電験三種(第三種電気主任技術者)「機械」のうち、同期インピーダンス・短絡比と出力の問題です(大分類:同期機・重要度A)。一問一答7問 → 五肢択一7問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:同期発電機の短絡比は、無負荷で定格電圧を発生させるのに必要な界磁電流を、三相短絡で定格電流を流すのに必要な界磁電流で割った値である。
解答を見る
正解:○
短絡比Ks=If1(無負荷定格電圧の界磁電流)÷If2(三相短絡定格電流の界磁電流)です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問2:短絡比が大きい同期発電機は、同期インピーダンスが大きく、電圧変動率が大きい。
解答を見る
正解:×
短絡比は単位法の同期インピーダンスの逆数なので、短絡比が大きいほど同期インピーダンスが小さく、電圧変動率が小さく、安定度が高くなります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問3:短絡比が大きい同期発電機は鉄機械と呼ばれ、同じ出力では大形で重量が大きくなる。
解答を見る
正解:○
短絡比を大きくするには、ギャップを大きくして界磁起磁力を大きくするため、鉄の量が多い大形・重量の機械になります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問4:同期発電機の持続短絡電流は、同期リアクタンスで制限されるため、あまり大きくならない。
解答を見る
正解:○
持続短絡電流=E/Zsで、同期インピーダンス(主に同期リアクタンス)が大きいので、定格電流の数倍以下にとどまります(突発短絡の初期は大きい)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問5:円筒形同期発電機の出力は、負荷角が45°のときに最大になる。
解答を見る
正解:×
P=3VE sinδ/Xsなので、出力は負荷角δ=90°のとき最大になります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問6:同期発電機に遅れ力率の負荷電流が流れると、電機子反作用は増磁作用になる。
解答を見る
正解:×
遅れ力率の電機子電流による電機子反作用は減磁作用になり、端子電圧が下がります。増磁作用になるのは進み力率のときです。
重要度:A 難易度:★☆☆
問7:同期発電機に進み力率の負荷電流が流れると、電機子反作用は増磁作用になる。
解答を見る
正解:○
進み電流による電機子反作用は主磁束を強める増磁作用で、端子電圧が上がります(自己励磁現象の原因)。
五肢択一
重要度:A 難易度:★☆☆
問8:単位法で表した同期インピーダンスが0.8 p.u.の同期発電機の短絡比として、正しいものはどれか。
- 0.20
- 0.64
- 0.80
- 1.25
- 1.80
【第8問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
短絡比=1/Zs〔p.u.〕=1/0.8=1.25
1:誤り。1から引いた値です。
2:誤り。同期インピーダンスの2乗です。
3:誤り。同期インピーダンスそのものです。
4:正しい。
5:誤り。1を足した値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問9:三相同期発電機(Y結線)で、ある界磁電流のときの無負荷端子電圧(線間)が6,600V、同じ界磁電流で三相短絡したときの短絡電流が500Aであった。1相の同期インピーダンス〔Ω〕の値として、最も近いものはどれか。
- 2.54
- 4.40
- 7.62
- 13.20
- 22.86
【第9問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
1相の無負荷起電力=6,600/√3≒3,811V
Zs=3,811/500≒7.62Ω
1:誤り。さらに3で割った値です。
2:誤り。3で割った値です。
3:正しい。
4:誤り。線間電圧をそのまま使った値です。
5:誤り。√3を掛けた値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問10:三相円筒形同期発電機の1相の端子電圧が4,000V、1相の無負荷誘導起電力が5,000V、同期リアクタンスが10Ω、負荷角が30°である。三相の出力〔MW〕の値として、正しいものはどれか。ただし、電機子抵抗は無視する。
- 1.00
- 1.73
- 3.00
- 5.20
- 6.00
【第10問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
P=3VE sinδ/Xs=3×4,000×5,000×sin30°/10=3×4,000×5,000×0.5/10=3.0×10⁶W=3.00MW
1:誤り。1相分の出力です。
2:誤り。√3で割った値です。
3:正しい。
4:誤り。sinではなくcosを掛けた値です。
5:誤り。sin90°(最大出力)とした値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問11:三相円筒形同期発電機が、1相の端子電圧3,000V、電機子電流200A、力率1で運転している。同期リアクタンスが10Ωのとき、1相の無負荷誘導起電力〔V〕の値として、最も近いものはどれか。ただし、電機子抵抗は無視する。
- 1,000
- 2,236
- 3,606
- 5,000
- 6,000
【第11問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
力率1では、同期リアクタンス降下 XsI=10×200=2,000V が端子電圧と90°の向きになります。
E=√(3,000²+2,000²)≒3,606V
1:誤り。差です。
2:誤り。2乗の差の平方根です。
3:正しい。
4:誤り。端子電圧と同期リアクタンス降下を単純に足した値です。
5:誤り。端子電圧の2倍です。
重要度:A 難易度:★★☆
問12:定格電圧(線間)6,600Vの三相同期発電機(Y結線)の1相の同期インピーダンスが8Ωである。定格電圧を発生する界磁電流のまま三相短絡したときの持続短絡電流〔A〕の値として、最も近いものはどれか。
- 275
- 476
- 825
- 953
- 1,429
【第12問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
持続短絡電流=1相の起電力/Zs=(6,600/√3)/8≒3,811/8≒476A
1:誤り。3で割った値です。
2:正しい。
3:誤り。線間電圧をそのまま使った値です。
4:誤り。2倍した値です。
5:誤り。√3を掛けた値です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問13:同期発電機の試験で、無負荷で定格電圧を発生させるのに必要な界磁電流は120A、三相短絡で定格電流を流すのに必要な界磁電流は100Aであった。短絡比の値として、正しいものはどれか。
- 0.20
- 0.83
- 1.20
- 1.44
- 2.20
【第13問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
短絡比=120/100=1.20(単位法の同期インピーダンスは1/1.2≒0.83 p.u.)
1:誤り。比から1を引いた値です。
2:誤り。比を逆にした値です。
3:正しい。
4:誤り。比の2乗です。
5:誤り。比に1を足した値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問14:同期発電機に関する次の記述のうち、誤っているものはどれか。
- 同期化力は、負荷角の変化に対して同期を保とうとする力である。
- 同期リアクタンスは、電機子漏れリアクタンスと電機子反作用リアクタンスの和である。
- 負荷が最大出力を超えると、同期を保てなくなり脱調する。
- 円筒形同期発電機の出力は、負荷角の余弦(cosδ)に比例する。
- 短絡比が大きい発電機は、安定度が高い。
【第14問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
1:正しい。
2:正しい。
3:正しい。
4:誤り。出力P=3VE sinδ/Xsで、負荷角の正弦(sinδ)に比例します。
5:正しい。同期インピーダンスが小さいためです。
「同期機」の他の論点