問6
配賦差異=予定配賦額-実際発生額 で求めた値が正である場合の意味と記入側として正しいものを1つ選びなさい。
A. 実際発生額のほうが多く、不利差異であり、配賦差異勘定の借方に記入する
B. 実際発生額のほうが多く、有利差異であり、配賦差異勘定の貸方に記入する
C. 予定配賦額のほうが多く、不利差異であり、配賦差異勘定の借方に記入する
D. 予定配賦額のほうが多く、有利差異であり、配賦差異勘定の貸方に記入する
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解答・解説
正答: D
正答理由:値が正であることは、予定配賦額のほうが実際発生額より多いことを意味します。予定で配賦した額のほうが多いので有利差異であり、製造間接費配賦差異勘定には貸方に記入します。
誤答理由
- A:正の場合は予定配賦額のほうが多いので、実際発生額が多いという説明が誤りです。また不利差異でもありません。
- B:実際発生額のほうが多いという説明が誤りです。記入側の貸方は正しいものの、大小関係の理解が逆です。
- C:大小関係は正しいものの、有利・不利と記入側が逆です。正の場合は有利差異で貸方です。
問7
売上原価加減法により配賦差異を処理する場合、有利差異の扱いとして正しいものを1つ選びなさい。
A. 売上原価から減算し、仕訳は 借方 製造間接費配賦差異/貸方 売上原価 となる
B. 売上原価へ加算し、仕訳は 借方 売上原価/貸方 製造間接費配賦差異 となる
C. 売上原価から減算し、仕訳は 借方 売上原価/貸方 製造間接費配賦差異 となる
D. 売上原価には影響させず、仕掛品から減算する
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解答・解説
正答: A
正答理由:有利差異は、予定で配賦した額のほうが実際発生額より多かったことを意味します。製品原価を計上しすぎていることになるので、そのぶんを売上原価から減算します。
売上原価を減らすので売上原価は貸方、相手勘定の製造間接費配賦差異が借方です。
| 借方 | 貸方 |
|---|---|
| 製造間接費配賦差異 | 売上原価 |
誤答理由
- B:加算と仕訳の向きがいずれも不利差異の場合の処理です。有利差異では売上原価を減らします。
- C:減算という判断は正しいものの、仕訳の貸借が逆です。売上原価を減らすなら売上原価は貸方に立ちます。
- D:売上原価加減法では売上原価に加減します。仕掛品から減算する処理ではありません。
判断根拠
3段階で判断します。
第1に、符号から有利・不利を確かめます。配賦差異=予定配賦額-実際発生額 が正なら有利差異です。
第2に、売上原価の加減方向を決めます。有利差異は予定配賦額が実際発生額を上回った状態で、製品へ配賦した原価が実際より多いことを意味します。したがって売上原価から差し引きます。不利差異はその逆で加算します。
第3に、加減方向から仕訳の貸借を導きます。売上原価は費用の勘定で借方が通常の残高側です。減らすときは貸方に記入します。相手勘定である製造間接費配賦差異が借方に立ちます。「有利差異だから貸方」と覚えていると、差異の把握時と売上原価振替時を取り違えます。 差異を把握するときは配賦差異勘定が貸方ですが、売上原価へ振り替えるときは同じ勘定が借方になります。
検証
| 検証項目 | 確認 |
|---|---|
| 符号と有利・不利 | 正 → 有利差異 |
| 差異把握時の配賦差異勘定 | 貸方 |
| 売上原価の加減方向 | 減算 |
| 売上原価振替時の売上原価 | 貸方(減らすため) |
| 売上原価振替時の配賦差異勘定 | 借方 |
| 振替後の配賦差異勘定 | 残高ゼロ |
差異把握時に貸方へ立てた配賦差異が、振替時に借方へ立つことで相殺され、残高がゼロになります。
