問1
連結会社間の債権債務の相殺消去について、正しいものを選びなさい。
A. 連結会社間の債権債務のうち、売掛金と買掛金だけを相殺する
B. 連結会社間の受取手形と支払手形は、企業集団の外部との取引と同じ扱いなので相殺しない
C. 連結会社間の売掛金と買掛金に加え、受取手形と支払手形も相殺の対象になる
D. 連結会社間の債権債務は相殺せず、貸倒引当金だけを修正する
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解答・解説
正答: C
正答理由:連結会社間の債権債務は、企業集団の内部で貸し借りが対応しているだけであり、外部に対する債権債務ではありません。売掛金と買掛金だけでなく、受取手形と支払手形も同じ理由で相殺の対象になります。
誤答理由
- A:売掛金と買掛金に限る理由はありません。手形も連結会社間で対応しているなら相殺します。
- B:手形も企業集団の内部で対応しているため、外部との取引とは扱いが異なります。相殺せずに残すと、連結貸借対照表に内部の債権債務が計上されてしまいます。
- D:債権債務を相殺しないまま貸倒引当金だけを修正することはありません。引当金の修正は、債権を相殺した結果として必要になるものです。
問2
P社はS社の発行済株式の80%を保有している。当期の連結会社間取引は次のとおりであった。
- P社からS社への売上高:800,000円
- 期末に未決済のP社売掛金/S社買掛金:300,000円
- 期末に未決済のP社受取手形/S社支払手形:200,000円
- これらの内部債権に対する貸倒引当金の設定率:2%
貸倒引当金の修正に関する連結修正仕訳として正しいものを選びなさい。
A. 借方 貸倒引当金10,000円/貸方 貸倒引当金繰入10,000円
B. 借方 貸倒引当金繰入10,000円/貸方 貸倒引当金10,000円
C. 借方 貸倒引当金6,000円/貸方 貸倒引当金繰入6,000円
D. 借方 貸倒引当金4,000円/貸方 貸倒引当金繰入4,000円
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解答・解説
正答: A
正答理由:相殺する内部債権は、売掛金300,000円と受取手形200,000円の合計500,000円です。これに設定率2%を掛けた500,000×2%=10,000円が、不要になる貸倒引当金です。借方に貸倒引当金、貸方に貸倒引当金繰入を計上して減額します。
誤答理由
- B:貸借が逆です。この向きは引当金を設定するときの仕訳であり、減額する場合は借方に貸倒引当金がきます。
- C:6,000円は売掛金300,000円だけに2%を掛けた金額です。受取手形200,000円も内部債権なので、合計500,000円に対して計算します。
- D:4,000円は受取手形200,000円だけに2%を掛けた金額です。売掛金300,000円も含めて計算します。
問3
P社はS社の発行済株式の80%を保有している。当期の連結会社間取引は次のとおりであった。
- S社からP社への売上高:600,000円
- 期末に未決済のS社売掛金/P社買掛金:200,000円
- この内部債権に対する貸倒引当金の設定率:3%
貸倒引当金の修正額と、その修正が非支配株主に与える影響額の組合せとして正しいものを選びなさい。
A. 修正額6,000円/非支配株主への影響額6,000円
B. 修正額6,000円/非支配株主への影響額1,200円
C. 修正額6,000円/非支配株主への影響額4,800円
D. 修正額6,000円/非支配株主への影響額0円
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解答・解説
正答: B
正答理由:貸倒引当金の修正額は、相殺する内部債権200,000円に設定率3%を掛けた6,000円です。この取引はS社からP社への販売であり、債権を持ち引当金を設定していたのはS社です。引当金を減らすとS社の利益が6,000円増え、その利益は連結上、親会社の株主と非支配株主に分かれます。非支配比率は100%-80%=20%ですから、非支配株主への影響額は6,000×20%=1,200円です。
誤答理由
- A:修正額の全額が非支配株主に帰属するとしています。S社の利益のうち非支配株主の取り分は20%分だけです。
- C:4,800円は6,000×80%であり、親会社の持分比率を掛けています。非支配株主に按分するのは非支配比率20%の分です。
- D:影響額を0円としています。0円になるのは親会社が債権を持っている場合です。本問はS社が債権を持っているため按分が生じます。
判断根拠:2段階で判断します。第1に修正額そのもので、これは相手が親会社か子会社かに関係なく「相殺する内部債権×設定率」です。第2に按分の要否で、これは引当金を設定していたのがどちらの会社かで決まります。本問はS社が売った側なので、債権も引当金もS社にあります。売上高600,000円ではなく期末の債権残高200,000円に率を掛ける点と、按分の判断は取引の向きで決まる点が、この設問の分かれ目です。
検証:修正額は200,000×3%=6,000円。按分額は6,000×20%=1,200円で、親会社株主の取り分6,000×80%=4,800円と合わせると1,200+4,800=6,000円となり、修正額の全体と一致します。この足し戻しの確認は、按分の計算そのものが正しいかを見るものです。 ただし20%と80%を入れ替えても合計は6,000円のままなので、この確認では取り違えを見つけられません。どちらが非支配株主の割合かを問題文で確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは、按分の要否を取引の方向ではなく金額の大小などで判断してしまうことです。判断材料は、債権と引当金がどちらの会社にあるかだけです。ふたつめは、非支配比率20%と持分比率80%を取り違えて4,800円としてしまうことです。三つめは、修正額を売上高600,000円に3%を掛けて求めてしまうことで、率を掛ける相手は期末に残っている内部債権200,000円です。