学習のポイント
① 何を学ぶか
他社の借入金などを保証した場合、保証した時点で自社がその借入金を借りたわけではありません。ただし、将来保証を履行する可能性があることを備忘記録として残します。
この単元では、
- 保証開始時の備忘記録
- 保証の原因がなくなったときの解消
- 実際に保証を履行したときの支払いと求償権
を仕訳できるようにします。
② 基本Rule
保証開始時
問題文で備忘記録額600,000円と示された場合:
保証債務見返600,000 / 保証債務600,000
保証債務見返と保証債務は、問題文で示された同じ金額を同時に計上します。
保証の原因が消滅したとき
主債務者が自分で返済し、保証する必要がなくなった場合は逆仕訳で解消します。
保証債務600,000 / 保証債務見返600,000
保証を履行したとき
保証人である当社が債権者へ800,000円を支払い、主債務者に対する同額の求償権を取得した場合は、
未収入金800,000 / 普通預金800,000
とし、同時に備忘記録を解消します。
保証債務800,000 / 保証債務見返800,000
③ 処理手順
- 保証を引き受けた段階か、原因消滅か、実際の保証履行かを確認する。
- 保証開始なら、問題文で示された備忘記録額を確認する。
- 保証開始では保証債務見返を借方、保証債務を貸方に同額計上する。
- 主債務者の返済などで保証が不要になったら逆仕訳で解消する。
- 保証を履行したら、実際の支払額と取得した求償権を記録する。
- そのうえで保証債務の対照勘定も逆仕訳で解消する。
④ 注意点
- 備忘記録額を自分で見積もりません。問題文で示された金額だけを使います。
- 保証しただけで、主債務者の借入金を自社の借入金として計上しません。
- 保証履行時の求償権は、主債務者に対して回収する権利です。この教材では未収入金として処理します。
- 保証確率や時価を計算する複雑な処理は扱いません。
- 2027年度の問題では紙手形の保証を前提にせず、借入金などの債務保証を扱います。
⑤ 試験での使われ方
この論点は第1問の仕訳形式につながります。
問題文から、
- 保証開始
- 原因消滅
- 保証履行
のどの段階かを読み分け、対照勘定を計上するのか、逆仕訳で解消するのかを判断します。
⑥ 年度注記
保証債務見返・保証債務による基本処理は2026年度・2027年度で共通です。この教材では両年度に共通して使えるよう、借入金などの債務保証を例にしています。