有価証券の売買・端数利息と売買目的有価証券の評価 仕訳問題 第1問〜第5問

問1

青森商事株式会社は、売買目的で額面総額 ¥3,000,000 の社債を本体の代金 ¥2,940,000 で購入し、端数利息とあわせて普通預金口座から支払った。年利率は4%、前の利払日の翌日から売買日までの経過日数は90日、基準日数は360日である。この取引の仕訳を示しなさい。

使用可能勘定科目

売買目的有価証券/有価証券利息/有価証券評価損益/有価証券売却益/有価証券売却損/普通預金

解答を見る

解答・解説

正答

借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券 2,940,000 普通預金 2,970,000
有価証券利息 30,000

計算過程

①端数利息 = ¥3,000,000 × 4% × (90日 ÷ 360日)
          = ¥3,000,000 × 0.04 × 0.25 = ¥30,000
②支払総額 = 本体の代金 ¥2,940,000 + 端数利息 ¥30,000 = ¥2,970,000

検算

  • 借方 2,940,000 + 30,000 = 2,970,000 = 貸方 2,970,000 ✓
  • 帳簿価額 = ¥2,940,000(端数利息を含まない)✓

解説

買主は端数利息を売主へ支払うため、有価証券利息の借方に計上します。

端数利息 ¥30,000 は売買目的有価証券に含めません。 含めてしまうと帳簿価額が ¥2,970,000 となり、その後の売却損益や評価損益がすべて狂います。

端数利息は額面総額 ¥3,000,000 を基礎に計算します。本体の代金 ¥2,940,000 ではありません。経過日数90日と基準日数360日は問題文に示されています。


問2

青森商事株式会社は、帳簿価額 ¥1,500,000 の売買目的有価証券(株式)を ¥1,560,000 で売却し、代金は普通預金口座に振り込まれた。端数利息は生じない。 この取引の仕訳を示しなさい。

使用可能勘定科目

売買目的有価証券/有価証券利息/有価証券評価損益/有価証券売却益/有価証券売却損/普通預金

解答を見る

解答・解説

正答

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 1,560,000 売買目的有価証券 1,500,000
有価証券売却益 60,000

計算過程

売却益 = 売価 ¥1,560,000 - 帳簿価額 ¥1,500,000 = ¥60,000

検算

  • 借方 1,560,000 = 貸方 1,500,000 + 60,000 = 1,560,000 ✓

解説

株式には利息が付かないため、端数利息は生じません。売価と帳簿価額の差額がそのまま売却益になります。

貸方の売買目的有価証券は帳簿価額 ¥1,500,000 です。売価を貸方に書いてはいけません。売却により消滅するのは帳簿に計上されていた金額です。

差額がプラスであるため有価証券売却益(収益)を貸方に計上します。損益計算書では営業外収益に表示します。


問3

青森商事株式会社は、帳簿価額 ¥2,350,000 の社債(額面総額 ¥2,400,000)を本体の売価 ¥2,400,000 で売却し、端数利息とあわせて普通預金口座に振り込まれた。年利率は3%、前の利払日の翌日から売買日までの経過日数は45日、基準日数は360日である。この取引の仕訳を示しなさい。

使用可能勘定科目

売買目的有価証券/有価証券利息/有価証券評価損益/有価証券売却益/有価証券売却損/普通預金

解答を見る

解答・解説

正答

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 2,409,000 売買目的有価証券 2,350,000
有価証券利息 9,000
有価証券売却益 50,000

計算過程

①端数利息 = ¥2,400,000 × 3% × (45日 ÷ 360日)
          = ¥2,400,000 × 0.03 × 0.125 = ¥9,000
②売却益 = 本体の売価 ¥2,400,000 - 帳簿価額 ¥2,350,000 = ¥50,000
③受取総額 = ¥2,400,000 + ¥9,000 = ¥2,409,000

検算

  • 借方 2,409,000 = 貸方 2,350,000 + 9,000 + 50,000 = 2,409,000 ✓
  • 本体の売価 ¥2,400,000 = 帳簿価額 ¥2,350,000 + 売却益 ¥50,000 ✓

解説

売主は端数利息を受け取るため、有価証券利息の貸方に計上します。買主側とは方向が逆になります。

売却益は端数利息を除いた本体の売価だけで判定します。 受取総額 ¥2,409,000 と帳簿価額を比べると売却益が ¥59,000 となってしまい、利息の分だけ過大になります。

貸方が3行になる形に注意してください。帳簿価額・端数利息・売却益をそれぞれ分けて記帳します。


問4

青森商事株式会社は、帳簿価額 ¥1,900,000 の売買目的有価証券(株式)を ¥1,850,000 で売却し、代金は普通預金口座に振り込まれた。端数利息は生じない。 この取引の仕訳を示しなさい。

使用可能勘定科目

売買目的有価証券/有価証券利息/有価証券評価損益/有価証券売却益/有価証券売却損/普通預金

解答を見る

解答・解説

正答

借方科目 金額 貸方科目 金額
普通預金 1,850,000 売買目的有価証券 1,900,000
有価証券売却損 50,000

計算過程

売却損 = 売価 ¥1,850,000 - 帳簿価額 ¥1,900,000 = △¥50,000

検算

  • 借方 1,850,000 + 50,000 = 1,900,000 = 貸方 1,900,000 ✓

解説

売価が帳簿価額を下回るため、差額を有価証券売却損(費用)として借方に計上します。損益計算書では営業外費用に表示します。

売却益の場合と借方・貸方の構成が変わります。

場合 差額の位置
売価 > 帳簿価額 貸方に有価証券売却益
売価 < 帳簿価額 借方に有価証券売却損

貸方の売買目的有価証券は帳簿価額 ¥1,900,000 です。売却により帳簿から全額が消えます。


問5

青森商事株式会社は決算にあたり、帳簿価額 ¥2,000,000 の売買目的有価証券を期末時価 ¥2,080,000 で評価する。切放法によるものとする。この取引の仕訳を示しなさい。あわせて、翌期首に必要な処理があれば答えなさい。

使用可能勘定科目

売買目的有価証券/有価証券利息/有価証券評価損益/有価証券売却益/有価証券売却損/普通預金

解答を見る

解答・解説

正答

決算時

借方科目 金額 貸方科目 金額
売買目的有価証券 80,000 有価証券評価損益 80,000

翌期首:処理は不要

計算過程

評価損益 = 期末時価 ¥2,080,000 - 帳簿価額 ¥2,000,000 = +¥80,000(評価益)

検算

  • 借方 80,000 = 貸方 80,000 ✓
  • 評価後の帳簿価額 = ¥2,000,000 + ¥80,000 = ¥2,080,000 = 期末時価 ✓

解説

時価が帳簿価額を上回るため評価益です。売買目的有価証券を増額し、有価証券評価損益を貸方に計上します。

切放法であるため、翌期首に戻し入れる処理は行いません。 期末の時価 ¥2,080,000 がそのまま翌期の帳簿価額になります。

計上するのは差額 ¥80,000 です。時価の全額 ¥2,080,000 ではありません。


タイトルとURLをコピーしました