剰余金の配当と処分(準備金積立額の算定・任意積立金)

学習のポイント

① 元手の箱と儲けの箱を分ける

配当や剰余金の処分では、資本取引から生じた剰余金と、利益から生じた剰余金を分けて考えます。

  • 繰越利益剰余金を原資に配当する場合 → 必要な準備金は利益準備金
  • その他資本剰余金を原資に配当する場合 → 必要な準備金は資本準備金

配当の原資は問題文で確認します。

② 準備金積立額

配当に伴う準備金積立額は、次の2つを比べて小さい方です。

配当金 × 1/10

資本金 × 1/4 −(資本準備金+利益準備金)

計算順序は次のとおりです。

  1. 資本金の4分の1を求める
  2. 現在の資本準備金と利益準備金を合計する
  3. 1から2を差し引き、不足額を求める
  4. 配当金の10分の1を求める
  5. 3と4の小さい方を積立額とする
  6. 配当原資に応じて利益準備金か資本準備金かを決める

③ 繰越利益剰余金を原資とする配当

たとえば、配当金1,000,000円、必要な利益準備金100,000円の場合は、

繰越利益剰余金1,100,000 / 未払配当金1,000,000・利益準備金100,000

とします。

配当金だけでなく、必要な準備金も繰越利益剰余金から処分します。

④ その他資本剰余金を原資とする配当

たとえば、配当金600,000円、必要な資本準備金60,000円の場合は、

その他資本剰余金660,000 / 未払配当金600,000・資本準備金60,000

とします。

配当原資が変わると、積み立てる準備金の種類も変わります。

⑤ 別途積立金

別途積立金は、利益剰余金の一部を任意に積み立てるときに使います。

積み立てるとき:

繰越利益剰余金 / 別途積立金

取り崩すとき:

別途積立金 / 繰越利益剰余金

積立と取崩しでは貸借が逆になります。

⑥ 検算

配当に伴う準備金は、

積立額 <= 配当金×1/10

かつ、

積立後の資本準備金+利益準備金 <= 資本金×1/4

を確認します。

仕訳では借方合計と貸方合計も確認します。

⑦ 扱わない計算

この単元では、会社が配当できる金額の上限そのものを求める計算や、税法にもとづく積立額の計算は扱いません。


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