 1,200,000-1,140,000 +60,000(一致)
直接+間接 400,000+1,452,000 1,852,000(総額に一致)
4費目の単純合計 1,140,000+60,000+252,000+400,000 1,852,000(一致)

前払が60,000円増えた分だけ、支払額が消費額を上回っています。

この検証の限界:直接経費と間接経費の合計が総額に一致することは、振り分けを取り違えていても成立します。仮に外注加工賃を間接経費としても、直接0円・間接1,852,000円となり合計は同じ1,852,000円です。費目ごとに集計先を一つずつ確かめる必要があります。

また4費目の単純合計との一致も、各費目の金額が正しいことを前提にしています。計算方法を取り違えて求めた金額でも、それを両方の経路で使えば一致します。

前払の期間調整についても、符号を逆にした場合に形が整います。前月末前払を引き当月末前払を足すと1,260,000円となり、支払額との差は-60,000円で、残高の増減の符号を逆に読めば一致してしまいます。前払と未払のどちらであるか、どちらの残高が当月の消費に対応するのかを、資料の記述に戻って確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは、前払の調整符号を逆にすることです。前払は「先に払った分」なので、前月末の分を加え当月末の分を引きます。ふたつめは、外注加工賃を発生経費であることを理由に間接経費としてしまうことです。計算方法と集計先は別の軸です。三つめは、年額720,000円をそのまま当月分としてしまうことです。月割経費は12で割ります。


タイトルとURLをコピーしました