製造業を営む会社の決算処理 一問一答 第1問〜第5問

問1

製造業を営む会社の貸借対照表において、材料・仕掛品・製品の3つが表示される区分として正しいものを選びなさい。

A. 材料と製品は流動資産、仕掛品は固定資産
B. 3つとも流動資産
C. 3つとも固定資産
D. 材料は流動資産、仕掛品と製品は損益計算書の費用

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解答・解説

正答: B

正答理由:材料・仕掛品・製品はいずれも棚卸資産であり、貸借対照表の流動資産に表示します。商品を仕入れて売る会社の商品にあたるものが、製造業では3つに分かれているだけです。

誤答理由

  • A:仕掛品を固定資産としています。仕掛品は製造の途中にある棚卸資産であり、流動資産です。
  • C:3つとも固定資産としています。棚卸資産は流動資産に表示します。
  • D:仕掛品と製品を費用としています。売れた分だけが売上原価という費用になり、期末に残っている分は資産です。

問2

当期製品製造原価を求める式として正しいものを選びなさい。

A. 当期総製造費用 + 期末仕掛品 - 期首仕掛品
B. 期首製品 + 当期総製造費用 - 期末製品
C. 期首仕掛品 + 当期総製造費用 - 期末仕掛品
D. 材料費 + 労務費 + 経費

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解答・解説

正答: C

正答理由:当期製品製造原価は、当期に完成した製品の原価です。期首の作りかけに当期の製造費用を加え、期末に残った作りかけを差し引いて求めます。

誤答理由

  • A:期首と期末を加減する向きが逆です。期首の作りかけは加え、期末に残った作りかけは差し引きます。
  • B:仕掛品ではなく製品で加減しています。この式は売上原価を求めるときの形です(原価差異がない場合)。
  • D:これは当期総製造費用を求める式です。仕掛品の増減を反映していないため、完成した分の原価にはなりません。

問3

工場で製品の製造に使用している設備の当期減価償却費300,000円がある。また、事務所で使用している設備にも当期の減価償却費が発生しているが、その金額は問わない。

両者の扱いとして正しい組合せを選びなさい。

A. 工場設備の減価償却費は製造原価、事務所設備の減価償却費は販売費及び一般管理費
B. 工場設備・事務所設備とも製造原価
C. 工場設備・事務所設備とも販売費及び一般管理費
D. 工場設備の減価償却費は販売費及び一般管理費、事務所設備の減価償却費は製造原価

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解答・解説

正答: A

正答理由:工場設備は製品を製造するために使用するため、その減価償却費300,000円は製造関連の経費として製造原価に含めます。一方、事務所設備は販売・管理活動のために使用するため、その減価償却費は販売費及び一般管理費に区分します。金額ではなく、設備を何のために使用しているかで判断します。

誤答理由

  • B:事務所設備の減価償却費まで製造原価に含めています。製造原価へ入るのは製造活動に用いる工場設備の減価償却費です。
  • C:工場設備の減価償却費300,000円まで販売費及び一般管理費にしています。工場設備は製品の製造に使用しているため、その減価償却費は製造原価へ含めます。
  • D:工場設備と事務所設備の用途を逆に判定しています。製造目的の工場設備は製造原価、販売・管理目的の事務所設備は販売費及び一般管理費です。

問4

会計期間は2027年4月1日から2028年3月31日まで、表示単位は円とする。未処理・訂正事項はなく、原価差異は生じていない。期末の棚卸資産は次のとおりである。

科目 金額
材料 400,000
仕掛品 600,000
製品 800,000

貸借対照表の流動資産に計上されるこれら3つの合計額として正しいものを選びなさい。

A. 1,400,000円
B. 1,200,000円
C. 800,000円
D. 1,800,000円

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解答・解説

正答: D

正答理由:材料400,000円・仕掛品600,000円・製品800,000円はいずれも流動資産です。合計は400,000+600,000+800,000=1,800,000円となります。

誤答理由

  • A:1,400,000円は仕掛品600,000円と製品800,000円の合計で、材料400,000円が抜けています。材料も流動資産です。
  • B:1,200,000円は材料400,000円と製品800,000円の合計で、仕掛品600,000円が抜けています。製造の途中にあるものも流動資産です。
  • C:800,000円は製品だけの金額です。材料と仕掛品も流動資産に計上します。

問5

当期総製造費用3,500,000円、期首仕掛品500,000円、期末仕掛品600,000円、期首製品700,000円、期末製品800,000円、原価差異なし、売上高5,500,000円である。さらに期末材料400,000円がある。正しい組合せを選びなさい。

A. 当期製品製造原価3,400,000円・売上原価3,300,000円・売上総利益2,200,000円・期末3棚卸資産合計1,800,000円
B. 当期製品製造原価3,600,000円・売上原価3,500,000円・売上総利益2,000,000円・期末3棚卸資産合計1,800,000円
C. 当期製品製造原価3,400,000円・売上原価4,100,000円・売上総利益1,400,000円・期末3棚卸資産合計1,000,000円
D. 当期製品製造原価3,500,000円・売上原価3,400,000円・売上総利益2,100,000円・期末3棚卸資産合計1,800,000円

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解答・解説

正答: A

正答理由:当期製品製造原価は500,000+3,500,000-600,000=3,400,000円、売上原価は700,000+3,400,000-800,000=3,300,000円、売上総利益は5,500,000-3,300,000=2,200,000円です。棚卸資産は材料400,000+仕掛品600,000+製品800,000=1,800,000円です。
誤答理由

  • B:期首仕掛品500,000円と期末仕掛品600,000円の加減方向を逆にすると当期製品製造原価3,600,000円となり、そこから売上原価3,500,000円、売上総利益2,000,000円へ連鎖して誤ります。期首仕掛品は加え、期末仕掛品は差し引きます。
  • C:当期製品製造原価3,400,000円までは正しいものの、期末製品800,000円を控除せず、期首製品700,000円を加えた4,100,000円を売上原価としています。また、期末3棚卸資産でも製品800,000円を落として1,000,000円としているため、P/LとB/Sの双方が誤っています。
  • D:当期総製造費用3,500,000円をそのまま当期製品製造原価としています。期首仕掛品500,000円と期末仕掛品600,000円を調整しなければ完成品原価にならず、その誤りが売上原価3,400,000円・売上総利益2,100,000円へ連鎖します。

判断根拠:当期総製造費用から仕掛品の増減を調整して当期製品製造原価を求め、次に製品の増減を調整して売上原価を求めます。売上総利益は売上高から売上原価を差し引き、期末の材料・仕掛品・製品は販売されていない棚卸資産として別途B/Sに残します。

検証:500,000+3,500,000=3,400,000+600,000、700,000+3,400,000=3,300,000+800,000、5,500,000=3,300,000+2,200,000です。さらに、400,000+600,000+800,000=1,800,000円で、期末3棚卸資産の合計も一致します。

想定される誤り:当期総製造費用と当期製品製造原価を同じものと考えること、期末仕掛品や期末製品を差し引かず加算すること、完成した製品の原価と販売済み製品の原価を混同すること、P/Lの売上原価とB/Sに残る期末在庫を同じ金額として扱うことです。


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