問6
原価計算の計算手続を進める順序として正しいものを1つ選びなさい。
A. 費目別原価計算 → 部門別原価計算 → 製品別原価計算
B. 製品別原価計算 → 部門別原価計算 → 費目別原価計算
C. 部門別原価計算 → 費目別原価計算 → 製品別原価計算
D. 費目別原価計算 → 製品別原価計算 → 部門別原価計算
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解答・解説
正答: A
正答理由:まず費目別原価計算で、かかった原価を材料費・労務費・経費などの種類ごとに把握します。次に部門別原価計算で、費目別に把握した原価を発生した部門ごとに分類・集計します。最後に製品別原価計算で、各製品にいくらかかったかを確定します。原価を費目、部門、製品へと段階的に集計する順序です。
誤答理由
- B:順序が逆です。各製品にいくらかかったかを確定するには、その前に原価を種類ごとに把握しておく必要があります。製品別から始めることはできません。
- C:部門別から始めることはできません。部門へ振り分ける対象となる原価を、先に費目別の段階でつかまえておく必要があります。
- D:部門別と製品別の順序が逆です。費目別に把握した原価は、部門別で発生部門ごとに分類・集計したうえで製品別へつなぎます。製品別で原価を確定した後に部門別を行う順序ではありません。
問7
費目別原価計算の役割として正しいものを1つ選びなさい。
A. 費目別に把握した原価を、発生した部門ごとに分類・集計する
B. 各製品にいくらかかったかを確定し、製品1単位あたりの原価を求める
C. 実際にかかった金額を用いるか、あらかじめ定めた金額を用いるかを決定する
D. かかった原価を材料費・労務費・経費などの種類ごとに把握し、後の段階へ渡す出発点となる
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解答・解説
正答: D
正答理由:費目別原価計算は3段階の出発点です。かかった原価を材料費・労務費・経費などの種類ごとに把握します。ここで原価を種類ごとにつかまえておかなければ、後の段階で部門や製品へ振り分けようがありません。
誤答理由
- A:発生した部門ごとに整理するのは部門別原価計算の役割です。費目別の段階では、まだ部門への振り分けは行いません。
- B:各製品にいくらかかったかを確定するのは製品別原価計算の役割です。これは3段階の最後にあたります。
- C:実際にかかった金額かあらかじめ定めた金額かは、計算に用いる原価の性質による区分であり、手続の段階が決めることではありません。どの種類を用いるかは、段階を進める前に定まっています。
問8
部門別原価計算と製品別原価計算の役割の組合せとして正しいものを1つ選びなさい。
A. 部門別原価計算は原価を種類ごとに把握し、製品別原価計算は部門ごとに整理する
B. 部門別原価計算は費目別に把握した原価を発生した部門ごとに分類・集計し、製品別原価計算は各製品にいくらかかったかを確定する
C. 部門別原価計算は製品1単位あたりの原価を求め、製品別原価計算は部門ごとの業績を評価する
D. 部門別原価計算は個別原価計算のときだけ行い、製品別原価計算は総合原価計算のときだけ行う
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解答・解説
正答: B
正答理由:部門別原価計算は、費目別に把握した原価を発生した部門ごとに分類・集計し、製品別原価計算へつなぐ段階です。とくに製造間接費を部門ごとに整理して製品へ配賦する場合に重要で、部門ごとの原価管理にも役立ちます。製品別原価計算は最後の段階で、各製品にいくらかかったかを確定し、製品1単位あたりの原価を求めます。
誤答理由
- A:原価を種類ごとに把握するのは費目別原価計算の役割です。また部門ごとに整理するのは部門別原価計算であり、2つの説明が段階とずれています。
- C:製品1単位あたりの原価を求めるのは製品別原価計算です。部門ごとの業績評価は部門別に原価を整理した結果として役立つものであり、製品別原価計算の役割ではありません。2つの説明が入れ替わっています。
- D:個別原価計算と総合原価計算は生産形態による分類であり、費目別・部門別・製品別は基本的な計算手続です。したがって、各段階を一方の種類だけに対応させる説明は誤りです。種類と手続段階は別のものです。
問9
原価計算単位と原価計算期間について正しいものを1つ選びなさい。
A. 原価計算単位は原価を集計する時間的範囲を指し、原価計算期間は原価を集計・測定する対象を指す
B. 原価計算単位も原価計算期間も、どちらも原価を集計する時間的範囲を指す言葉である
C. 原価計算単位は原価を集計・測定する対象を指し、原価計算期間は原価を集計する時間的範囲を指す
D. 原価計算単位は会計期間と必ず一致し、原価計算期間は製品1個を指す
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解答・解説
正答: C
正答理由:原価計算単位は「何あたりの原価か」という対象を指します。製品1個、1kg、1ダース、注文1件などです。原価計算期間は「いつからいつまでの原価か」という時間的範囲を指し、通常は1か月です。両者は同時に決まりますが、指しているものは別です。
誤答理由
- A:2つの説明が入れ替わっています。対象を指すのが単位、時間的範囲を指すのが期間です。
- B:どちらも時間的範囲ではありません。単位は対象を指します。
