勘定体系・勘定連絡と製品の受払い 仕訳問題 第6問〜第8問

問6

当期の製品に関する資料は次のとおりである。

  • 期首製品原価:90,000円
  • 当期に完成した製品の原価:560,000円
  • 期末製品原価:130,000円

当期に販売した製品の原価を求め、原価の側の仕訳を示しなさい。なお、販売代金に関する仕訳は解答しなくてよい。

使用可能勘定科目

仕掛品/製品/売上原価

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解答・解説

計算過程

順 項目 計算 金額
1 製品勘定の借方合計 90,000+560,000 650,000
2 販売した製品の原価 650,000-130,000 520,000

販売した製品の原価 = 90,000+560,000-130,000 = 520,000円

正答仕訳

借方 金額 貸方 金額
売上原価 520,000 製品 520,000

解説

期末製品が期首製品より多いため、完成品原価560,000円より売上原価520,000円のほうが少なくなっています。差の40,000円は、期末に売れ残った分の増加にあたります。

完成した金額と売れた金額は一致しません。期首と期末の残高を必ず確かめてください。

貸借の確認:借方520,000円=貸方520,000円。

検算:製品勘定の借方側累計90,000+560,000=650,000円は、売上原価への振替額520,000+期末借方残高130,000=650,000円と一致します。


問7

当期に次の2つの出来事があった。それぞれの仕訳を示しなさい。なお、販売代金に関する仕訳は解答しなくてよい。

(1) 製品が完成し、その製造原価は760,000円であった。
(2) 完成した製品のうち、製造原価500,000円分を販売した。

使用可能勘定科目

仕掛品/製品/売上原価

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解答・解説

計算過程

いずれも問題文に金額が与えられているため、計算は不要です。(1)と(2)は別々の出来事なので、仕訳も別々に作ります。

正答仕訳

(1) 完成品の受入れ

借方 金額 貸方 金額
製品 760,000 仕掛品 760,000

(2) 販売した製品の原価の振替

借方 金額 貸方 金額
売上原価 500,000 製品 500,000

解説

完成と販売は別の出来事です。 完成しただけでは売上原価になりません。完成した760,000円のうち、当期に販売されたのは500,000円分だけです。

製品勘定の動きを見ると、借方に760,000円が入り、貸方から500,000円が出ています。差の260,000円は、当期に完成したもののうちまだ販売されていない分として製品勘定に残ります(期首製品がない場合)。

この2つを1つの仕訳にまとめてはいけません。 仕掛品勘定から直接売上原価へ移す仕訳を作ると、製品勘定を経由しないことになり、未販売の製品原価が把握できなくなります。

貸借の確認:(1) 借方760,000円=貸方760,000円、(2) 借方500,000円=貸方500,000円。


問8

当期の資料は次のとおりである。

  • 期首仕掛品原価:100,000円
  • 当期に投入した原価:900,000円
  • 期末仕掛品原価:140,000円
  • 期首製品原価:160,000円
  • 期末製品原価:220,000円

当期に完成した製品の原価と、当期に販売した製品の原価を求め、それぞれの仕訳を示しなさい。なお、販売代金に関する仕訳は解答しなくてよい。

使用可能勘定科目

仕掛品/製品/売上原価

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解答・解説

計算過程

順 項目 計算 金額
1 仕掛品勘定の借方合計 100,000+900,000 1,000,000
2 完成品原価 1,000,000-140,000 860,000
3 製品勘定の借方合計 160,000+860,000 1,020,000
4 販売した製品の原価 1,020,000-220,000 800,000

正答仕訳

(1) 完成品の受入れ

借方 金額 貸方 金額
製品 860,000 仕掛品 860,000

(2) 販売した製品の原価の振替

借方 金額 貸方 金額
売上原価 800,000 製品 800,000

解説

判断根拠

3段階で判断します。

第1に、計算の順序が決まっています。売上原価を求めるには完成品原価が必要で、完成品原価を求めるには仕掛品勘定の資料が必要です。したがって仕掛品勘定を先に、製品勘定を後に計算します。逆の順序では解けません。

第2に、どの数値がどちらの勘定のものかを見分けます。「仕掛品」とあるものは仕掛品勘定、「製品」とあるものは製品勘定です。当期に投入した900,000円は仕掛品勘定の借方に入る金額であり、製品勘定には直接入りません。製品勘定の借方に入るのは、仕掛品勘定から出てきた完成品原価860,000円です。

第3に、2つの振替は別々の仕訳にします。完成と販売は別の出来事です。1つにまとめると製品勘定を経由しない形になり、期末の未販売製品原価220,000円が説明できなくなります。

検証

勘定 借方側累計 貸方への振替額+期末借方残高 判定
仕掛品 100,000+900,000=1,000,000 860,000+140,000=1,000,000 一致
製品 160,000+860,000=1,020,000 800,000+220,000=1,020,000 一致

両方の勘定で、借方側累計が貸方への振替額と期末借方残高の合計に一致します。また完成品原価860,000円が、仕掛品勘定の貸方と製品勘定の借方の両方に同じ金額で現れていることも確認できます。2つの勘定はこの金額でつながっています。

貸借の確認:(1) 借方860,000円=貸方860,000円、(2) 借方800,000円=貸方800,000円。

この検証の限界:借方側累計と、振替額+期末残高の一致は、完成品原価を「期首+当期投入-期末」で求めた時点で定義上成立します。そのため、一致したことだけでは金額の正しさを示しません。同じことが売上原価にもあてはまります。

さらに、仕掛品勘定と製品勘定は同じ形をしているため、資料を取り違えて計算しても式は成り立ってしまいます。仮に期首製品160,000円を期首仕掛品として使っても、両辺は一致します。どの数値がどちらの勘定のものかを、問題文に戻って確かめる必要があります。

想定される誤り:ひとつは、当期に投入した900,000円をそのまま完成品原価としてしまうことです。期首と期末の仕掛品を調整する必要があります。ふたつめは、完成品原価860,000円をそのまま売上原価としてしまうことです。期首と期末の製品を調整する必要があります。三つめは、完成と販売を1つの仕訳(借方 売上原価/貸方 仕掛品)にまとめてしまうことです。製品勘定を経由しないため、期末の未販売製品原価が帳簿に残りません。


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