手形の2級論点(裏書譲渡・割引・更改・不渡り・営業外手形)

学習のポイント

【2026年度専用】手形の2級論点

この単元は2026年度を受験する方のための内容です。
2027年度を受験する方は、この単元を学習する必要はありません。

① 何を学ぶか

3級では、手形を振り出したり受け取ったりする基本的な処理を学びました。2級では、受け取った手形を支払期日より前に使う方法と、期日に支払われなかった場合の処理を学びます。

学ぶことは大きく7つです。

  1. 受取手形を仕入先への支払いにあてる(裏書譲渡)
  2. 受取手形を銀行で現金化する(割引)
  3. 裏書・割引にともなう保証債務の備忘記録
  4. 支払期日を延ばす(更改)
  5. 期日に支払われなかった場合の処理(不渡り)
  6. 商品売買以外で使う手形(営業外受取手形・営業外支払手形)
  7. 金銭の貸借に使う手形(手形貸付金・手形借入金)
② 基本Rule

裏書譲渡

受け取った手形を、仕入先への支払いにそのまま渡すことができます。手形が手元から出ていくため、受取手形が消滅します。

買掛金 ×××  /  受取手形 ×××

割引と手形売却損

受け取った手形を銀行に持ち込み、支払期日より前に換金することを割引といいます。問題文で与えられた条件から割引料を求め、額面から割引料を差し引いた金額を手取額とします。

当座預金       ×××(手取額)
手形売却損     ×××(差額)  /  受取手形 ×××(額面)

割引料は次の式で計算します。

割引料 = 額面 × 割引率 × (割引日数 ÷ 基準日数)
手取額 = 額面 - 手形売却損

割引日数と基準日数は必ず問題文に示されます。 自分で日数を数えたり、基準日数を決めたりする必要はありません。

検算は次の式で行います。

手取額 + 手形売却損 = 額面

保証債務の対照勘定

裏書や割引をしても、もし支払われなかったときに自社が代わりに支払う可能性が残ります。この可能性を帳簿に記録しておくため、対照勘定を用います。

(記録時)保証債務見返 ×××  /  保証債務 ×××
(解消時)保証債務     ×××  /  保証債務見返 ×××

記録する金額は問題文に示されます。 自分で見積もる必要はありません。

この2つの勘定は同額・同時に計上し、記録の原因が消滅したときは逆仕訳で解消します。

更改

支払期日に支払えないとき、支払期日を延ばした新しい手形に差し替えることがあります。このとき、延長期間に対応する利息を新しい手形の金額に含めることがあります。

(受取側)受取手形(新額) ×××  /  受取手形(旧額) ×××
                                     受取利息         ×××

新しい手形の金額は、旧手形の金額に利息を加えた金額です。

不渡り

支払期日に手形が支払われなかった場合、受取手形を不渡手形へ振り替えます。

不渡手形 ×××  /  受取手形 ×××

営業外受取手形・営業外支払手形

商品売買以外の取引で手形を用いる場合は、専用の勘定を使います。

(固定資産を売却して手形を受け取った)営業外受取手形 ×××  /  未収入金 ×××
(固定資産を購入して手形を振り出した)未払金         ×××  /  営業外支払手形 ×××

手形貸付金・手形借入金

金銭の貸し借りにあたって手形を用いる場合は、さらに別の勘定を使います。

(貸した)手形貸付金 ×××  /  当座預金     ×××
(借りた)当座預金   ×××  /  手形借入金 ×××
③ 処理手順

手順1:手形が何の取引から生じたかを確認する

商品売買なら受取手形・支払手形、商品売買以外なら営業外受取手形・営業外支払手形、金銭の貸借なら手形貸付金・手形借入金です。

手順2:手形をどうするのかを確認する

支払いにあてる(裏書譲渡)、銀行で換金する(割引)、期日を延ばす(更改)、期日に支払われなかった(不渡り)のいずれかです。

手順3:割引なら割引料を計算する

問題文の額面・割引率・割引日数・基準日数を使います。

手順4:保証債務の記録が求められていれば計上する

問題文に金額が示されている場合のみ計上します。

手順5:検算する

割引では、手取額と手形売却損の合計が額面と一致するかを確かめます。

④ 注意点

注意1:割引の貸方は額面

手取額を貸方に書いてはいけません。消滅するのは手形そのものであり、額面全額です。

注意2:基準日数は問題文から読み取る

基準日数は問題文で与えられます。自分で365日と決めてはいけません。 問題によって基準日数は異なります。

注意3:保証債務の金額は問題文の指示による

備忘記録の金額は問題文に示されます。自分で計算したり見積もったりしてはいけません。

注意4:対照勘定は同額・同時に計上する

保証債務見返と保証債務は必ずセットです。片方だけを計上することはありません。

注意5:手形の種類を取り違えない

商品売買から生じた手形、それ以外の取引から生じた手形、金銭の貸借に使う手形で勘定が分かれます。もとの取引を確認してください。

注意6:この単元で扱う範囲

不渡手形を貸借対照表にどう表示するかという論点や、支払われなかった場合の責任を細かく評価する処理は、この単元では扱いません。

⑤ 試験での使われ方

この論点は第1問の仕訳形式につながります。

裏書譲渡・割引・更改・不渡り・営業外手形・手形貸付借入のいずれかが問われます。割引では、額面・割引率・割引日数・基準日数が示されるため、それらをそのまま計算に使います。

保証債務の記録が必要な問題では、記録する金額が問題文に示されます。

⑥ 年度注記

この単元は2026年度を受験する方のための内容です。

2027年度では紙の手形に関する内容が出題範囲から外れるため、2027年度を受験する方はこの単元を学習する必要はありません。

2026年度を受験する方は、上記7つの論点を学習してください。


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