- D:原価計算期間は通常1か月であり、会計期間より短く区切られます。また製品1個を指すのは単位のほうです。2つの説明が入れ替わったうえ、期間と会計期間の関係も誤っています。
問10
ある製造会社は、同じ規格の製品を連続して大量に生産している。この会社では、原価計算にあたって実際にかかった金額を集計しており、製造原価の全部を製品原価としている。また、製品に直接たどれない原価については、いったん発生した部門ごとに整理したうえで各製品へ振り分けている。
この会社の原価計算について、3つの分類軸による区分と計算手続の段階の説明として正しいものを1つ選びなさい。
A. 生産形態では総合原価計算、原価の性質では実際原価計算、含める範囲では全部原価計算にあたり、計算は費目別・部門別・製品別の3段階を経る
B. 生産形態では個別原価計算、原価の性質では実際原価計算、含める範囲では全部原価計算にあたり、計算は費目別・部門別・製品別の3段階を経る
C. 生産形態では総合原価計算、原価の性質では予定原価計算(標準原価計算)、含める範囲では直接原価計算にあたり、計算は部門別・費目別・製品別の3段階を経る
D. 総合原価計算・実際原価計算・全部原価計算という3つは、それぞれ計算手続の第1段階・第2段階・第3段階にあたる
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解答・解説
正答: A
正答理由:与えられた条件を、3つの分類軸ごとに独立して判断します。
| 分類軸 | 与件 | 区分 |
|---|---|---|
| 生産形態 | 同じ規格の製品を連続して大量に生産 | 総合原価計算 |
| 計算に用いる原価の性質 | 実際にかかった金額を集計 | 実際原価計算 |
| 製品原価へ含める範囲 | 製造原価の全部を製品原価とする | 全部原価計算 |
そのうえで、計算手続の段階は分類軸とは別のものです。与件では、費目別に把握した原価を部門ごとに整理してから各製品へ振り分けているため、費目別・部門別・製品別の3段階を経ています。
誤答理由
- B:生産形態を個別原価計算としています。個別原価計算は1件ずつ仕様が異なるものを注文ごとに集計する場合に用いるものです。同じ規格の製品を連続して大量に生産しているという与件に合いません。
- C:原価の性質を予定原価計算(標準原価計算)、含める範囲を直接原価計算としており、いずれも与件と逆です。与件は「実際にかかった金額を集計」「製造原価の全部を製品原価」です。また手続の順序も、部門別を費目別より先に置いている点が誤りです。
- D:3つの分類軸による区分を、計算手続の3段階と同一視しています。 総合原価計算・実際原価計算・全部原価計算は「どういう種類の原価計算か」を表す区分であり、費目別・部門別・製品別という「どの順序で計算を進めるか」を表す段階とは別のものです。区分がそのまま段階になることはありません。
判断根拠
判断は次の順で行います。
第1に、軸ごとに独立して読むことです。3つの分類軸は互いに独立しているため、1つが決まっても他の2つは決まりません。与件の文を軸ごとに切り分け、それぞれ別々に判定します。「同じ規格の製品を連続して大量に生産」は生産形態の情報、「実際にかかった金額を集計」は原価の性質の情報、「製造原価の全部を製品原価」は含める範囲の情報です。1つの文が複数の軸を同時に決めているわけではありません。
第2に、手続段階を軸から切り離すことです。「部門ごとに整理したうえで各製品へ振り分けている」という記述は、種類ではなく順序の情報です。ここでは、費目別に把握した原価を部門別に分類・集計し、製品別へつなぐ基本手続を示しています。段階は4つ目の分類軸ではありません。
第3に、順序そのものを確かめることです。部門へ振り分ける対象となる原価は、その前に種類ごとに把握されている必要があります。したがって費目別が先、部門別が次、製品別が最後です。
検証
| 検証項目 | 確認 |
|---|---|
| 3つの軸それぞれで区分が1つに定まるか | 総合/実際/全部(各軸で1つ・重複なし) |
| 与件のどの記述がどの軸に対応するか | 生産形態=連続大量生産/性質=実際の金額/範囲=製造原価の全部 |
| 軸の区分と手続段階が別物として扱われているか | 区分3つと段階3つを独立に記述 |
| 手続の順序が正しいか | 費目別 → 部門別 → 製品別 |
| 与件だけで一意に定まるか | 3軸とも与件に直接の記述があり一意 |
各軸のなかでは区分が互いに排他的である一方、軸をまたぐと1つの会社の原価計算が3つの区分に同時に属します。この二重の構造を確認することが、種類を問う設問での基本的な検証になります。
この検証の限界:各軸で区分が1つに定まっているかを確かめても、どの記述をどの軸に結びつけたかを取り違えていれば誤りは見つかりません。たとえば「実際にかかった金額」を含める範囲の情報だと思い込んだまま判断すると、各軸で1つずつ選べているように見えて中身が入れ替わります。与件のどの語句がどの軸を決めているのかを、問題文に戻って確かめる必要があります。
想定される誤り:ひとつは、生産形態の判定で「連続して大量に生産」を見落とし、個別原価計算としてしまうことです(選択肢B)。ふたつめは、与件の記述を対応しない軸に結びつけ、実際/予定や全部/直接を取り違えることです(選択肢C)。三つめは、3つの分類軸をそのまま計算手続の3段階だと考えてしまうことです(選択肢D)。区分は「どういう種類か」、段階は「どの順序か」であり、数が同じであっても対応する関係にはありません。