問1
商業を営む会社と比べたときの、製造業を営む会社の特質として正しいものを1つ選びなさい。
A. 外部から購入したものを、そのままの形で外部へ販売する
B. 外部から購入したものを、社内で加工して別のものに変えたうえで外部へ販売する
C. 外部から購入せず、社内の資源だけで販売するものを生み出す
D. 外部への販売を行わず、社内での消費だけを目的として生産する
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解答・解説
正答: B
正答理由:製造業では、材料などを外部から購入し、それを社内で加工して製品に変えたうえで販売します。購入と販売のあいだに社内での加工の過程がある点が、商業との最大の違いです。工業簿記は、この社内での価値の移動を帳簿に記録するために必要になります。
誤答理由
- A:購入したものをそのままの形で販売するのは商業の特質です。製造業では加工の過程を経ます。
- C:材料や部品を外部から購入することは製造業でも行われます。外部からの購入がまったくないわけではありません。
- D:製造業も、生産した製品を外部へ販売して収益を得ます。社内消費だけを目的とするわけではありません。
問2
工業経営における責任センターの説明として正しいものを1つ選びなさい。
A. 製品1個あたりの原価を計算するための集計単位である
B. 会社が外部へ公表する財務諸表を作成する部署である
C. 業績について責任を負う組織上の単位であり、原価の集計範囲を合わせることで業績評価に役立てられる
D. 原価計算基準を制定し、その適用を監督する外部機関である
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解答・解説
正答: C
正答理由:責任センターとは、購買・製造・販売などの活動について業績の責任を負う組織上の単位です。原価をどの範囲で集計するかを責任センターに合わせておくと、どの単位でどれだけの原価が発生したのかが分かり、その単位の業績評価に使えます。原価計算の結果を経営の管理に役立てるための考え方です。
誤答理由
- A:製品別に原価を集計する対象の説明であり、責任センターとは別の概念です。責任センターは業績責任を割り当てる組織上の単位を指します。
- B:財務諸表の作成部署を指す言葉ではありません。責任センターは業績責任の単位であり、経理部門に限られるものでもありません。
- D:責任センターは会社の内部の組織単位であり、外部機関ではありません。原価計算基準は責任センターが制定するものでもありません。
問3
商業簿記と比べたときの工業簿記の特色として正しいものを1つ選びなさい。
A. 外部との取引に加えて、社内の製造過程における価値の移動も記録する
B. 外部との取引だけを記録し、社内の活動は記録の対象としない
C. 現金の収支だけを記録し、掛けによる取引は記録しない
D. 財務諸表を作成せず、製品原価の計算だけを行う
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解答・解説
正答: A
正答理由:工業簿記の特色は、外部との取引を記録するだけでなく、材料が仕掛品になり製品になるという社内の価値の移動まで帳簿に記録する点にあります。この記録があるため、製品がいくらでできたのかを帳簿から把握できます。
誤答理由
- B:社内の活動を記録しないのは商業簿記の考え方に近く、工業簿記の特色とは逆です。工業簿記は社内の製造過程こそを記録します。
- C:掛けによる取引を記録しないという制約はありません。工業簿記でも商業簿記と同じく信用取引を記録します。
- D:工業簿記は原価計算の結果を勘定に記入し、貸借対照表や損益計算書につなげます。財務諸表を作成しないわけではありません。
問4
工業簿記と原価計算の関係として正しいものを1つ選びなさい。
A. 工業簿記と原価計算は同じ手続を指す2つの呼び名であり、内容に違いはない
B. 原価計算は工業簿記の結果を外部へ報告するための手続であり、両者の順序は原価計算が後である
C. 工業簿記は製品原価を計算する手続であり、原価計算はその結果を勘定に記入するしくみである
D. 原価計算は製品原価を計算する手続であり、工業簿記はその結果を勘定に記入して財務諸表につなげるしくみである
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解答・解説
正答: D
正答理由:原価計算は製品がいくらでできたのかを計算する手続であり、工業簿記はその計算結果を勘定に記入して財務諸表につなげるしくみです。原価計算が金額を出し、工業簿記がそれを帳簿に載せる、という役割分担になっています。
誤答理由
- A:計算する手続と記帳のしくみという役割の違いがあり、同じものの呼び名の違いではありません。
- B:外部報告のためだけの手続ではありません。原価計算の結果は経営の管理にも用いられます。また計算があって記帳が続くので、順序の説明としても逆です。
- C:工業簿記と原価計算の説明が入れ替わっています。計算するのが原価計算、記帳するのが工業簿記です。
問5
原価計算基準の説明として正しいものを1つ選びなさい。
A. 個々の会社が自社の実情に合わせて独自に定める社内規程である
B. 原価とは何か、どのように分類し計算するのかについての基本的な考え方を示す共通の枠組みである
C. 製品の販売価格の決め方を定めた法律である
D. 会社が納める税額の計算方法を定めた基準である
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解答・解説
正答: B
正答理由:原価計算基準は、原価の意味・分類・計算方法についての基本的な考え方を体系的に示した枠組みです。継続的かつ一貫した原価計算を行うための土台となり、この単元で学ぶ用語や分類も、この基準に沿っています。
誤答理由
- A:個々の会社だけが自由に定める社内規程そのものではありません。原価の意味や計算手続に関する共通の基本的考え方を示す枠組みです。
- C:販売価格そのものの決め方を定めるものではありません。原価計算の結果は価格の検討に使われますが、価格の決定を基準が定めるわけではありません。
- D:納税額の計算方法を定めるものではありません。原価計算の対象は製品の原価であり、税額の算定ではありません。