電験三種(第三種電気主任技術者)「機械」のうち、変圧器の損失と効率の問題です(大分類:変圧器・重要度A)。一問一答6問 → 五肢択一6問の順に解き、解答・解説は各問題の下を開いて確認してください。
一問一答(○×)
重要度:A 難易度:★☆☆
問1:変圧器の損失は、負荷によらない無負荷損(主に鉄損)と、負荷に応じて変わる負荷損(主に銅損)に分けられる。
解答を見る
正解:○
無負荷損の大部分は鉄損(ヒステリシス損と渦電流損)、負荷損の大部分は巻線の銅損です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問2:変圧器の銅損は、負荷電流に比例する。
解答を見る
正解:×
銅損はI²Rなので、負荷電流の2乗に比例します(負荷率αのとき全負荷銅損のα²倍)。
重要度:A 難易度:★☆☆
問3:変圧器の鉄損は、負荷電流の2乗に比例して増える。
解答を見る
正解:×
鉄損は加える電圧と周波数で決まり、負荷電流によらずほぼ一定です。負荷電流の2乗に比例するのは銅損です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問4:変圧器の効率は、銅損と鉄損が等しくなる負荷のときに最大になる。
解答を見る
正解:○
効率は、可変損(銅損)と固定損(鉄損)が等しくなる負荷率 α=√(Pi/Pc) で最大になります。
重要度:A 難易度:★☆☆
問5:変圧器の負荷の力率が低いと、同じ皮相電力(同じ電流)でも出力が小さくなるので、効率は下がる。
解答を見る
正解:○
損失は電流(皮相電力)で決まるのに対し、出力はαP cosθで力率に比例するので、力率が低いほど効率は下がります。
重要度:A 難易度:★★☆
問6:変圧器の一次電圧を一定にして周波数を上げると、ヒステリシス損は増加し、渦電流損はほぼ変わらない。
解答を見る
正解:×
電圧一定では最大磁束密度Bmが周波数に反比例します。ヒステリシス損∝fBm^1.6〜2 は周波数を上げると減少し、渦電流損∝(fBm)² はほぼ変わりません。
五肢択一
重要度:A 難易度:★☆☆
問7:定格容量10kV·Aの単相変圧器の鉄損が100W、全負荷銅損が200Wである。力率1の全負荷で運転しているときの効率〔%〕の値として、最も近いものはどれか。
- 94.3
- 97.1
- 98.0
- 99.0
- 100.0
【第7問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
η=出力/(出力+鉄損+銅損)×100=10,000/(10,000+100+200)×100≒97.1%
1:誤り。損失を2倍にした値です。
2:正しい。
3:誤り。銅損だけを考えた値です。
4:誤り。鉄損だけを考えた値です。
5:誤り。損失を考えていない値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問8:鉄損が100W、全負荷銅損が400Wの変圧器がある。効率が最大になる負荷率〔%〕の値として、正しいものはどれか。
- 400
- 100
- 71
- 50
- 25
【第8問:正解と解説】
正解:4
正解は4です。
最大効率は鉄損=銅損のとき:α²×400=100 より α=√(100/400)=0.5=50%
1:誤り。比を逆にした値です。
2:誤り。全負荷とした値です。
3:誤り。√(1/2)とした値です。
4:正しい。
5:誤り。鉄損と全負荷銅損の比(100/400)をそのまま使った値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問9:定格容量10kV·A、鉄損100W、全負荷銅損400Wの単相変圧器を、力率1、負荷率50%で運転している。このときの効率〔%〕の値として、最も近いものはどれか。
- 90.9
- 94.3
- 96.2
- 98.0
- 100.0
【第9問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
出力=0.5×10,000×1=5,000W、鉄損100W、銅損=0.5²×400=100W
η=5,000/(5,000+100+100)×100≒96.2%(このとき鉄損=銅損で効率は最大)
1:誤り。銅損を全負荷の値のままにした値です。
2:誤り。銅損を負荷率に比例させた値です(負荷率の2乗に比例します)。
3:正しい。
4:誤り。鉄損か銅損の一方だけを考えた値です。
5:誤り。損失を考えていない値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問10:定格容量10kV·A、鉄損100W、全負荷銅損200Wの単相変圧器を、力率0.8(遅れ)の全負荷で運転しているときの効率〔%〕の値として、最も近いものはどれか。
- 77.7
- 95.5
- 96.4
- 97.1
- 98.8
【第10問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
出力=10,000×0.8=8,000W、損失=100+200=300W(損失は電流で決まり、力率によらない)
η=8,000/8,300×100≒96.4%(力率1のときの97.1%より低い)
1:誤り。力率1の効率に0.8を掛けた値です。
2:誤り。損失を力率で割った値です。
3:正しい。
4:誤り。力率1のときの効率です。
5:誤り。銅損を考えていない値です。
重要度:A 難易度:★☆☆
問11:全負荷銅損が400Wの変圧器を、負荷率75%で運転したときの銅損〔W〕の値として、正しいものはどれか。
- 100
- 169
- 225
- 300
- 400
【第11問:正解と解説】
正解:3
正解は3です。
銅損は負荷率の2乗に比例:400×0.75²=400×0.5625=225W
1:誤り。負荷率50%の値です。
2:誤り。負荷率の3乗を掛けた値です。
3:正しい。
4:誤り。負荷率に比例するとした値です。
5:誤り。全負荷の値です。
重要度:A 難易度:★★☆
問12:定格容量10kV·A、鉄損100W、全負荷銅損200Wの単相変圧器を、1日のうち12時間は力率1の全負荷で、残りの12時間は無負荷で運転した。全日効率〔%〕の値として、最も近いものはどれか。ただし、変圧器は24時間励磁されているものとする。
- 94.3
- 96.2
- 97.1
- 98.0
- 100.0
【第12問:正解と解説】
正解:2
正解は2です。
1日の出力電力量=10kW×12h=120kWh
鉄損(24時間)=0.1×24=2.4kWh、銅損(全負荷12時間)=0.2×12=2.4kWh
全日効率=120/(120+2.4+2.4)×100≒96.2%
1:誤り。銅損も24時間分とした値です。
2:正しい。
3:誤り。全負荷時の効率です(鉄損も12時間分とした値と同じ)。
4:誤り。鉄損か銅損の一方だけを考えた値です。
5:誤り。損失を考えていない値です。
「変圧器」の他の論点