この検証の限界:残高がゼロになることは、同じ金額を反対側に立てれば必ず成立します。金額や加減方向が正しいことを示すものではありません。また符号と有利・不利の対応を確かめても、予定配賦額そのものを誤って計算していれば誤りは見つかりません。掛けた操業度が実際操業度であったかを、問題文に戻って確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは、差異把握時と売上原価振替時で配賦差異勘定の記入側が同じだと考えてしまうことです。ふたつめは、有利差異を売上原価へ加算してしまうことです。三つめは、減算という判断まで正しくても仕訳の貸借を逆にしてしまうことです(選択肢C)。
問8
ある工場では製造間接費を予定配賦している。当期は、実際発生額が予定配賦額を上回った。この工場では配賦差異を売上原価加減法で処理する。
このとき、配賦差異の符号・配賦差異勘定の記入側(差異把握時)・売上原価の加減方向の組合せとして正しいものを1つ選びなさい。
A. 正/貸方/減算
B. 正/借方/加算
C. 負/借方/加算
D. 負/貸方/減算
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解答・解説
正答: C
正答理由:3つを順に判断します。
符号:配賦差異=予定配賦額-実際発生額 で、実際発生額のほうが多いので値は負です。
記入側:負は不利差異であり、差異を把握するときは製造間接費配賦差異勘定の借方に記入します。
売上原価の加減方向:不利差異は予定で配賦した額が実際より少なかったことを意味するので、不足分を売上原価へ加算します。
誤答理由
- A:符号を正としています。実際発生額のほうが多い以上、値は負です。記入側と加減方向も有利差異の場合のものです。
- B:符号を正としながら借方・加算としており、符号と記入側の対応が取れていません。正なら有利差異で貸方・減算です。
- D:符号は正しいものの、記入側と加減方向が有利差異の場合のものになっています。負なら借方・加算です。
判断根拠
3段階で判断します。
第1に、式の向きを固定します。予定配賦額 - 実際発生額 です。実際発生額のほうが多ければ負になります。式を逆にすると符号が反転し、以降の判断がすべて入れ替わります。
第2に、符号から記入側を決めます。負は不利差異で、差異把握時の配賦差異勘定は借方です。製造間接費勘定の側から見ると、借方の実際発生額が貸方の配賦額を上回っているので、その差額を貸方に立てて消すことになります。
第3に、加減方向を決めます。不利差異は製品へ配賦した原価が実際より少ないので、不足分を売上原価へ加算します。
この3つは連動しています。 符号が決まれば有利・不利が決まり、記入側と加減方向も決まります。一方で、差異把握時の記入側と売上原価振替時の記入側は逆になる点に注意が必要です。不利差異では、把握時に配賦差異勘定の借方へ立て、振替時には貸方へ立てて相殺します。
検証
| 検証項目 | 確認 |
|---|---|
| 式の向き | 予定配賦額 - 実際発生額 |
| 符号 | 実際発生額>予定配賦額 → 負 |
| 有利・不利 | 負 → 不利差異 |
| 差異把握時の配賦差異勘定 | 借方 |
| 売上原価の加減方向 | 加算 |
| 売上原価振替時の配賦差異勘定 | 貸方 |
| 振替後の配賦差異勘定 | 残高ゼロ |
この検証の限界:符号から記入側・加減方向へ進む判断は連動しているため、最初の符号を誤ればすべてが連動して誤ります。そして誤ったままでも、内部の対応関係としては整合してしまいます。予定配賦額=実際発生額+配賦差異 の確認も、差異を引き算で求めた以上定義上必ず成立します。予定配賦額を求めるときに掛けた操業度が実際操業度であったかを、問題文に戻って確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは、式を「実際発生額-予定配賦額」と逆にして符号を取り違えることです。ふたつめは、不利差異を売上原価から減算してしまうことです。三つめは、差異把握時と売上原価振替時で配賦差異勘定の記入側が同じだと考えてしまうことです。