問1
2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんは10年で償却する。S社の決算日は3月31日である。
(1)支配獲得日ののれん、(2)1年分ののれん償却額を求めなさい。
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解答・解説
- (1) 支配獲得日ののれん:500,000円
- (2) 1年分ののれん償却額:50,000円
子会社資本:3,000,000+2,000,000=5,000,000円
親会社持分:5,000,000×80%=4,000,000円
のれん:4,500,000-4,000,000=500,000円
1年分の償却額:500,000÷10=50,000円
検証:償却の対象はのれん500,000円であり、取得原価4,500,000円でも親会社持分4,000,000円でもありません。支配獲得日が期首なので、第1年度から月割はせず、まる1年分を償却します。
問2
2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんは10年で償却する。S社の決算日は3月31日である。
第1年度(2027年4月1日〜2028年3月31日)のS社の当期純利益は600,000円、配当は200,000円であった。
(1)第1年度の非支配株主に帰属する当期純利益、(2)第1年度の配当による非支配株主持分の減額、(3)第1年度末の非支配株主持分を求めなさい。
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解答・解説
- (1) 非支配株主に帰属する当期純利益:120,000円
- (2) 配当による減額:40,000円
- (3) 第1年度末の非支配株主持分:1,080,000円
支配獲得日の非支配株主持分:5,000,000×20%=1,000,000円
(1) 600,000×20%=120,000円
(2) 200,000×20%=40,000円
(3) 1,000,000+120,000-40,000=1,080,000円
検証:非支配株主持分は、利益によって増え、配当によって減ります。増える要因だけを見て1,120,000円としないよう、両方を反映させます。掛ける比率はいずれも非支配比率20%です。
問3
2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんは10年で償却する。S社の決算日は3月31日である。
第1年度(2027年4月1日〜2028年3月31日)のS社の当期純利益は600,000円、配当は200,000円であった。
2028年4月1日の開始仕訳で用いる(1)利益剰余金当期首残高、(2)のれん、(3)非支配株主持分当期首残高を求めなさい。
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解答・解説
- (1) 利益剰余金当期首残高:2,130,000円
- (2) のれん:450,000円
- (3) 非支配株主持分当期首残高:1,080,000円
第1年度の修正は、のれん償却50,000円、利益按分120,000円、配当修正(受取配当金160,000円の消去・非支配株主持分40,000円の減額・繰越利益剰余金200,000円)の3つです。
(1) 2,000,000+50,000+120,000-40,000=2,130,000円
(2) 500,000-50,000=450,000円
(3) 1,000,000+120,000-40,000=1,080,000円
(1)の最後が引き算になるのは、配当修正が利益剰余金に与える正味の影響が、貸方200,000円と借方160,000円の差である40,000円の増加だからです。
検証:開始仕訳の借方合計は3,000,000+2,130,000+450,000=5,580,000円、貸方合計は4,500,000+1,080,000=5,580,000円で一致します。ただし貸借の一致だけでは、のれんと利益剰余金当期首残高から前年度償却額を同時に落とした誤りを見つけられません。のれんが500,000-50,000=450,000円になっていることを、償却額から直接確かめます。
問4
2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんは10年で償却する。S社の決算日は3月31日である。
第1年度(2027年4月1日〜2028年3月31日)のS社の当期純利益は600,000円、配当は200,000円であった。第2年度(2028年4月1日〜2029年3月31日)のS社の当期純利益は800,000円、配当は300,000円であった。
第2年度の連結修正をすべて行ったあとの(1)のれん、(2)非支配株主持分を求めなさい。
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解答・解説
- (1) 第2年度末ののれん:400,000円
- (2) 第2年度末の非支配株主持分:1,180,000円
第2年度の期首:のれん450,000円/非支配株主持分1,080,000円
第2年度の償却額:50,000円
第2年度の利益按分:800,000×20%=160,000円
第2年度の配当減額:300,000×20%=60,000円
(1) 450,000-50,000=400,000円
(2) 1,080,000+160,000-60,000=1,180,000円
