支配獲得後の連結(開始仕訳・のれん償却・純利益と配当) 一問一答 第1問〜第5問

問1

開始仕訳における、前年度までの損益項目の扱いとして正しいものを選びなさい。

A. 前年度に使った損益の科目のまま、同じ金額で計上する
B. すべて利益剰余金当期首残高に置き換えて計上する
C. 当期の損益として、あらためて当期の損益計算書に計上する
D. 親会社の個別帳簿に記帳して、翌期へ引き継ぐ

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解答・解説

正答: B

正答理由:のれん償却や非支配株主に帰属する当期純利益は損益の科目であり、年度が変われば残高として残りません。前年度の損益はすでに利益剰余金の一部になっているため、開始仕訳では利益剰余金当期首残高に置き換えます。のれんや非支配株主持分のような資産・純資産の科目は、前年度末の残高をそのまま引き継ぎます。

誤答理由

  • A:損益の科目は年度をまたいで残高になりません。当期首の状態を表す開始仕訳に、前年度の損益科目をそのまま置くことはできません。
  • C:前年度の損益を当期の損益として計上し直すと、同じ損益を二度数えることになります。開始仕訳が表すのは当期首の状態です。
  • D:連結修正仕訳は親会社・子会社どちらの個別帳簿にも記帳しません。記帳されないからこそ、毎年度あらためて開始仕訳を作る必要があります。

問2

2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんは10年で償却する。S社の決算日は3月31日である。

1年分ののれん償却額として正しいものを選びなさい。

A. 500,000円
B. 450,000円
C. 50,000円
D. 400,000円

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解答・解説

正答: C

正答理由:子会社資本は3,000,000+2,000,000=5,000,000円、親会社持分は5,000,000×80%=4,000,000円です。のれんは4,500,000-4,000,000=500,000円で、これを10年で償却するので、1年分は500,000÷10=50,000円です。

誤答理由

  • A:500,000円は支配獲得日ののれんそのものです。償却年数10年で割っていません。
  • B:450,000円は取得原価4,500,000円を10年で割った金額です。償却するのは取得原価ではなく、のれんです。
  • D:400,000円は親会社持分4,000,000円を10年で割った金額です。親会社持分は相殺消去される側であり、償却の対象ではありません。

問3

2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんは10年で償却する。S社の決算日は3月31日である。

S社の当期純利益は、第1年度(2027年4月1日〜2028年3月31日)が600,000円、第2年度(2028年4月1日〜2029年3月31日)が800,000円であった。

第2年度の連結修正で計上する非支配株主に帰属する当期純利益として正しいものを選びなさい。

A. 800,000円
B. 640,000円
C. 120,000円
D. 160,000円

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解答・解説

正答: D

正答理由:非支配株主に帰属する当期純利益は、子会社の当期純利益に非支配比率を掛けて求めます。非支配比率は100%-80%=20%ですから、800,000×20%=160,000円です。

誤答理由

  • A:800,000円は子会社の当期純利益の全額です。このうち非支配株主に帰属するのは20%分だけです。
  • B:640,000円は800,000×80%であり、親会社の持分比率を掛けています。振り替えるのは非支配株主の分です。
  • C:120,000円は第1年度の当期純利益600,000円に20%を掛けた金額です。当期の按分には第2年度の当期純利益800,000円を使います。

問4

2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんは10年で償却する。S社の決算日は3月31日である。

S社は第2年度(2028年4月1日〜2029年3月31日)に300,000円の配当を行い、P社はそのうち持分に応じた額を受け取って受取配当金として処理している。

第2年度の連結修正で行う配当金の修正として正しいものを選びなさい。

A. 借方 受取配当金240,000円・非支配株主持分60,000円/貸方 繰越利益剰余金300,000円
B. 借方 受取配当金300,000円/貸方 繰越利益剰余金300,000円
C. 借方 受取配当金60,000円・非支配株主持分240,000円/貸方 繰越利益剰余金300,000円
D. 借方 受取配当金240,000円/貸方 繰越利益剰余金240,000円

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解答・解説

正答: A

正答理由:P社が受け取った配当は300,000×80%=240,000円で、企業集団の内部で動いただけなので消去します。残りの300,000×20%=60,000円は親会社以外の株主へ支払われた分で、その額だけ非支配株主持分を減らします。貸方には、子会社が配当によって減らした利益剰余金の全額300,000円を計上します。

誤答理由

  • B:配当総額300,000円の全額をP社の受取配当金としています。P社が受け取ったのは持分に応じた240,000円です。
  • C:240,000円と60,000円が入れ替わっています。80%が親会社、20%が非支配株主の割合です。
  • D:非支配株主分60,000円の処理が抜けています。この形では、企業集団の外へ出ていった配当が非支配株主持分に反映されません。

問5

2027年4月1日、P社はS社の発行済株式の80%を4,500,000円で取得し、支配を獲得した。同日のS社の資本は、資本金3,000,000円、繰越利益剰余金2,000,000円である。S社の資産・負債は帳簿価額と時価が一致しており、評価差額は生じていない。段階的な取得ではない。のれんは10年で償却する。S社の決算日は3月31日である。

第1年度(2027年4月1日〜2028年3月31日)のS社の当期純利益は600,000円、配当は200,000円であった。

2028年4月1日の開始仕訳で用いる、のれんと非支配株主持分当期首残高の組合せとして正しいものを選びなさい。

A. のれん500,000円/非支配株主持分当期首残高1,000,000円
B. のれん450,000円/非支配株主持分当期首残高1,120,000円
C. のれん500,000円/非支配株主持分当期首残高1,080,000円
D. のれん450,000円/非支配株主持分当期首残高1,080,000円

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解答・解説

正答: D

正答理由:支配獲得日ののれんは4,500,000-5,000,000×80%=500,000円、非支配株主持分は5,000,000×20%=1,000,000円です。第1年度に500,000÷10=50,000円を償却するので、のれんは500,000-50,000=450,000円になります。非支配株主持分は、利益按分600,000×20%=120,000円を加え、配当減額200,000×20%=40,000円を差し引いて、1,000,000+120,000-40,000=1,080,000円です。

誤答理由

  • A:支配獲得日の金額をそのまま置いています。開始仕訳では、前年度の償却・利益按分・配当減額を反映した金額を引き継ぎます。
  • B:非支配株主持分に1,120,000円を置いています。これは配当による減額40,000円を差し引いていない金額です。子会社が配当した分のうち非支配株主へ支払われた額は、非支配株主持分を減らします。
  • C:のれんに500,000円を置いています。第1年度の償却額50,000円が引かれていません。

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