材料費②(消費額の計算・予定消費価格・棚卸減耗) 仕訳問題 第6問〜第8問

問6

当社は材料について継続記録法を採用している。期末の帳簿数量は760kg、実地棚卸による実地数量は735kgであった。適用単価は320円/kgであり、この減耗は正常な範囲のものである。

棚卸減耗を認識する仕訳を示しなさい。

使用可能勘定科目

材料/材料消費価格差異/棚卸減耗費

解答を見る

解答・解説

計算過程

順 項目 計算 金額
1 棚卸減耗数量 760kg-735kg 25kg
2 棚卸減耗費 320円×25kg 8,000

正答仕訳

借方 金額 貸方 金額
棚卸減耗費 8,000 材料 8,000

解説

減耗数量を先に求めてから単価を掛けます。数量の差は760-735=25kgで、これに320円を掛けて8,000円です。

正常な範囲の減耗なので、間接費として製造原価に算入されます。

貸借の確認:借方8,000円=貸方8,000円。
数量の確認:帳簿760kg=実地735kg+減耗25kg。
金額の確認:帳簿有高760×320=243,200円=実地有高735×320=235,200円+減耗8,000円。


問7

当社は材料について継続記録法を採用し、払出しを予定価格で記帳している。当期の資料は次のとおりである。

  • 予定価格:150円/kg、実際価格:147円/kg、実際消費量:4,000kg
  • 期末の帳簿数量:600kg、実地数量:580kg、適用単価:147円/kg
  • 棚卸減耗は正常な範囲のものである
  • 予定価格による払出しはすでに記帳されている

次の(1)(2)の仕訳をそれぞれ示しなさい。

(1) 材料消費価格差異の計上
(2) 棚卸減耗の認識

使用可能勘定科目

材料/材料消費価格差異/棚卸減耗費

解答を見る

解答・解説

計算過程

順 項目 計算 金額
1 材料消費価格差異 (150-147)×4,000kg +12,000
2 有利・不利の判定 正なので有利差異 有利差異12,000円
3 棚卸減耗数量 600kg-580kg 20kg
4 棚卸減耗費 147円×20kg 2,940

正答仕訳

(1) 材料消費価格差異の計上

借方 金額 貸方 金額
材料 12,000 材料消費価格差異 12,000

(2) 棚卸減耗の認識

借方 金額 貸方 金額
棚卸減耗費 2,940 材料 2,940

解説

2つは別の出来事なので、仕訳も別々に作ります。

(1) は単価の違いから生じる差です。予定価格と実際価格の差3円に実際消費量4,000kgを掛けます。

(2) は数量の違いから生じる差です。帳簿数量と実地数量の差20kgに適用単価147円を掛けます。

実際消費量4,000kgに減耗数量20kgを加えてはいけません。 消費した分と減った分は別のものです。加えると二重に数えることになります。

貸借の確認:(1) 借方12,000円=貸方12,000円、(2) 借方2,940円=貸方2,940円。
符号と記入側の一致:正(+12,000)→ 有利差異 → 材料消費価格差異は貸方。
数量の確認:帳簿600kg=実地580kg+減耗20kg。


問8

当社は材料について継続記録法を採用し、払出しを予定価格で記帳している。当期の資料は次のとおりである。

  • 予定価格:205円/kg、実際価格:212円/kg、実際消費量:3,200kg
  • 期末の帳簿数量:450kg、実地数量:438kg、適用単価:212円/kg
  • 棚卸減耗は正常な範囲のものである
  • 予定価格による払出しはすでに記帳されている

次の(1)(2)の仕訳をそれぞれ示しなさい。

(1) 材料消費価格差異の計上
(2) 棚卸減耗の認識

使用可能勘定科目

材料/材料消費価格差異/棚卸減耗費

解答を見る

解答・解説

計算過程

順 項目 計算 金額
1 単価の差 205-212 -7
2 材料消費価格差異 -7円×3,200kg -22,400
3 有利・不利の判定 負なので不利差異 不利差異22,400円
4 棚卸減耗数量 450kg-438kg 12kg
5 棚卸減耗費 212円×12kg 2,544

正答仕訳

(1) 材料消費価格差異の計上

借方 金額 貸方 金額
材料消費価格差異 22,400 材料 22,400

(2) 棚卸減耗の認識

借方 金額 貸方 金額
棚卸減耗費 2,544 材料 2,544

解説

判断根拠

3段階で判断します。

第1に、2つの差の性質を切り分けます。材料消費価格差異は単価の違いから生じ、棚卸減耗費は数量の違いから生じます。同じ材料勘定を減らす処理であっても原因が異なるため、別々の仕訳にします。この切り分けを誤ると、減耗数量を実際消費量に含めてしまいます。

第2に、差異の式の向きを固定します。予定価格 - 実際価格 です。205-212=-7円で負、これに実際消費量3,200kgを掛けて-22,400円です。掛けるのは実際消費量であって、減耗数量を加えた3,212kgではありません。

第3に、符号から記入側を決めます。負は不利差異であり、材料消費価格差異勘定には借方に記入します。本問の棚卸減耗認識仕訳では、棚卸減耗費を借方に記入します。

検証

検証項目 計算 結果
(1)の貸借 22,400=22,400 一致
(2)の貸借 2,544=2,544 一致
単価の差 205-212 -7(負)
符号と有利・不利 負 → 不利差異 一致
有利・不利と記入側 不利差異 → 材料消費価格差異は借方 一致
数量の確認 帳簿450kg=実地438kg+減耗12kg 一致
金額の確認 帳簿450×212=95,400=実地438×212=92,856+2,544 一致
実際消費量と減耗数量の分離 3,200kgに12kgを含めていない 確認

貸借の確認:(1) 借方22,400円=貸方22,400円、(2) 借方2,544円=貸方2,544円。

この検証の限界:上の検証は実際価格212円と実際消費量3,200kgが正しく与えられていることを前提にしています。実際価格は受払記録から計算するものであり、単価の計算方法(先入先出法か平均法か)を取り違えれば別の金額になります。そこから求めた差異も、符号判定と記入側の対応としては形が整ってしまいます。

また数量の照合(帳簿=実地+減耗)も、減耗数量を実際消費量に含めてしまった場合には成立します。含めた分だけ帳簿数量が減るためです。払出しの記録と実地棚卸の数量を、それぞれどこから取ったのかを問題文に戻って確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは、実際消費量に減耗数量12kgを加えて3,212kgとして差異を計算することです。単価の差と数量の差は別々に扱います。ふたつめは、差異の式を「実際価格-予定価格」と逆にして符号を取り違え、有利差異としてしまうことです。三つめは、(1)と(2)を1つの仕訳にまとめてしまうことです。原因が異なるため別々に記帳します。


タイトルとURLをコピーしました