検証:支配獲得日からたどっても同じ値になります。のれんは500,000-50,000-50,000=400,000円、非支配株主持分は1,000,000+120,000-40,000+160,000-60,000=1,180,000円です。当期の修正には第2年度の800,000円と300,000円を使い、第1年度の600,000円と200,000円は開始仕訳ですでに反映済みである点に注意します。
問5
2027年10月1日、P社はS社の発行済株式の75%を3,400,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金2,500,000円、繰越利益剰余金1,500,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんは10年で償却する。S社の決算日は3月31日である。
第1年度(2027年10月1日〜2028年3月31日)のS社の支配獲得後の当期純利益は400,000円、配当は80,000円であった。第2年度(2028年4月1日〜2029年3月31日)のS社の当期純利益は500,000円、配当は100,000円であった。
(1)第1年度ののれん償却額、(2)2028年4月1日の開始仕訳の貸借合計、(3)第2年度末ののれん、(4)第2年度末の非支配株主持分を求めなさい。
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解答・解説
- (1) 第1年度ののれん償却額:20,000円
- (2) 開始仕訳の貸借合計:4,480,000円
- (3) 第2年度末ののれん:340,000円
- (4) 第2年度末の非支配株主持分:1,180,000円
判断根拠
支配獲得日が期の途中であるため、第1年度の償却は支配獲得後の月数で月割します。順に組み立てます。
| 順 | 算定 | 計算 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 1 | 子会社資本の合計 | 2,500,000+1,500,000 | 4,000,000 |
| 2 | 親会社持分 | 4,000,000×75% | 3,000,000 |
| 3 | 支配獲得日の非支配株主持分 | 4,000,000×25% | 1,000,000 |
| 4 | 支配獲得日ののれん | 3,400,000-3,000,000 | 400,000 |
| 5 | 年間のれん償却額 | 400,000÷10 | 40,000 |
| 6 | 第1年度の償却額 | 40,000×6÷12 | 20,000 |
| 7 | 第1年度の利益按分 | 400,000×25% | 100,000 |
| 8 | 第1年度の配当減額 | 80,000×25% | 20,000 |
2027年10月1日から2028年3月31日までは6か月です。本問の第1年度は支配獲得後6か月分を月割し、第2年度(2028年4月1日〜2029年3月31日)は12か月分の40,000円を償却します。
開始仕訳に載る金額は次のとおりです。
| 科目 | 集計 | 金額 |
|---|---|---|
| 資本金当期首残高(借) | 2,500,000 | 2,500,000 |
| 利益剰余金当期首残高(借) | 1,500,000+20,000+100,000-20,000 | 1,600,000 |
| のれん(借) | 400,000-20,000 | 380,000 |
| 子会社株式(貸) | 3,400,000 | 3,400,000 |
| 非支配株主持分当期首残高(貸) | 1,000,000+100,000-20,000 | 1,080,000 |
第2年度の修正は、償却40,000円、利益按分500,000×25%=125,000円、配当減額100,000×25%=25,000円です。
(3) 380,000-40,000=340,000円
(4) 1,080,000+125,000-25,000=1,180,000円
検証
| 検証項目 | 計算 | 結果 |
|---|---|---|
| 開始仕訳 借方合計 | 2,500,000+1,600,000+380,000 | 4,480,000 |
| 開始仕訳 貸方合計 | 3,400,000+1,080,000 | 4,480,000 |
| 貸借の一致 | 4,480,000=4,480,000 | 一致 |
| のれんの通算 | 400,000-20,000-40,000 | 340,000 |
| 非支配株主持分の通算 | 1,000,000+100,000-20,000+125,000-25,000 | 1,180,000 |
期末の値は、期首からたどっても支配獲得日からたどっても同じになります。
この2つの経路の一致と貸借の一致では見つからない誤りが2つあります。 ひとつは月割の誤りです。第1年度の償却を年額40,000円としてしまうと、のれんは360,000円、利益剰余金当期首残高は1,620,000円となり、借方合計は4,480,000円のまま変わりません。もうひとつは持分比率と非支配比率の取り違えで、この場合は借方と貸方が同じ誤った金額になるため貸借は一致し、残高の追跡も誤った金額どうしで筋が通ります。支配獲得日から決算日までの月数と、25%が非支配株主の割合であることを、問題文に戻って確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは第1年度の償却に年額40,000円を使うことです。ふたつめは配当による非支配株主持分の減額20,000円を落とし、開始仕訳の非支配株主持分当期首残高を1,100,000円としてしまうことです。三つめは、第2年度も第1年度と同じ6/12を使って20,000円としてしまうことです。本問の第2年度は2028年4月1日から2029年3月31日までの12か月なので、年額40,000円を計上します。