問1
次の資料にもとづき、(1)固定資産圧縮損と(2)圧縮後取得原価を計算しなさい。
資料
- 建物の取得原価 ¥1,200,000
- 国庫補助金 ¥300,000 を受け取っている
- 直接控除方式により圧縮記帳を行う
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解答・解説
正答
- 固定資産圧縮損 = ¥300,000
- 圧縮後取得原価 = ¥900,000
計算過程
①圧縮損 = 補助金等の額 = ¥300,000
②圧縮後取得原価 = 取得原価 - 圧縮損
= ¥1,200,000 - ¥300,000
= ¥900,000
検算:圧縮後取得原価 ¥900,000 + 圧縮損 ¥300,000 = ¥1,200,000 = 取得原価 ✓
解説
圧縮する金額は、受け取った補助金の額と同じ ¥300,000 です。
直接控除方式では建物の勘定を直接減額するため、圧縮後の建物勘定残高は ¥900,000 になります。
固定資産圧縮損 300,000 / 建物 300,000
この後の減価償却は、圧縮後取得原価 ¥900,000 を基礎に行います。
問2
次の資料にもとづき、(1)圧縮後取得原価と(2)当期の減価償却費を計算しなさい。
資料
- 備品の取得原価 ¥1,500,000
- 工事負担金 ¥300,000 を受け取っている
- 直接控除方式により圧縮記帳を行った
- 残存価額 ¥0、耐用年数10年、定額法
- 当該備品は当期首に取得し、当期は12か月使用している
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解答・解説
正答
- 圧縮後取得原価 = ¥1,200,000
- 当期の減価償却費 = ¥120,000
計算過程
①圧縮後取得原価 = ¥1,500,000 - ¥300,000 = ¥1,200,000 ②年償却額 =(¥1,200,000 - ¥0)÷ 10年 = ¥120,000 ③当期は12か月使用しているため、月割の調整は不要
検算
- 圧縮後取得原価 ¥1,200,000 + 圧縮損 ¥300,000 = ¥1,500,000 = 取得原価 ✓
- ¥120,000 × 10年 = ¥1,200,000 = 圧縮後取得原価 - 残存価額 ✓
解説
工事負担金の場合も、圧縮の考え方は国庫補助金と同じです。異なるのは受贈益の勘定(工事負担金受贈益)だけです。
減価償却は圧縮後取得原価 ¥1,200,000 を基礎に計算します。
圧縮前の取得原価 ¥1,500,000 で計算すると ¥150,000 となり過大になります。圧縮記帳により備品の帳簿価額はすでに ¥1,200,000 へ減額されています。
問3
次の資料にもとづき、(1)圧縮後取得原価、(2)年償却額、(3)当期の減価償却費、(4)当期末の帳簿価額を計算しなさい。あわせて(5)「当期末の帳簿価額 + 当期の減価償却費 = 圧縮後取得原価」が成立することを確かめなさい。
資料
- 会計期間:2027年4月1日から2028年3月31日まで
- 2027年10月1日に建物(取得原価 ¥2,400,000)を取得し、同日から使用を開始した
- 国庫補助金 ¥600,000 について直接控除方式により圧縮記帳を行った
- 残存価額 ¥0、耐用年数10年、定額法
- 当期の使用月数は6か月である
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解答・解説
正答
- 圧縮後取得原価 = ¥1,800,000
- 年償却額 = ¥180,000
- 当期の減価償却費 = ¥90,000
- 当期末の帳簿価額 = ¥1,710,000
- ¥1,710,000 + ¥90,000 = ¥1,800,000 = 圧縮後取得原価。成立する
判断根拠
圧縮後取得原価を先に確定し、それを基礎に年償却額・当期償却額の順で求めます。
| 手順 | 内容 | 金額 |
|---|---|---|
| ① | 圧縮後取得原価(2,400,000 - 600,000) | 1,800,000 |
| ② | 年償却額(1,800,000 ÷ 10年) | 180,000 |
| ③ | 当期償却額(180,000 × 6 ÷ 12) | 90,000 |
| ④ | 当期末の帳簿価額(1,800,000 - 90,000) | 1,710,000 |
計算過程
①圧縮後取得原価 = ¥2,400,000 - ¥600,000 = ¥1,800,000 ②年償却額 =(¥1,800,000 - ¥0)÷ 10年 = ¥180,000 ③当期償却額 = ¥180,000 × 6か月 ÷ 12か月 = ¥90,000 ④当期末の帳簿価額 = ¥1,800,000 - ¥90,000 = ¥1,710,000
検算
- 圧縮後取得原価 ¥1,800,000 + 圧縮損 ¥600,000 = ¥2,400,000 = 取得原価 ✓
- (5) 当期末の帳簿価額 ¥1,710,000 + 当期償却額 ¥90,000 = ¥1,800,000 = 圧縮後取得原価 ✓
- 使用月数:2027年10月1日〜2028年3月31日 = 6か月(問題文の月数と一致)✓
想定される誤り
第1に、圧縮前の取得原価 ¥2,400,000 を基礎に償却してしまう誤りです。年償却額が ¥240,000、当期償却額が ¥120,000 となります。圧縮記帳を行った以上、償却の基礎は圧縮後取得原価 ¥1,800,000 です。
第2に、月割計算を行わず年償却額 ¥180,000 をそのまま当期の償却額としてしまう誤りです。当期は6か月しか使用していません。使用月数は問題文に示されています。
第3に、当期末の帳簿価額を圧縮前の取得原価から計算してしまう誤りです。¥2,400,000 - ¥90,000 = ¥2,310,000 とすると、圧縮損 ¥600,000 が帳簿に反映されません。
(5)の検算を行うと、これらの誤りに気づけます。 帳簿価額と当期償却額の合計が圧縮後取得原価と一致しない場合、どこかで圧縮前の金額を使っています。