勘定体系・勘定連絡と製品の受払い 一問一答 第6問〜第8問

問6

製品が販売されたときの、原価の側の勘定関係として正しいものを1つ選びなさい。

A. 借方 製品/貸方 売上原価
B. 借方 仕掛品/貸方 製品
C. 借方 売上原価/貸方 仕掛品
D. 借方 売上原価/貸方 製品

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解答・解説

正答: D

正答理由:販売によって、原価は製品勘定から売上原価勘定へ移ります。売上原価勘定は受け入れる側なので借方、製品勘定は払い出す側なので貸方です。

誤答理由

  • A:借方と貸方が逆です。この向きでは売上原価から製品へ戻すことになり、販売という出来事と合いません。
  • B:仕掛品勘定へ戻す形になっています。販売された製品が製造途中の状態に戻ることはありません。
  • C:貸方を仕掛品としており、製品勘定を経由していません。販売されるのは完成した製品なので、払い出すのは製品勘定です。

問7

製品の受入れと払出しについて、数量と金額を継続して記録する目的として正しいものを1つ選びなさい。

A. 種類ごとの在庫をいつでも把握し、帳簿上の数量と実際の数量を突き合わせて差の原因を調べられるようにするため
B. 総勘定元帳の製品勘定を作成しなくてもよいようにするため
C. 製造途中にある製品の原価を集計するため
D. 販売代金の回収状況を管理するため

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解答・解説

正答: A

正答理由:総勘定元帳の製品勘定は金額の合計だけを示すため、どの種類の製品がいくつ残っているのかは分かりません。受入れと払出しを数量と金額の両面で継続して記録しておけば、種類ごとの在庫をいつでも把握でき、帳簿上の数量と実際に数えた数量を突き合わせて差があれば原因を調べられます。販売した分の原価をそのつど把握することにも役立ちます。

誤答理由

  • B:継続的な記録は製品勘定を補うものであって、置き換えるものではありません。総勘定元帳の製品勘定は引き続き必要です。
  • C:製造途中にある製品の原価を集計するのは仕掛品勘定の役割です。ここで記録するのは完成した製品の受入れと払出しです。
  • D:代金の回収状況は債権の側で管理するものです。ここで記録するのは製品の数量と原価であり、代金の回収とは別の管理です。

問8

ある製造会社について、当期の状況は次のとおりであった。

  • 期首と期末のいずれにも、未完成品と未販売の製品がある
  • 期末の未完成品の原価は、期首の未完成品の原価より少ない
  • 期末の未販売製品の原価は、期首の未販売製品の原価より多い

このとき、当期に投入した原価・当期に完成した製品の原価・当期の売上原価の大小関係として正しいものを1つ選びなさい。

A. 当期投入額 = 当期完成品原価 = 当期売上原価
B. 当期投入額 > 当期完成品原価 > 当期売上原価
C. 当期投入額 < 当期完成品原価 かつ 当期完成品原価 > 当期売上原価
D. 当期投入額 > 当期完成品原価 かつ 当期完成品原価 < 当期売上原価

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解答・解説

正答: C

正答理由:2つの勘定を別々に見ます。

仕掛品勘定:完成品原価 = 期首仕掛品 + 当期投入額 - 期末仕掛品
期末の未完成品が期首より少ないので、期首仕掛品 - 期末仕掛品 は正の値です。したがって 完成品原価 > 当期投入額 となります。

製品勘定:売上原価 = 期首製品 + 完成品原価 - 期末製品
期末の未販売製品が期首より多いので、期首製品 - 期末製品 は負の値です。したがって 売上原価 < 完成品原価 となります。

まとめると 当期投入額 < 完成品原価 かつ 完成品原価 > 売上原価 です。

誤答理由

  • A:3つがすべて等しくなるのは、期首と期末の未完成品が同額で、かつ期首と期末の未販売製品も同額の場合だけです。与件はどちらも増減があるとしています。
  • B:当期投入額が完成品原価より多いとしていますが、期末の未完成品が期首より少ない以上、完成品原価のほうが多くなります。不等号の向きが逆です。
  • D:当期投入額と完成品原価の関係が逆であり、また完成品原価が売上原価より少ないとしていますが、期末の未販売製品が期首より多い以上、売上原価のほうが少なくなります。両方とも向きが逆です。

判断根拠

この設問の要点は、2つの勘定を切り離して考えることです。仕掛品勘定と製品勘定はつながっていますが、それぞれの増減は別々の要因で決まります。

第1に、仕掛品勘定だけを見ます。この勘定では「期首+当期投入=完成品原価への振替+期末借方残高」です。この関係から、完成品原価-当期投入額=期首仕掛品-期末仕掛品 が成り立ちます。期末が期首より少なければ右辺は正なので、完成品原価のほうが多くなります。未完成品が減った分だけ、完成へ回った原価が投入額を上回ったということです。

第2に、製品勘定だけを見ます。同じように 完成品原価 - 売上原価 = 期末製品 - 期首製品 が成り立ちます。期末が期首より多ければ右辺は正なので、完成品原価のほうが多くなります。売れ残りが増えた分だけ、完成した原価のうち売上原価にならなかった部分があるということです。

第3に、2つの結論を並べます。片方の勘定の結論からもう片方を導くことはできません。仕掛品が減ったことは製品の増減について何も語らないためです。

検証

検証項目 確認
仕掛品勘定の原価配分関係 期首+当期投入 = 完成品原価への振替+期末借方残高
製品勘定の原価配分関係 期首+完成品原価 = 売上原価への振替+期末借方残高
仕掛品の増減と大小関係 期末<期首 → 完成品原価>当期投入額
製品の増減と大小関係 期末>期首 → 売上原価<完成品原価
2つの結論の独立性 一方の増減から他方の増減は決まらない

この検証の限界:上の原価配分関係そのものは、どちらの勘定でも同じ形をしています。そのため仕掛品と製品を取り違えても式は成り立ってしまいます。「期末が期首より少ない」という条件がどちらの勘定のものかを取り違えると、結論の向きが入れ替わります。与件のどの記述がどの勘定についてのものかを、問題文に戻って確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは、当期に投入した原価がそのまま完成品原価になると考えてしまうことです(選択肢A)。期首と期末の未完成品を調整しなければ完成品原価は求まりません。ふたつめは、完成品原価がそのまま売上原価になると考えてしまうことです。期首と期末の未販売製品の調整が必要です。三つめは、片方の勘定の増減からもう片方の増減まで決めてしまうことです(選択肢B・D)。2つの勘定の増減は別々に判断します。


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