問6
青森商事株式会社は、保有する額面 ¥600,000 の受取手形を取引銀行で割り引き、手取額が当座預金口座に入金された。割引率は年4%、割引日数は45日、基準日数は360日である。保証債務の備忘記録は行わないものとする。 この取引の仕訳を示しなさい。
使用可能勘定科目
受取手形/手形売却損/保証債務見返/保証債務/当座預金
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解答・解説
正答
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 当座預金 | 597,000 | 受取手形 | 600,000 |
| 手形売却損 | 3,000 |
計算過程
- 割引料 = ¥600,000 × 4% × (45日 ÷ 360日)
= ¥600,000 × 0.04 × 0.125 = ¥3,000
- 手取額 = ¥600,000 - ¥3,000 = ¥597,000
- 手形売却損 = 割引料 ¥3,000
検算
- 借方 597,000 + 3,000 = 600,000 = 貸方 600,000 ✓
- 手取額 ¥597,000 + 手形売却損 ¥3,000 = ¥600,000 = 額面 ✓
解説
割引では手取額が直接示されないため、まず割引料を計算します。
割引日数45日と基準日数360日は問題文に示されています。 自分で日数を数えたり、基準日数を決めたりする必要はありません。
貸方は額面 ¥600,000 の全額です。手取額を貸方に書いてはいけません。借方は当座預金と手形売却損の2行になります。
問7
青森商事株式会社は、保有する受取手形 ¥600,000 について、弘前商店から支払期日の延長を申し入れられ、これを承諾した。延長期間の利息 ¥9,000 は新しい手形の金額に含めることとし、旧手形と引き換えに新しい約束手形を受け取った。この取引の仕訳を示しなさい。
使用可能勘定科目
受取手形/営業外受取手形/不渡手形/受取利息/当座預金
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解答・解説
正答
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 受取手形 | 609,000 | 受取手形 | 600,000 |
| 受取利息 | 9,000 |
判断根拠
更改では旧手形を消滅させ、新しい手形を計上します。利息を新手形の金額に含めるため、新手形の金額は旧手形より大きくなります。
| 項目 | 金額 | 位置 |
|---|---|---|
| 新しい受取手形 | 609,000 | 借方(新たに計上) |
| 旧受取手形 | 600,000 | 貸方(消滅) |
| 受取利息 | 9,000 | 貸方(収益) |
計算過程
新手形の金額 = 旧手形 ¥600,000 + 利息 ¥9,000 = ¥609,000
検算
- 借方 609,000 = 貸方 600,000 + 9,000 = 609,000 ✓
- 新手形の金額 ¥609,000 = 旧手形 ¥600,000 + 利息 ¥9,000 ✓
想定される誤り
第1に、新手形の金額を ¥600,000 のままとしてしまう誤りです。この場合、貸方に受取利息 ¥9,000 を計上すると借方 600,000・貸方 609,000 となり貸借が一致しません。利息を新手形に含めるという条件を反映していないためです。
第2に、利息を差し引いて ¥591,000 としてしまう誤りです。受け取る側にとって利息は収益であり、受け取る金額を増やします。減らすものではありません。
第3に、受取利息を借方に計上してしまう誤りです。受取利息は収益であり、貸方に計上します。借方に置くと収益が減ることになります。
同じ受取手形勘定が借方と貸方の両方に現れる点が本問の特徴です。旧手形の消滅と新手形の計上を同時に行っているためです。金額が異なることを確認してください。
問8
青森商事株式会社について、次の(1)(2)は別々の取引である。それぞれの仕訳を示しなさい。
(1) 保有する受取手形 ¥700,000 が支払期日に支払われなかった旨の通知を受けた。
(2) かねて裏書譲渡した手形について保証債務の備忘記録 ¥300,000 を計上していたが、当該手形が支払期日に無事決済され、記録の原因が消滅した。
使用可能勘定科目
受取手形/不渡手形/保証債務見返/保証債務/当座預金
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解答・解説
正答
(1) 不渡りによる振替
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 不渡手形 | 700,000 | 受取手形 | 700,000 |
(2) 保証債務の対照勘定の解消
| 借方科目 | 金額 | 貸方科目 | 金額 |
|---|---|---|---|
| 保証債務 | 300,000 | 保証債務見返 | 300,000 |
判断根拠
この2件は別々の取引であり、相互に関係しません。
| 取引 | 対象 | 処理 |
|---|---|---|
| (1) | 自社が保有し続けている手形が支払われなかった | 受取手形を不渡手形へ振り替える |
| (2) | かねて裏書譲渡した別の手形が無事決済された | 備忘記録の原因が消滅したため対照勘定を解消 |
(1)は自社の手元にある手形の話、(2)はすでに譲渡した手形の話です。同じ「手形が支払われるかどうか」に関わる場面でも、自社が保有しているかどうかで処理が異なります。
計算過程
- (1) 振替額 = 受取手形の額面 ¥700,000
- (2) 解消額 = 計上していた備忘記録額 ¥300,000(問題文で与えられた金額)
検算
- (1) 借方 700,000 = 貸方 700,000 ✓
- (2) 借方 300,000 = 貸方 300,000 ✓
- (2)の処理後、保証債務および保証債務見返の残高 = ¥300,000 - ¥300,000 = ¥0 ✓
想定される誤り
第1に、(1)と(2)を関連づけて処理してしまう誤りです。(1)の不渡りが(2)の保証債務に関係すると考え、(2)で保証債務を取り崩さない、あるいは不渡手形と相殺するといった処理をしてしまう可能性があります。問題文が「別々の取引」と示している以上、それぞれ独立して処理します。
第2に、(2)の貸借を逆にしてしまう誤りです。計上時は保証債務見返が借方・保証債務が貸方でしたが、解消時はその逆になります。計上と解消を取り違えると、記録が二重になります。
第3に、(2)で金額を推定してしまう誤りです。解消する金額は計上していた備忘記録額 ¥300,000 であり、問題文に示されています。手形の額面や他の金額から計算するものではありません。
対照勘定の残高がゼロになるかを確認すると、解消漏れや金額の誤りに気づけます。