CVP分析と原価予測(高低点法) 総合問題 ケース1

ケース1 |一関ハウスウェア株式会社

共通資料

一関ハウスウェア株式会社は、収納用品Kを製造・販売している。当期の資料は次のとおりである。

項目 数値
販売単価 4,000円/個
単位当たり変動費 2,400円/個
固定費(期間総額) 4,800,000円
実際販売量 4,000個
目標営業利益(営業利益ベース) 1,600,000円
  • 生産量と販売量は一致するものとする。
  • 率は百分率で答えること。計算の過程で端数は生じない。

以下の3つの設問は、いずれもこの共通資料にもとづいて解答する。

問1

設問

単位貢献利益および貢献利益率を求めなさい。

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正答

  • 単位貢献利益:1,600円/個
  • 貢献利益率:40%

解説

単位貢献利益は販売単価から単位当たり変動費を差し引いて求める。4,000円/個 - 2,400円/個 = 1,600円/個。貢献利益率は単位貢献利益を販売単価で割る。1,600円 ÷ 4,000円 = 0.4 → 40%。総額で計算しても同じ率になる。実際販売量4,000個で計算すると、売上高16,000,000円、変動費9,600,000円、貢献利益6,400,000円となり、6,400,000円 ÷ 16,000,000円 = 40%である。

配点

単位貢献利益1,600円/個と貢献利益率40%の両方が示されていることをもって正答とする。貢献利益率は40%、0.4のいずれの表記でもよい。総額から算定した場合も、結果が一致していれば正答とする。

採点要素

  • 単位貢献利益の金額(1,600円/個)
  • 貢献利益率(40%)

部分点:YES

部分点の取扱い

2要素で構成する。単位貢献利益1,600円/個で1点、貢献利益率40%で1点、満点2点とする。貢献利益率については、単位貢献利益を誤って算定した場合でも、その誤った単位貢献利益を販売単価で割る処理が示されていれば1点を与える。

問2

設問

損益分岐点販売量と損益分岐点売上高を求めなさい。あわせて、目標営業利益1,600,000円を達成する販売量と売上高を求めなさい。

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正答

  • 損益分岐点販売量:3,000個
  • 損益分岐点売上高:12,000,000円
  • 目標営業利益達成販売量:4,000個
  • 目標営業利益達成売上高:16,000,000円

解説

損益分岐点販売量は固定費を単位貢献利益で割って求める。4,800,000円 ÷ 1,600円/個 = 3,000個。売上高は3,000個 × 4,000円/個 = 12,000,000円である。目標営業利益を達成する販売量は、固定費と目標営業利益の合計を単位貢献利益で割る。(4,800,000円 + 1,600,000円) ÷ 1,600円/個 = 6,400,000円 ÷ 1,600円/個 = 4,000個。売上高は4,000個 × 4,000円/個 = 16,000,000円である。損益分岐点売上高は、貢献利益率を用いて4,800,000円 ÷ 40% = 12,000,000円と求めてもよい。

配点

損益分岐点の販売量・売上高、目標営業利益達成点の販売量・売上高の4つの数値が示されていることをもって正答とする。単位貢献利益で割る方法、貢献利益率で割る方法のいずれを用いてもよい。

採点要素

  • 損益分岐点販売量(3,000個)
  • 損益分岐点売上高(12,000,000円)
  • 目標営業利益達成販売量(4,000個)
  • 目標営業利益達成売上高(16,000,000円)

部分点:YES

部分点の取扱い

4要素で構成する。各1点、満点4点とする。販売量を誤った場合でも、その販売量に販売単価4,000円/個を掛けて売上高を算定する処理が示されていれば、当該売上高の1点を与える。

問3

設問

実際販売量4,000個にもとづく安全余裕額と安全余裕率を求めなさい。あわせて、損益分岐点売上高に貢献利益率を掛けると固定費と一致することを確認し、その一致によって確かめられる事柄と確かめられない事柄を説明しなさい。

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正答

  • 実際売上高:16,000,000円
  • 安全余裕額:4,000,000円
  • 安全余裕率:25%
  • 損益分岐点での確認:12,000,000円 × 40% = 4,800,000円となり、固定費と一致する。営業利益は4,800,000円 - 4,800,000円 = 0円である。
  • 確かめられる事柄:販売単価・単位当たり変動費・固定費という同じ入力値を用いた計算に矛盾がないこと。
  • 確かめられない事柄:資料の変動費と固定費の分類、および金額の転記が正しいこと。

解説

判断の根拠

安全余裕率は実際売上高を基準とする指標であるから、まず実際販売量4,000個から実際売上高を求める。4,000個 × 4,000円/個 = 16,000,000円。損益分岐点売上高12,000,000円との差が安全余裕額であり、16,000,000円 - 12,000,000円 = 4,000,000円。これを実際売上高で割って4,000,000円 ÷ 16,000,000円 = 25%となる。分母を損益分岐点売上高とすると別の指標になるため、基準を取り違えない。

検証

損益分岐点売上高12,000,000円に貢献利益率40%を掛けると4,800,000円となり、固定費4,800,000円と一致する。このとき営業利益は0円であり、損益分岐点の定義と整合する。安全余裕率についても、損益分岐点比率12,000,000円 ÷ 16,000,000円 = 75%と合計して100%になることで確かめられる。

検証の限界

この一致は、販売単価・単位当たり変動費・固定費という同じ入力値から算定した数値どうしの整合を示すものである。損益分岐点売上高は固定費を貢献利益率で割って求めた金額であるから、それに貢献利益率を掛けて固定費に戻ることは計算上そうなる関係にある。したがって、資料の変動費に固定費が混入していないか、固定費の金額が正しく転記されているかといった、資料そのものの正しさを、この一致によって示すことはできない。

想定される誤り

  • 安全余裕率の分母に損益分岐点売上高を用い、4,000,000円 ÷ 12,000,000円として計算してしまう誤り。
  • 実際販売量4,000個を目標営業利益達成販売量と混同し、安全余裕額を目標利益の金額と結びつけてしまう誤り。本問では両者がいずれも4,000個であるため、区別して扱う。
  • 損益分岐点での一致をもって、資料の分類や転記まで検証済みと説明してしまう誤り。

配点

安全余裕額4,000,000円と安全余裕率25%が示され、かつ損益分岐点での一致の確認(12,000,000円 × 40% = 4,800,000円=固定費)が示されていることを要する。さらに、その一致が同じ入力値を用いた計算の整合を示すにとどまり、資料の分類や転記の正しさを示すものではない旨の説明が含まれていることをもって正答とする。一致が資料全体の正しさを示すと述べている答案は、説明部分を正答としない。

採点要素

  • 実際売上高(16,000,000円)
  • 安全余裕額(4,000,000円)
  • 安全余裕率(25%)
  • 損益分岐点での一致の確認(12,000,000円 × 40% = 固定費4,800,000円、営業利益0円)
  • 一致によって確かめられる事柄(同じ入力値による計算の整合)
  • 一致によって確かめられない事柄(分類・転記の正しさ)

部分点:YES

部分点の取扱い

6要素で構成する。実際売上高1点、安全余裕額1点、安全余裕率1点、損益分岐点での一致の確認1点、確かめられる事柄の説明1点、確かめられない事柄の説明1点、満点6点とする。安全余裕額を誤った場合でも、その金額を実際売上高16,000,000円で割る処理が示されていれば、安全余裕率の1点を与える。


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